世界のねじを巻くブログ

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なぜ相撲の把瑠都が配役されたのか?『弟の夫』ドラマ化の狙い

【バルトがNHKで演じる理由】

NHKのBSプレミアムにて放送予定の『弟の夫』(原作:田亀源五郎さん)。
先日、メインビジュアルが解禁され、登場するキャストに関して、あの相撲界の把瑠都がゲイ役を務めることが話題になっています。
今の時代、外国人役者もたくさんいる中、なぜバルトが選ばれたのか、僕が考えたことを書いてみたいと思います。

 公式サイトはこちら。

弟の夫 | NHKプレミアムドラマ

【日本のLGBTに対する意識を変える?】

把瑠都さんが選ばれた理由を考えてみたので、箇条書きで書いてみたいと思います。

  1. 高齢層や団塊世代にも見てもらうため

    はっきり統計を調べてわけではないのですが、大相撲をみるメインの層は若者というより、50~60代が多いイメージ。日本を牛耳る団塊世代。
    僕の両親もまさに団塊世代です。

    残念ながら、父・母とも「LGBT」という言葉をおそらく知らず、ゲイといえばオカマ・オネエみたいな勝手なイメージを持っています。

    上記の調査結果の裏付けもあるように、年齢層があがるにつれ、LGBTに対する認識は薄れています。

    僕ら若年層がカミングアウトを恐れる理由として、同世代というよりも「大人(というか団塊世代)の目」が気になるLGBTの方がはるかに多いのではないでしょうか。
    こういった番組によって、意識が変われば、職場でも、上司に気軽に話せる日が来るのかもしれません。
    50代~70代の偏見が少しでも薄れれば、この国のセクシャリティマイノリティーが抱える悩みも、だいぶんましにはなるに違いありません

  2. セクシャリティマイノリティーに寛容な国出身

    原作の漫画版では亡き"弟の夫"として登場するマイクはカナダ人。
    さすがにカナダ人で適役はいなかったとみえ、
    エストニア出身のお相撲さんである把瑠都が選ばれました。

    エストニアといえば、ソ連から独立した国としては初めて同性パートナーシップが制度化され、比較的LGBTに寛容な国です。

    やはり、「パートナーと家族になれる国から来た」という設定はこの作品のにもなっていますので、エストニア人の把瑠都が選ばれたのは、そういう意味でも最適解なのではないでしょうか? 

  3. 見た目・風貌が似ている
    やはりこれが大きいでしょうね。
    原作のイメージを壊さないことはかなり重要な部分。
    背も高く、からだつきも大柄で、まさにマイク本人のよう。
    他に候補を挙げるのが逆に難しいぐらいではないでしょうか。。


もちろん どのようにしてキャストが選ばれたのか、僕ごときが知るよしもありません。
でも、あくまで推測にすぎませんが、上記のような意図が含まれると考えても、決して深読みとはいえないでしょう。
あらゆる年代層の方が、「家族とは何か?」ということを再考する機会になればいいですね。

 

【キャスティングが完璧】

テレビではどうしても”オネエ系”が取り上げがちですが、男らしい同性愛者がとりあげられるのは個人的にうれしい限り。

折口弥一 役の佐藤隆太『ルーキーズ』や『木更津キャッツアイ』 など男臭さを全面に押した俳優であり、男受けもよさそうで、なおかつ家庭的なイメージもあるので主婦層の支持も高いはず。
これ以上ないといえるほど適役ではないでしょうか。 

女の子の中村ゆりさんの元気いっぱいで純粋そうな感じも、原作のイメージをしっかり保ってくれそうです。
この記事でも書いたように、こどもの"ピュアな視点"が作品に与える影響は非常に大きいため、子役さんの演技も決して見逃せません。

ここ数年でとんねるずの"保毛尾田保毛男"の騒動から、『隣の家族は青くみえる』が放映されたことにみられるように、テレビ局のLGBTに対する視点も大きな転換期に差し掛かっています。
マンガ版の『弟の夫』がどんな風に実写化されるか楽しみです!

【隣の家族は青くみえるからの流れ】

あの保守的なNHKが、LGBTに言及するテレビ番組を公式に放映するというのは、画期的な”事件”だと思います。
しかも、準主役におそらく相当しがらみの強い業界にいたであろう元力士を使って。
とりあえず、把瑠都さんの演技力に期待です.
こういった番組が、一般の人にどう受け止められるか、非常に気になるところ。
より多くの人に見られるよう、地上波でも放送してほしいですね。