世界のねじを巻くブログ

ゲイが独自の視点で、海外記事/映画/書評/音楽/電子書籍/Lifehack/Podcastなどについてお伝えします。ポッドキャスト「ねじまきラジオ」配信中。

『人はなぜ匂いにこだわるのか』を読んだ感想【におい】

【嗅覚に関する本】

現在、世界一周旅行中のねじまき(@nejimakiblog)です。
旅行をしながら仕事や資格の勉強をしたりで、
なかなかブログやポッドキャストを更新できてませんが「読書の秋」ということでもう一冊本を紹介したいと思います。

以前、いくつかの記事で触れましたが、
僕は昔から「嗅覚」にすごくに惹かれるのです。わざわざこんな展示にいったりも。

「におい」関して、わりかし色んな本を読んだのですが、サクッと読めて内容も楽しめた一冊を紹介したいと思います。

【感想・レビュー】

 さっそく、印象に残った部分を書いてみます。

目と耳は、外部からの刺激が物理であり、 口と鼻は化学なのである。
『人はなぜ匂いにこだわるのか』村山貞也  P15

あまり考えたことはなかったですが、確かにいわれてみれば、
嗅覚に関する本を読むと化学の式が出てきたりで、圧倒的にケミカルの世界だったりします。

調香師など香料を扱うひとは理系出身の方が多いと聞いたがことがありますが、そういうことなんですね。

 

「におう」は赤い美しさのことだった。 P23

=に ということで、語源的には赤の意味を持つことばだったようです。 
語源は意外なところからきていたりしてなかなかに楽しめます。

 

大昔は、嗅覚も大事なコミュニケーション・メディアであったと思う。P54

平安時代では、「におい」は貴族にとって必須のスキルで、
手紙にお香を焚いたり、文字通りのコミュニケーションとしての使われ方をされていました。
 

また、ところどころのページで、匂いに関する作品の引用がされてました。

例えば、

蜜柑の 香染みたる指を 洗はずに 山口誓子

という俳句、
読むだけでどこからかミツカンの香りがただよってきそうな一句です。
イメージを喚起させる効果は、五感の中でも特に優れているんじゃないでしょうか?

 

ほかにもヘミングウェイの『老人と海』の鮫工場のにおいが漂ってくるシーンの文も紹介されていました。


個人的には、三島由紀夫の『仮面の告白』で、ゲイの主人公が家の前を通る兵隊の汗の臭いに昂る場面もわりかし印象に残ってます。
自分が同性愛者の自覚がないころに読んだので、悟ってからもう一回読むと、主人公の気持ちが手に取るようにわかる気がしたのを覚えています。

意外とそういう見方はされてないですが、あの大江健三郎もにおいに関する描写が優れている作家だと思います。

立ちどまると犬殺しの躰からはやはり生あたたかい犬の臭いがし、それは犬の死体そのものよりもっと生なましかったから僕は何げなく顔をそむけながら歩きまわった。
「奇妙な仕事」大江健三郎 

犬を殺していく「奇妙な仕事」を手伝う人々を描いた作品ですが、良い香りだけでなく、こうしたグロテスクな場面にも、嗅覚的な描写は活きてくるんだと思います。

音楽でいくと、サイモン&ガーファンクルやU2がパッと浮かびます。

U2の「Miracle Drug」という曲の歌詞も

Freedom has a scent. Like the top of a new born baby's head.
自由は匂いがある / まるで生まれたての赤ん坊の頭の上のような

となっていて、よくそんな発想ができるなぁ、と聞くたびに感心したりしてます。
レミオロメンやスピッツも意外と嗅覚にこだわっている歌詞が多い気も。 

「におい」に関していろんな視点から語った本なので、興味のある方はぜひ。

【においの世界は面白い】

以上、ひさびさの「五感を鍛える」カテゴリーへの投稿でした。
嗅覚って人間の大切な五感の一つなので、知れば知るほど面白いです。

ワインや香水好きの方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか?

人はなぜ匂いにこだわるか―知らなかった匂いの不思議

人はなぜ匂いにこだわるか―知らなかった匂いの不思議

今週のお題「読書の秋」

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『絵の言葉』感想:日本と西洋の美術に対する視点の違い

【小松左京と高階秀爾の対談集】

現在、世界一周旅行中のねじまき(@nejimakiblog)です。
せっかくヨーロッパにも訪れるので、旅行前に西洋美術に関していろんな本を読んでました。
その中でも、古本屋で何気なく手に取った『絵の言葉』という古本がかなり心に刺さったので、軽く感想を書いてみようと思います。

ちなみにこの本は、あのSF作家の小松左京と美術家 高階秀爾の対談集となります。

小松左京は『地球になった男』とかがわりかし好きなので、それを理由に手に取ったということもあるのですが、やっぱり名著でした。

【読書感想・書評】

美術に関しての対談ってけっこうお互いの知識を披露するような形で、素人には「うーん」となる部分が多いのですが、この本はそれほどウンチク語りになってないところが非常によかったです。

 さっそく印象に残った部分をまとめておこうと思います。

とくに中世の西洋美術で言えば、挿絵というのは決して本文に付随するだけのものではなくて、それ事態に意味があった。
                       高階(敬称略) P16

よく言われることではあるのですが、当時は識字率も相当低かったので、
聖書の内容を誰でも理解できる「絵」にすることが非常に大切だったようです。
当時の人々が、どんな気持ちで絵を眺めていたのかを考えると、絵に対する意識もおのずと変わってきます。

