世界のねじを巻くブログ

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Mr.Childrenのジャケット元ネタを集めてみた【ミスチル】

【ミスチル アルバムカバー】

1988年にデビューし、現在もなお日本の音楽業界を引っ張るMr.Children。
彼らの音楽はもとより、
アルバムジャケットのビジュアルもぐっと目を惹く魅力的なものが多く見受けられます。iPhone・スマホの壁紙や待ち受け画面にもぴったりな名デザイン。

というのも、実は彼らのアルバムのジャケット/アートワークは、
有名な絵画や洋楽アーティストのジャケットをオマージュにしたものが多いことは
ご存じでしょうか?

さっそく、ジャケ写のオマージュ元を紹介していきたいと思います。

【ミスターチルドレンアルバムジャケット比較】

 さっそく紹介していきましょう。
特に有名なのは、このジャケット。

左:『DISCOVERY/Mr.Children(1999年) 
右:『Joshua Tree/U2(1987年)

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 世界的に有名なロックバンド、U2の代表作であり名盤『Joshua Tree』のオマージュ。
ボーカルの桜井和寿は、U2のBonoにMTVの賞をもらったり
近年の雑誌インタビューでもU2に言及していたり、
U2の影響を受けていることは明らかです。
楽曲のタイトルも数曲同じものがあります。

 

左:『Mr.Children/1996-2000/Mr.Children(1999年)』
右:『Mezzanine/Massive Attack(1988年)』

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トリップポップを位置付けた、マッシブアタックの名盤『Mezzanine』
サイの姿を描いた「骨肉」アルバムとも呼ばれますが、元ネタはカブトムシです。

 

左:『優しい歌/Mr.Children』  
右:『ピレネーの城/ルネ・マグリット』

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少しアートをかじっている人なら、誰でも知っているルネマグリットの代表作。
僕は昨年の夏に開催されたスタジアムツアー「Mr.Children Stadium Tour2015 未完」
参戦しましたが、スクリーンの映像でも全編を通し鳥や鳥籠、雲等、
マグリットの絵で頻繁に用いられるモチーフが多様されていたように思います。

 

左:『NOT FOUND/Mr.Children(2000年) 』 
右:『Young and Rich / The Tubes(1976年)』

ミスチルジャケットnotfound  f:id:popmusik3141:20160407002155j:plain

掴んでいるものが蜂の巣に変更されているのは、

"痛みすら伴い歯痒くとも切なくとも 微笑みを"

というNOT FOUNDの歌詞をイメージしているからでしょうか。

 

左:『It’s a wonderful world/Mr.Children(2002年) 』
右:『テンプル大学音楽祭の広告/ Milton Glaser(1968年)』

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これも大胆なオマージュ、というかパクリ。
ちなみにミルトングレイザーは 、

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I LOVE NY で有名なデザイナーです。
他も優れたデザインをいくつも出しています。

 

左:『口笛/Mr.Children(2000年) 』
右:『デカルコマニー/マグリット(1966年)』

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マグリット。これもあからさまですね。

 

左:『四次元/Mr.Children(2005年) 』
右:『The Downward Spiral/ Nine Inch Neils(1994年)』

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インダストリアルロックを代表するナインインチネイルズの名盤。
外側はそれほどですが、中身はもっと似ています。

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左:『深海/Mr.Children(1996年) 』
右:『Electric Chair/Andy Warhol

ミスチル深海ジャケット  f:id:popmusik3141:20160407005041j:plain      

ポップアートを代表するアンディウォーホルの代表作の一つ。
ちなみにElectric Chairとは、アメリカの死刑執行に使われた電気椅子のこと。
『深海』の中に「花 ~Memento-Mori~」という曲が収録されています。
メメントモリ(死を思え)をイメージしてこんなジャケットにしたのでしょうか。

さすがに電気椅子はストレートすぎるためか、普通の椅子になっていますが。
一時期スマホの壁紙にしていました。

左:『I'LL BE/Mr.Children(1999年) 』
右:『偽りの鏡/マグリット

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こちらもマグリット。目の中に雲と空が映っており、全く同じ構図です。

 

左:『I ラヴ U/Mr.Children(2005年) 』
右:『Tormato/Yes(1978年)

