世界のねじを巻くブログ

ゲイが独自の視点で、海外記事/映画/書評/音楽/Kindle/Lifehackなどについてお伝えします。

デビット・リンチが瞑想を語る本『大きな魚をつかまえよう』レビュー

【アイデアとは魚のようなもの】

映画監督のデイビッド・リンチ(David Lynch)が瞑想について書いた一冊。

もちろん書かれているのは瞑想だけでなく、作品をどのように創り上げていくのか、

ジャンルを越えて活躍をするデイビッドリンチの創作の源を知れる一冊です。

さっそく感想を書いてみました。

瞑想を一ヶ月間続けて感じた感想・変化をまとめてみた

【リンチ流 アートライフ&瞑想レッスン】

特に印象に残った部分をいくつか紹介したいと思います。
まずは本のタイトルにも関連をするこの部分から。

アイデアとは魚のようなものだ。
小さな魚をつかまえるなら、浅瀬にいればいい。
でも大きな魚をつかめるには、深く潜らなければならない。
水底へ降りていくほど、魚はより力強く、より純粋になる。
巨大であり、抽象的だ。そしてとても美しい。 P10より
アイデアをひねりだそうとする欲望は、釣りエサに似ている。  P38

さな魚は浅瀬を泳いでいるが、大きな魚は水底にいる。
釣りをするコンテナーきみの意識ーが広ければ広いほど、より大きな魚をつかまえることができる。  P40

僕もブログ記事のアイデアを思いついた瞬間は、魚を釣り上げたときのような感覚を覚えます。

 他にも、至るところで映画への愛がひしひしと感じられる文章が。
映画監督なので当然といえば当然なのですが。
映画館に入ると明かりが消える。なぜか知らないが、これがすごくマジカルなんだ。 P26
いや、これなんですよね、映画は。
体験を共有できるのは素晴らしい。
家にいて、目の前にホームシアターがあるのもいいが、映画館にはかなわない。大きなスクリーンは最高だ。それはもう一つの世界へ分け入る通路だ。  P27

映画館の中に入るための通路。あそこを通るとき、今でもちょっとワクワクするのは僕だけでしょうか。

ぜひ上の記事も読んでみてください。

映画とは言語だ。話すことができる。
大きくて抽象的な事実をね。 P28

無声映画なんてのはその典型で、ことばなしにあらゆる世界観を観客の頭に疲労してくれます。映像というのはそういう部分では圧倒的な強さを見せますよね。

 

映画は本編だけで成立すべきだ。映画監督が作品の意味を言葉で解説するのは、馬鹿げている。  P30

見る側としては、「映画の意図をしっかり監督の口から聞きたい」と思ってしまう僕。

まあ監督側としては、自由に見て欲しい、という思いのほうが強いのは当然ですね。
 
意識の大海を活性化するためにダイヴするんだ。 P61
瞑想と聞くと、「静かな」「落ち着く」というようなイメージがありますが、デビットリンチ監督のこういった言葉を聞くと、積極的な「ダイヴ」という行為であることがわかります。
 
瞑想がもたらす至福は防弾チョッキみたいなものだ。 
きみを守ってくれる。 至福に満たされていればもう無敵だ。 P118

 瞑想が終わった後のスッキリ感、これは何にも代えがたい一時ですよね。

場所の感覚が出せるかどうかで、映画は大きく左右される。 P140
 "場所の感覚"という抽象的な言葉が出てきましたが、このワードを聞いてパッと僕が思い浮かべたのは、『シティ・オブ・ゴッド』や『ラスト・エンペラー』など。
そういうことなんでしょうか?
 
きみが発表する新作は、過去に達成したことの文脈において見られてしまう。 P184
これは辛いですよね。自分は新しいことをしたいのに、観客は昔の作風ばかりを求める。ブログ記事や小説にも同じ事がいえるでしょう。
例えば、『The Joshua Tree』から『アクトンベイビー』に転換を成功させたU2も、当時ここに相当苦しんだはずです。

最後に書かれているクリント・イーストウッド監督からのメッセージ(P206)も見逃せません。最新作の映画『15時17分、パリ行き』も本当に楽しみです。
 他にも有名人で例を挙げれば、
スティービー・ワンダー
リチャード・ギア
ヘザー・グラハム
コメディアンのラッセルブランド
マーティン・スコセッシ監督 など名だたるメンバーも瞑想を行っているとのこと。

音楽にも言及があり、
ビートルズの「Across the universe」
スティービー・ワンダーの「Jesus Childrens America」等の名曲、実は瞑想について歌っているとのこと。
特にStevie Wonderの曲なんて、確かに「Meditation」という言葉がモロに出てきますね。

デビットリンチがこんなに瞑想にハマっていたとは知りませんでした。
あの独特すぎる世界観は、こうした背景があって、生み出されているんですね。

【感想を読むより体験を】

瞑想に興味のある方、デビットリンチ監督の映画を一作でも見たことがある方は必読の一冊。

日本版には冒頭に「日本の読者へ」という題で、リンチ監督から日本の読者へのメッセージがあるのも好印象でした。

「瞑想って怪しそう」そんな印象をもっている方にはぜひ読んで欲しいです。

大きな魚をつかまえよう―リンチ流アート・ライフ∞瞑想レッスン

大きな魚をつかまえよう―リンチ流アート・ライフ∞瞑想レッスン

瞑想を実際に一ヶ月続けてみた感想は下記の記事をどうぞ。(今も継続中です)