ルネッサンスの絵なんかも、同性愛の理解がないと読めないというのが多いと思います。 フィレンツェでは盛んだったのですからね。(高階) P34

日本でもアヌスを菊にたとえますが、西洋ではデイジーですよ。 
                        (小松) P34

こんな感じで、ゲイ的な要素にもしっかり触れてくれている部分もポイント高し。 
ひっそりと同性愛的シンボルを潜ませた絵も多いのかもしれません。
薔薇はゲイっぽいですが、キクもそうなんですね・・。

 

ほめる連中がいたからこそまた一生懸命に絵を描く連中が出てきたという相互作用もあって、あのルネッサンス美術が大きな力になっていった。
高階 P121 

 あのルネッサンスも、結局はちゃんといいものを批評してくれる人がいて、お金を出資してくれる金持ちがいたから成り立ったもの。
作品を語るのは、そういった意味でもアーティストのためになるのかもしれません。

 

歌舞伎で雨とか雪を太鼓の音で表現するというのは見事なシンボリズムですよ。   高階  P134

 歌舞伎、実は一回も見たことないのですが、そんな表現があるんですね。
でもいまだに高校の頃に学校の課外授業で見たの間の取り方は、非常に印象に残ってます。

 

西洋は背景の違った連中が寄り集まって、ある程度普遍的なものを作らなければどうしようもないという重要な社会的課題を抱え続けてきた。 (中略) しかし日本ではみんなの背景が同じだから、そんな必要はないわけです。 高階 P100

やっぱりこの差は大きいですよね。
日本人は同じバックグラウンドをずっと持ち続けたからこそできた文化があります。
そういった部分は、ガラパゴスだと卑下せずに誇るべきかと思います。

 

西洋は神が自分の姿に似せて人間を作ったという思想だから、当然、神をつくる時には人間の姿に似せてつくる。 高階 P110

なんとなく『』『千と千尋の神隠し』の映像が頭に浮かびました。

 

日本の場合は「自然は美しい」という、美と自然との結びつきが実に強固なんです。 P156 小松

 自然への意識の違いも、欧米と日本では大きく異なります。
神が創った自然、という自然と人間の対立という構図に対して、
日本では一体感や肯定感というものがかなり強い。

 

もちろん西洋のほうも、論理だけではだめだということに気がついてはいます。 P187

に取り組んでみたり、ドラッグで意識を拡張しようととしたのは、
論理的な部分を超えようとした試みだと思うとちょっと感慨深いですね。

 

外国にしても、一度行ったところは心理的距離として近くなるということがある。 つまり、物理的には空間の拡大であることが、感覚の方では縮小になるのですね。 P205 高階

旅行中の身としては非常に共感できる一文。

 
『絵の言葉』というタイトルながらも、あらゆるジャンルの物事に関して書かれているので、好奇心が十分に満たされます。
小松左京を知らないという方にもおすすめです。

【芸術に触れる方におすすめ】

1976年発売のわりかし古めの本なのですが、現代でも十二分に通じる内容かと思います。古い本ですがぜひ。

絵の言葉 (講談社学術文庫 74)

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Kindleをお風呂で読める素晴らしさを語ってみる【新型キンドル】

【防水性のPaperwhite】

防水機能を備えた電子書籍端末「キンドルペーパーホワイト」のニューモデルが2018年11月7日に発売されます。

 僕はKindle Oasis(ニューモデル版) を使ってお風呂でも日常的に読書をしてます。
今回、お風呂で電子書籍が読めるっていうのはどんな感じなのか、実体験を交えて書いてみたいと思います。

今週のお題「リラックス」

【ペーパーホワイトの新型】

まず気になるのは、どのぐらいの防水性能があるのかどうかということ。

IPX8等級の防水機能を備えており、水深2メートルで最大60分耐えられるそうなので、
うっかり水に落としても安心なようです。

ということで思っている以上に水に耐えてくれるキンドルなので、
お風呂でも全く気にかけることなく使うことができます。

個人的な話をすると、
ご察しのとおり僕は“長風呂派“なので、
少なくとも30分ほどはお風呂に入ってます。

ぼーっとしながらぬるめのお湯につかりながら本を読むのはホントに気持ち良いです。
適当なアロマでもたらしながら本を読むと、ストレスなんて吹っ飛びます。

はたからみると気持ち悪いかもしれませんが、
長期戦に臨むときは、浴室の伝記を消して真っ暗な中で読んだりもします笑
現実世界から逃避できるのでわりかしこんな使い方も気に入ってます。

 

あと個人的に購入前に気にしていたのが、真水ではなく、泡や石鹸などが混ざった水は大丈夫なのか、という点。

アマゾンは真水に対しての防水をうたっているので保証外ではあるのですが、
実体験を交えると、
うちのキンドルオアシスは泡がついた手で触ったキンドルにシャワーガンガンかけても動いてくれてます。
※自己責任でお願いします