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プログレッシブロックを代表するロックバンドYESの『Tormato』。
原稿用紙に投げつけられたトマトのジャケットも、
ここからきてるのではないでしょうか。
ちなみにYESの代表曲としてまず『Rooundabout』が挙げられますが、
ミスチルにも『Round About ~孤独の肖像~』という曲があります。

~番外編~

左:『Reflection(2015年) 』
右:『狂気/Pink Floyd(1973年)

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期間限定で発売された、ハイレゾ音源を収録したUSBアルバム『Reflection』。
こちらもピンクフロイドの代表作『狂気』をモチーフにしています。
ちなみにMr.Childrenの曲に『hypnosis(ヒプノシス)』というものがありますが、
上記の『狂気』ジャケット製作グループは「Hipgnosis(ヒプノシス)」という名前です。

明らかに意識しているのは間違いないでしょう。

【SWITCH Vol.35の特集】

 Mr.Childrenに限らず、こういったアルバムジャケット・アートワークのオマージュは数多くのアーティストでみられます。

アルバムジャケットがどのようにして採用されるかは不明ですが、
ジャケット写真の背景や意図を読み取ることで、彼らのルーツを知ることにも繋がり、
アルバムの世界観もより深く感じられるのではないでしょうか。  

みなさんが普段何気なく目にしているアルバムアートワーク・ジャケ写も、
もう少し注意して見ると、何か隠されたものが見えてくるかもしれません。

また機会があれば、ビジュアル・デザイン面だけでなくサウンド面でのオマージュにも触れていきたいと思います。

※追記(2017.5.10):配信限定のベストアルバム『Mr.Children 1992-2002 Thanksgiving 25』『Mr.Children 2003-2015 Thanksgiving 25』も発売されました。
デザイナーの森本千絵さんによる過去作品のオマージュを含んだアルバムジャケットも素晴らしいですね。

※追記(2017.5.28):雑誌スイッチ『SWITCH Vol.35 No.6 THE ARTWORKS OF Mr.Children』にて、ミスチルのアルバムアートワークに関する特集が組まれたようです。
制作秘話・インタビューも載っているので、気になる方はぜひ!ジャケットを一覧にした表紙もおしゃれ。

SWITCH Vol.35 No.6 THE ARTWORKS OF Mr.Children

SWITCH Vol.35 No.6 THE ARTWORKS OF Mr.Children

  • 作者: Mr.Children,森本千絵,丹下紘希,佐藤可士和,信藤三雄,小林武史
  • 出版社/メーカー: スイッチパブリッシング
  • 発売日: 2017/05/20
  • メディア: 雑誌
  • この商品を含むブログを見る

(※追記:2018.5.10)

「Apple Music」「Spotify」「Googl Play Music」などのオンライン配信で全アルバムが公開されました。

ついにミスチルも一線を越えましたね・・。
アルバムは「Reflection」をのぞきネット配信されていなかったので、サブスク対応は驚きました。はじめてのかたも、ぜひアップルミュージックやスポティファイで櫻井さんの声を楽しんでみてはいかがでしょうか?

(※追記:2018.8.3)

ついにミスチルことMr.Childrenの新アルバムのリリースが決定しました。
2018年の10月3日に発売とのこと。アルバムツアーも開催されるようです。

(※追記:2018.9.20)

ミスターチルドレンが新作アルバム『重力と呼吸』を発表。
このジャケット写真、青とオレンジで炎を思わせるイメージですが、
一体どういう意味が込められているんでしょうか。内容も含め、待ちきれませんね。

※ポッドキャストはじめました。ミスチルについても熱く語ってます。

iPhone/iTunesで聴く→ https://itunes.apple.com/jp/podcast/世界のねじを巻くラジオ-ゲイのねじまきラジオ/id1409236261?l=en

 Spotifyで聴く→https://open.spotify.com/show/6ComJ7U0Y0yJ9DM1eEt9jj?si=FlR5lp6VTQuDe86DH125VA
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(※追記:2020.10.01):

ニューアルバム『SOUNDTRACKS』発売決定。
サウンドトラックというタイトルらしく、いろんなものの断片が映ってるクールなジャケット。これは期待ですね~
「turn over?」「君と重ねたモノローグ」「Birthday」も収録予定とのこと。

アートワークはPERIMETRONというアート集団が担当するそうです。