 また別の例をあげると、
沖縄の海でプカプカ浮かびながら読書したこともありますが、
塩水が多少かかってもまったく問題ありませんでした。

温泉や銭湯の水でもセーフでしたね。

あと、Amazonの商品説明を見る限り、Kindle Oasisもペーパーホワイトも同等の防水性を備えているかと思われます。

【マンガや雑誌も】

あくまで白黒の画面ではありますが、雑誌や漫画も読むことができます。

雑誌は解像度の面で多少みづらい部分ああるのですが、
マンガなら不満なく読めるかと思います。

 Newモデルは8GB32GB版の二種類があるようですが、
2000円ほどしか値段は変わらないので、マンガや雑誌を読む方は32GB版をおすすめします。

 
「防水性ってお風呂やプールだけしか意味ないじゃん」って方もいるかと思うのですが「雨の中でも持ち歩ける」
っていうのは結構個人的にインパクト大です。

大雨の中手で大胆にひっつかみながら歩いても全く問題なし。

 

ここまでキンドルのタフさについて書きましたが、
あくまでも機械なので、そこら辺はていねいな扱いが必要なことはご了承を。
(ちなみに僕のキンドルは何度も落下してますが今のところ大丈夫です)  

 

ちなみに防水対応の電子書籍端末といえば、
実は日本の企業である楽天が販売しているコボ (Kobo Formaや Kobo Aura H2O)も対応しています。
そのため実は「キンドル独自」ってわけではないのですが、洋書の品揃えや読み放題のKindle Unlimitedがあるので、僕はキンドルを使ってます。

正直高額なキンドルオアシス(29,980円~)を買わずに、
今回発売のお手頃な防水を備えたNewモデルのPaperwhite(13,980円~)を買える方はちょっとうらやましくもあります。。笑

実をいうと、アマゾンが保証しているキンドルの動作保証温度はかなり狭めなんですが、
僕のキンドルオアシスは今のところ、
普通の風呂の環境であれば特に問題なく動いてます。(※自己責任でお願いします)

サウナ内であれば、非常に高い温度になるので、Kindleを持って入るのは危険じゃないでしょうか? そこは控えときましょう。

 

あと新型Kindle Paperwhiteの大きな見どころといえば、
4G通信に対応しているということ。
いままでのフラグシップモデルのKindle Oasisでさえ3G通信でした。
ちょっと通信が遅いな、と思う場面もいくらかありましたが、
これでサクッとダウンロードできそうですね。

また、4G通信を使えば、本をダウンロードするだけでなく、
SNSと連携しお気に入りの文章を、出先からでもみんなにシェアすることができます。
ちょうどこんな感じで↓

設定方法など、詳細は下記より。

KindleとTwitterを連携させて文章をシェア!


とにかく、  
浴室で何にもすることがないという方にはホントにおすすめです。
読書家でなくてもあっというまに読書習慣をつくることができます。

15分も読んでれば汗もかけるので、新陳代謝を改善するにも打ってつけかもしれません笑 
冬はホントにいいですよ~

これからの寒い季節、ぜひキンドルペーパーホワイトのNewモデルで快適なお風呂ライフを楽しんでみてはいかがでしょうか?

2019年のサイバーマンデーで安いのでぜひチェックを。

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U2や音楽・映画、ゲイライフについて熱く語る番組。

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飯塚モスオのWEBマンガに心えぐられる【ゲイ漫画家】

【LGBT向けウェブ漫画】

 みなさん、最近マンガって読んでますか?(久々のLGBT系記事ですね)

僕自身、あまり漫画を読まないのですが(ましてやウェブマンガはほぼ読みません)、それでも飯塚モスオのマンガだけはツイッターで公開される度に読んでます。 

"ゲイあるある"をユーモアたっぷりに表現されてる、独特のマンガです。

4コママンガなのでで気軽に読めるのがいいですね。
今の時代はこういうスタイルの方がウケるかもしれません。

ヘタに下ネタに走らず、真面目なゲイの悩みを書いたものもあるので、
非常に好感が持てます。

たった四コマだけなんですが、読んだ後、後味が残るものもたくさんあります。

言葉だけでは説明しにくい魅力もあるので、個人的に気に入ったエピソードを5つほど紹介してみます。

【Twitterで話題に】

 さっそく、Twitterにアップロードされてる中で、いくつか個人的なおすすめを貼ってみました。

 「あー、あるある!」って感じのエピソード。
個人的に好みの人は”ゲイ認定”してしまいます。
同性愛者としての願望ですね・・。
もしこの人がゲイだったら」的な。

 

今はいない恋人の事を思いつつ・・。
というのはゲイだけの話ではないと思いますが、すごく突き刺さります。 

 

 これもあるある。
彼女の有無を聞かれるたびに思う、「・・・ああ、きたか。」っていうやつ。
ホントにゲイの気持ちを代弁してますね。 

 

これもありますね。こんな風にはしゃいだ時もありました。。
今はノンケの友人ともこんな会話をしたりしてます笑

 

そして一番のお気に入りがこれ。

これ、全く同じことをしたことがあります笑

 登場人物の絵柄がほんとかわいいです。
万人受けしそうなのに、どこか目を惹く特徴的なスタイルがいいですね。

『Looking』ゲイにおすすめの海外ドラマ【Hulu】

【絵柄もかわいい】

飯塚モスオさんの独特の視点、いかがだったでしょうか?

ゲイやLGBTだけじゃなく、ノンケ(ストレート)の方にもぜひ読んでほしいWeb漫画ですね。

マンガのクオリティーを裏づけるように、Twitterのフォロワー数もすごいことに。

ツイッターでも新しいマンガが投稿されるたびに、かなり「いいね」がついています。

飯塚モスオ(@moscowmule_)のツイッターは下記リンクより。
新作は毎回ここでツイートされているはずなので、要チェックです。

カミングアウトデーなので、ブログでカムアウトしてみる

ポッドキャストはじめてみました。
LGBT/ゲイ 関連についてもたまに話してますので、ぜひ聴いてみてくだい!iPhone/iTunesで聴く

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※追記(2018.10.1): Kindle版「モスコミ」も発売されたようなので、興味のある方はぜひ!
※追記(2019.7.7): キンドル版続編「モスコミ2」も発売。まだ読んでませんが楽しみです。

Podcastインタビュー(ラジオ)「ゲイ漫画家:飯塚モスオにインタビュー」配信中です!

「関西レインボーフェスタ2019」にも出展予定とのこと。

アメリカのコメディアンのユーモア的思考【Kindle】

スタンダップコメディアンの書籍

最近、ネットフリックスでのコメディが再燃しているので、
昔読んだアメリカのコメディアンが書いた本
Do You Talk Funny?』を軽く読み返してみました。
せっかくなので、いくつか印象に残った部分をまとめてみたいと思います。

2017年に心を揺さぶられたKindleの電子書籍10選

 

よい話し手になるには

この本は、有名なアメリカのスタンダップコメディアンが書いた電子書籍。
原題は、
『Do You Talk Funny?: 7 Comedy Habits to Become a Better (and Funnier) Public Speaker』
(面白く話してる?:よいスピーカーになるための7つのコメディアン的習慣)
というタイトルになってます。

スタンダップ・コメディって何?って方は下記の記事をご覧下さい。

スタンダップ・コメディを人生初めて観にいった話

 
本の内容としては、

“The human race has only one really effective weapon and that is laughter.” — Mark Twain
人はただ一つ有効な武器を持っている、
それは笑いだ。ー by マーク・トゥイン   位置:528

上記のような引用をいくつも交え、日常生活における「笑い」の有効性を説いていきます。

気になったところを下記まとめて書いてみます。

The brain doesn't pay attention to boring things,” notes John Medina, a biologist and author of the best-selling book Brain Rules.

脳はつまらないことに注意を払わない。 「Brain Rules」というベストセラーを書いた生物学者 John Medina は記す。

まあこれは間違いないですよね。
ただスライドにあることをそのまま語るプレゼンは頭に入りません。

 

It’s like a mental post-it note that tells your brain, remember this.

ジョークは脳に語ってくれる"メンタルなポストイット"みたいなもんだ。

位置:203

意外とジョークって頭に残りますよね。
映画を見終わった後でも、記憶に残るのは、クライマックスやユーモアを交えた会話の部分であることが多いです。

 

“People will forget what you said, people will forget what you did, but people will never forget how you made them feel.” — Maya Angelou
人々はあなたの言ったこと・やったことを忘れてしまう、
でも彼らがどう感じたかは決して忘れない。by マヤ・アンジェロウ

 これも芯をついてる気がします。人の心に訴えかけることが大切なんでしょう。

 

As a good storyteller, you need to be totally human.
Be vulnerable, embrace embarrassment and vocalize failure before success.
よいストーリーテラーになるには、完全に人間でならなければならない。
成功の前に、ひ弱で、恥を受けとめ、失敗を口にしなければならない。
位置:417

Netflixでみるスタンダップコメディアンって結構ちゃらんぽらんで、色々やらかしてるエピソードを恥ずかしげもなく披露しています。
やっぱり"人間臭さ"が出てるほうが親しみを持てるんでしょうね。

僕もなるべくええかっこせずに、なるべく等身大の自分を出せるように気をつけたいと思います。
ブログはちょっと真面目な感じで書いてるので、
ポッドキャストやツイッターではプライベートと同様の感じでいきたいかな。
 

Standup comedians, top TED speakers, and even Presidents tend to follow the same joke format for this: 1) Set-up, 2) Punch line, and then 3) Taglines.
スタンダップコメディアン、TED登壇者、そして大統領もこのジョークのフォーマットに従う傾向がある。
1) セットアップ 2) パンチライン 3)タグライン

位置:564

1) セットアップ 
できるだけ相手にそのジョークの背景をちりばめて伝えておくこと。
海外のコメディアンはジョークにいくまでの場面設定が非常にうまいように感じます。

2) パンチライン 
要するに”ひねり”の部分。人々の予想を裏切り、全く違う方向へ持って行きます。
ここが最も重要な部分です。

3)タグライン
パンチラインに続いて、新しい方向にさらにひねっていきます。

こう書かれても、やっぱり実行するにはそこそこの練習量が必要かもしれません。

 

Joke Structure is the key to getting to the funny as quickly as possible.
ジョークの構造として鍵となるのは、なるべく素早く笑いに繋げることだ。
位置:576

だらだらとジョークをいうより、ポッと出た一言の方が優れたジョークと言えるのでしょうね。
松本人志さんとかはまさにこの典型例かもしれません。

 

“A sense of humor is an attitude in how you approach your work and life. It is a skill that can be developed.” — Jeanne Robertson

ユーモアのセンスは、どのようにして仕事や人生に取り組むかの態度そのものである。
そしてそれは磨くことができるスキルだ。 by ジーン・ロバートソン

力強い一言。とても励みになります。

死ぬまでにやりたいことリスト100」にも書いたように、いつかスタンダップコメディをやってみたいな、と思ってます。

プレゼンが不安な方も

いかがだったでしょうか?
英語の本になりますが、ブログのライティングやプレゼン・ポッドキャストなどのトークにも活かせる内容なので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
日常でも、面白おかしく話せたら・・と思うのですが、まだまだ道は遠そうです。

Do You Talk Funny?: 7 Comedy Habits to Become a Better (and Funnier) Public Speaker

Do You Talk Funny?: 7 Comedy Habits to Become a Better (and Funnier) Public Speaker

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「こいつどんな声しとんねん!」と思った方はぜひ聴いてみてください。
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『おしゃれと無縁に生きる』/村上龍の感想(幻冬舎文庫)

【エッセイ最新作】

『コインロッカーベイビーズ』や『69』など強烈な性描写やドラッグで溢れたスタイルが有名な村上龍。

村上龍さんは長編だけでなく、映画や短編、そしてエッセイの書き手としても有名です。

本日紹介するのは、『おしゃれと無縁に生きる』というエッセイ。
文庫本が出るのを待っていたため、ずいぶん久しぶり龍さんの随筆。
軽く感想を書いてみたいと思います。

※お盆の間、読書メモをまとめたので、週に1回は書評記事を書く予定です。

『すべての男は消耗品である。/ 村上龍』完全版の感想 (以前の書評)

レビュー・書評

経済・政治・文化・海外などあらゆるジャンルについて、村上龍さんが雑誌のコラムに寄せた文がまとめられています。

※カッコ内「」はそれぞれのエッセイのタイトルです。

・「おしゃれと無縁に生きる」

 わたしは、勤め人の経験がなく、仕事上オンとオフがないので、 何を着ればいいのだろうと思い悩むことがなかった。
『おしゃれと無縁に生きる』 P8 

あの『地獄の黙示録』のコッポラが、
自分のワイナリーを持つほどの大金持ちなのに、撮影のとき靴下に穴が空いていた
というエピソードも興味深かったです。 



・「日本が誇れるもの」

言葉は、それが意味する概念が希薄になり、 優位性が失われたあとで、渇望の象徴として流行ることがある。 P33

 なんとなくわかる気がします。



・「日本人の政治意識」

政治意識の高さを測る指標は、投票率だけなのだろうか。 P41

単に他国の投票率と比較して、「最近の若者は~」という論調には辟易しているので、
ほかの指標があると面白いかもしれませんね。



・「社長になりたいですか」

「みんなで方針を決める」という経営は終焉を迎えた、という文章から、下記の流れ。

経営は、「連続して起こる危機への対応」ということにその本質を変えたわけだが、 もちろんそのほうが正統的であり、バブル以前が特異だったのだ。 P78

 「カンブリア宮殿」でいろんな経営者をインタビューしてきた村上龍さんの鋭い指摘。
まあ、昔みたいにふんぞり返っているだけでは社長は務まりませんよね。



・「お金で幸福は買えるか」

だから、「金で幸福が買えるか」にはあまり意味がないが、 「金があれば不幸をある程度回避できる」というのは真実だと思う。 P81

これは確かに健康面でも、教育面でもそうかもしれません。
ビートルズも「Can't Buy Me Love」(金じゃ愛は買えない)と歌ってますが、
お金持ちの方が多少有利なことは

だが、絶対に金では買えないものがある。信頼だ。P83

 意外と普通のことを言っていて、「村上龍も丸くなったな」と思いました。

 

・「イノベーションとは何か」

これまで偉大なイノベーションを生み出した人物の共通点はただ一つ、 「実行した」ということだ。 P119

「7:3の法則」について触れていましたが、
"成算が7割あればとにかく実行する確固たる精神"が肝心とのこと。

これも手に垢がついた表現ですが、結局人生やるかやらないか、ですよね。

 

・「観光立国への道」

政府主導で「観光立国」が実現するか? と疑問を投げかけたエッセイ。

観光には、ロマンが関わる。 ロマンを生み出し、外国の人に伝えることができるのは、政治ではない。文化の力だ。 P122

オリンピック担当者に読んで頂きたい一文。


・「歴史に学ぶ」

わたしたちは、歴史を主観的にとらえたがる傾向があるが、 歴史は元来、残酷で冷徹な事実の連なりである。 P134

歴史なんて解釈の仕方でどうとでも変わってしまいますが、
冷静に客観視して物事を判断できるようになりたいですね。

 

・「定年というシステム 」

問題は、本誌に限らず、ほとんどのメディアが、「弱者」をフェアに扱う文脈を持っていないということだ。 そういった社会は、生産性向上に必須の「想像力」が欠如している。 したがって、結果的に、衰退の一途を辿る。 P137

 マイノリティー側にいるとちょっと共感できる気がします。
ちょっとでも配慮を心掛け、多様化を目指すべき、ということでしょうか。

 

・「小さな経済圏について」

共通しているのは、国や大手への依存がなく、 独自のネットワークによる「小さな経済圏」を成立させていることだ。 P142

このエッセイは印象深かったです。
一人勝ちを目指す時代はすでに終わっていて、いかに協力・シェアするかが勝算を分ける時代になってきているんじゃないでしょうか。

 

・「人を育てる」

人を育てようと思ったら、まず 「自らを育てる」ことを優先すべきではないだろうか。 部下や後継者は、すぐそばで、育てようとしている人を見ている。 P197

まっとうな一文です。まずは自分から。

Ryu Murakamiらしい随筆文

一つひとつが短いので、寝る前にでもさくっと読めるような一冊。
「カンブリア宮殿」の話題も出てくるので、いつも以上にビジネスマン向けかもしれません。
主婦層にはおそらく向かないかと思われます。
 「最近、村上龍読んでないなぁ」って方は文庫版も発売されたのでぜひ。

おしゃれと無縁に生きる (幻冬舎文庫)

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Kindle本をプレゼントできたら電子書籍も流行るんじゃないか

【ギフトでキンドル本を送る】

記念日やお祝いのとき、何をプレゼントに贈るか迷われる方は多いのではないでしょうか。
近くの友達だと、直接本や雑貨を渡したりだとかできるのですが、
遠方の友達だとなかなか会うのは難しい。

何か贈りたいけど、「わざわざ住所を聞くのもなぁ」という場面、よくあるんじゃないでしょうか。

ちょうど僕もそんなことがつい最近よくあり、なんとなく「Kindle本をプレゼントできたらな」と思ったので、軽くこの記事を書いてみました。

友人に贈るには

調べてみると、実はこの「キンドル本プレゼント機能」
アメリカのAmazon.comではフツーにそんな機能があったりします。

Amazon.com Help: Purchase a Kindle Book as a Gift
これ面白いですよね。
メールでダウンロード用のリンクが届き、すぐにダウンロードできる。
受け取った側としては、スマホでもタブレットでも読めるし、
「タダなら読んでみようか」となる人も出てくるはず。

 

本なんて高くても数千円なので、ちょっとしたサプライズに最適じゃないでしょうか。
なにより、住所を知らなくても、メールアドレスさえ知っていれば、ギフトとしてプレゼント出来るってのが便利そうです。

『村上RADIO』村上春樹のラジオで流れた曲まとめ

なんだかんだ、電子書籍って「めんどくさそう」と思われてる部分が多いんじゃないかと個人的には思ってます。
実際に「アプリをダウンロード→本を探して購入」 
というステップを踏む人はなかなかいないかと思うので、何かしらプレゼントされたなどのきっかけがないと、利用には踏み切らない、という人は多いかと思います。

さすがに、知り合いから贈られてきた本をそのままほっとくわけにもいきません。
読み終えてくれるかどうかは別として、受け取った側はとりあえずKindleアプリぐらいはダウンロードしてくれるんじゃないでしょうか。

 

また、つい4日ほど前、Amazon.comでは、下記機能が発表されました。

電子書籍のギフトおよび他の人のための購入 (日本ではサポートされていません) | Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング

簡単にいうと、献本機能ができたという内容。

キンドル本の著者は読者に向けて、読者向けの本をまとめて購入し、引換用リンクを送付し無料配布できる、という機能です

この機能があれば、ブログで電子書籍のプレゼント企画ができたり、SNSでばらまけたり、面白いことができそうですよね。

本の貸し借り(レンタル機能)などまだまだ電子書籍は発展するところがありますね。

海外では図書館で電子書籍が借りられたり、いろいろ羨ましいな~と。

Kindle Unlimitedが英語学習に最も効果的だった

日本ではギフト券のみ

日本のアマゾンではこの「他人へのプレゼント機能・譲渡サービス」は一切導入されておらず、
現状はアマゾンギフト券を購入し、メール経由で送付するぐらいしか方法はありません。
なんだかちょっと味気ないですよね。

なかなか国内で導入されないのは、やはりお金が絡む部分が法的に厳しいかと。

 日本でも導入されるともう少し電子書籍業界も活発になるかもしれない・・ので
今後の発展に期待です。 楽天Koboではできるらしいし。

ポッドキャストはじめてみました。本のレビューも熱く語ってます。

「こいつどんな声しとんねん!」と思った方はぜひ聴いてみてください。
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世界のねじを巻くラジオ【ゲイのねじまきラジオ】

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Kindleをお風呂で読める素晴らしさを語ってみる【新型キンドル】

Kindle本を買い漁る人だけにわかる"電子書籍あるある"

【キンドルでありがちなこと】

みなさん、電子書籍端末は使っておられるでしょうか?
紙の本を支持される方も多いかとは思いますが、今回は僕がキンドルをつかってきて感じた「電子書籍あるある」を一気に書いて行きたいと思います。
電子書籍ファンなら「あー、あるある。」と思うような事をこれでもか、と挙げてみました。

 Kindleなんて触れたことがない、という方にも独特の使用感みたいのが理解できるかもしれません。

Kindle本をプレゼントできたら電子書籍も流行るんじゃないか

電書独特のあるあるネタ

  • 紙の本だと絶対に買わないような本も、つい衝動買いしてしまう

  • 本の残りもあと10%!どう展開するの?とおもいきや、少し読んだだけで話が終わり、残っているのは索引や原典で肩透かしを喰らう。
    残りどれだけ読めば本が終わるのかわかるだけに、脚注やあとがきの存在を忘れ
    あっけない展開にがっかりすることも。

  • 買った当初は「へえ~紙みたい!初めてみた!」という声を聞いてすこし嬉しくなったが、いまだに一向に普及しない電子書籍に憂いを覚える
    いまだに紙の本の人気は根強いですね。

  • アマゾンの囲い込み戦略を知りつつも、やっぱりKindleの奴隷になってしまいがち

    なんだかんだキンドルが一番です。

  • 積ん読の意識が紙の本以上に薄れるため、まだ読んでないのに次々と本を買ってしまう
    これは電子書籍の特徴のひとつですね。買った分量が物理的に掴めない×クレジット払いというダブルコンボの恐ろしさ。

  • #三島由紀夫はまだか
    出版社の圧力のせいか、いまだに配信されませんね。

  • 海外へ行くと、小さな男の子が電子書籍でワンピースを読んでおり、複雑な気持ちに。
    こういうデジタルネイティブ世代が育って、ようやく電子書籍が花開くかもしれませんね。

  • UIが改善しないが、何だかんだで慣れてしまう
    やっぱり、操作周りはまだ100%満足とは言い難いです。

  • 試し読みのつもりが、しっかり最新作まで購入。

  • ただ昔の本をPDF化した書籍だったことがわかり、買った瞬間にがっかり
    古典の本を買うと、ほんとに昔の古本をスキャンにかけただけのような本があったりします。

  • 村上春樹の長編が出ないので、英語版を買ってしまいがち

     短編や初期三部作などは出ているのですが、代表作の「ねじまき鳥クロニクル」や「海辺のカフカ」などはいまだに電子書籍化されず。。

  • 寝床におくと、なかなか寝付けない
    横になって読み始めると、そこから軽く1時間潰れるということもしばしば。

  • Kindle Unlimitedの神サービスっぷりと、世の中の電子書籍に対する冷ややかさの温度差を感じる

  • 『弟の夫』を買うと、おすすめ(サジェスチョン)にゲイ小説やBLが並びがち

  • 電車の隣の人の視線が気になる

  • Evernoteに読書メモ残しがち
    むちゃくちゃ便利ですよね。電子書籍の大きなメリットのひとつかと。

  • カラー版電子ペーパーが出ないか待ちくたびれ、やっぱり本は白黒でいいや、と開き直る
    文字だけの本なら、白黒で十分です。

  • 電子書籍専用端末をもつと、スマホで本を読むのがしんどく感じる
    最低でも6インチはないと読書は厳しく感じます。

などなど・・・。
思いつけばさらに更新していきたいと思います。

梅雨を乗り過ごす、雨に関する印象的な映画名シーン10選

紙の本とは別物

いかがだったでしょうか?
"わざわざこんな記事を開け、ここまで読んで頂いた"ということは、
それなりに楽しんで頂けたかと思います。

他にもキンドルあるあるを思いついた方は
#電子書籍あるある でつぶやいてみてください笑

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ベルギー漫画『タンタンの冒険』シリーズの底知れぬ魅力

【小学校時代の思い出】

みなさんは『タンタンの冒険』という海外のマンガをご存知でしょうか?
小学校に 「火の鳥」や「ブッダ」『裸足のゲン』とともに置いてあったので、読んだことがあるという人も少なくないはず。

この「タンタンの冒険」という作品、エルジェというベルギーの漫画家が描いたヨーロッパ圏ではかなり有名なマンガです。

個人的に思い入れの強い数少ない漫画なので、紹介してみたいと思います。 

【マンガ版インディ・ジョーンズ?】

あまり外国のコミックを読んだことがないという方にも、
「タンタンの冒険」の魅力がわかるよう、簡単に説明したいと思います。

勧善懲悪の冒険劇

 ハリソン・フォード主演の「インディ・ジョーンズ」シリーズはご存知でしょうか?
財宝を探して世界を飛び回り、悪役と戦い、最後は・・・
という単純明快な冒険物語。007シリーズにも同じものを感じます。

要するにそれを漫画版がタンタンの冒険。
(どちらかといえばインディージョーンズがタンタンをパクったのでしょうが)

小学生にはほんとにもってこいの冒険劇。

タンタンは少年なので、恋愛関連の話が出てこず、まどろっこしくないのが個人的には◎なポイント。

 

異国情緒がある

タンタンはあらゆる国をまわりながら事件を解決していくので、異国情緒を頻繁に感じることができます。
アメリカ、ロシア、EU諸国、南米、アラブ諸国、中国とありとあらゆる場所で活躍。
まるで自分の自身が海外旅行に行っているかのような感じに陥ります。
タンタン自身も現地の民族衣装にかわったり、おしゃれな漫画です。

よくよく考えると僕が外国の魅力にはじめて触れはじめたのが、このタンタンの冒険かもしれません。
なので個人的にはけっこう思い入れのある漫画だったりします。

まあ石油国=危険みたいなステレオタイプなところもあるのですが、馴れ初めにはいいんじゃないでしょうか?

濃いキャラクター勢

どのキャラクターもびっくりするほどキャラ設定が濃ゆいです。
酒が飲めない船長、振り子を振り続ける博士、声でガラスを割れるオペラ歌手など挙げればキリがないほど。
特に印象的なのが、犬のスノーウィ。お酒でベロベロになったり、人語を話したり、基本的に馬鹿犬なのですが、ここぞ、という場面で大活躍してくれます。

主人公のタンタンも、新聞記者ということもあってか、非常に頭が切れ、格闘技や飛行機・船の操縦も完璧にこなします。まさに子供版インディ・ジョーンズ。

ちなみに原作は 「TINTIN(チンチ●)」というタイトル なので、日本では”タンタン”という名前に変えられています笑

【おすすめの名作】

 入門にはこの2作がおすすめです。タンタンの冒険の魅力がギュッと詰め込まれています。 

『なぞのユニコーン号』

ペーパーバック版 なぞのユニコーン号 (タンタンの冒険)

ペーパーバック版 なぞのユニコーン号 (タンタンの冒険)

『レッドラッカムの宝』 

ペーパーバック版 レッド・ラッカムの宝 (タンタンの冒険)

ペーパーバック版 レッド・ラッカムの宝 (タンタンの冒険)

【映画版もNetflixで】

なんとタンタン、ハリウッド映画化もされてます。しかもあのスピルバーグ監督によって。
タイトルも『ユニコーン号の秘密』と、原作を元にした映画となっております。
原作の雰囲気を崩さず、リアルなCGで世界観が再現。
キャラクターのイメージもほんとそのまんま。

数年前にこの続編が作られる、という話を聞きましたが、いまだに進展がないですね・・。
映画では主人公の名前はしっかり「(TINTIN) チン○ン」と発音されています。笑
わかりやすい冒険劇なので、仕事の終わりにでも、子供とみて欲しい一作。

たしかIMAXが日本でもみられるようになった初期の頃の作品なので、リアルなグラフィックとともに、新世代的なインパクトもありましたね。
Netflixでもみれますので、気になる方はぜひチェックしてみて下さい。
海外の漫画を読んだことがない、という方はぜひ原作を。

ポッドキャストやってます。たまにゲイネタも話したり。

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太陽の塔の芸術家・岡本太郎が書いた『自分の中に毒を持て』

【内部公開の記念に】

先日エキスポシティに試写会へ行った際、夜の暗闇にボウッと浮かぶ不気味な「太陽の塔」を目にしてきました。
この岡本太郎の「太陽の塔」、2018年3月19日(月)に内部が一般公開されることをご存知でしょうか?
「芸術は爆発だ」ということばで有名な岡本太郎ですが、考え方や生き様も尋常ではありません。

せっかくなので、太陽の塔の内部公開を記念し、昔キンドル版で読んだ岡本太郎の著作『自分の中に毒を持て』の感想を書いてみたいと思います。

【レビュー・感想】

「自分の中に毒を持て」というタイトルからわかるように、かなり癖のある一作。

岡本太郎のドキュメンタリーを見たことがありますが、自分の意志を必ず貫く姿勢が非常に印象的な方でした。
本の文章を読んでも、その印象は決して薄まることなく、彼の常軌を逸した信念の強さがビシビシと伝わってきます。

例えばこういう文章。

ぼくだったらこうする〟というだけだ。それに共感する人、反発する人、それはご自由だ。 
『自分の中に毒を持て』 位置:473より

何気ない一文にも、彼の性格が表れています。

ニブイ人間だけが「しあわせ」なんだ。ぼくは幸福という言葉は大嫌いだ。ぼくはその代りに〝歓喜〟という言葉を使う。 
位置:633


あの「芸術は爆発だ」という有名なフレーズについても、岡本太郎が意図せず、言葉が独り歩きしてしまっていると苦言しています。

ところで一般に「爆発」というと、ドカンと大きな音が響いて、物が飛び散り、周囲を破壊して、人々を血みどろにさせたり、イメージは不吉でおどろおどろしい。が、私の言う「爆発」はまったく違う。音もしない。物も飛び散らない。 
 位置:1867

全身全霊が宇宙に向かって無条件にパーッとひらくこと。それが「爆発」だ。  位置:1867

"爆発"という言葉にも彼独自の世界観があるよう。
宇宙うんぬんの話が出てきたところで、芸術家・横尾忠則のことを思い出しました。

結婚制度に対しても疑問を呈しています。
この本が出版されたのは1993年、つまり今より25年ほど前に書かれたということ。
その当時から結婚制度に"変わった人"と捉えられてしまったことは間違いないでしょう。

ぼくは、結婚という形式が好きじゃない。  男と女の関係は、証明書を登録し、形式的にワクにはめられるようなものではない。
位置:1232

家族というシステムによって、何の保障もされていないことが、真の生きがいであると思う。だからぼくは自由に独身を通してきたのだ。
位置:1257


さらに、職業分化に対しても異議を唱えています。
まるでようやく副業解禁がちらほら見られる今を見据えていたかのよう。

 職業分化の問題。 職業があることは悪いことじゃない。いまの社会人はほとんど職業を持って生きているし、社会もそれに支えられている。 ぼくは今まで一度も職業を持つことが、卑しいなどと言ったことはない。人間が社会で生きていくには、職業を持つことはノーマルなんだから。 しかし、そのために、全人間として生きないで、職業だけにとじこめられてしまうと、結局は社会システムの部品になってしまう。
『自分の中に毒を持て』位置:1867より

いくつか抜粋しましたが、こんなのは序の口で、「えっ?」と驚かされるほど暑苦しい文章が続きます。

体の芯から芸術家肌、悪く言ってしまえば"クセが強い"おっちゃん。
でも、こういうぶれないこだわりがない限り、芸術は生み出せないのでしょう。

余談ですが、この人を人情味あふれた感じに変身させれば建築家の安藤忠雄になるのだ、と勝手に思っています笑

これまた話はずれるのですが、本日、太陽の塔の内部公開を記念して、Dreams Come Trueの無料コンサートがあったのですが、僕も友達も両方ハズレ。
先日の試写会のように、人生続けてうまいことは起きません。
『大阪LOVER』や『決戦は金曜日』も歌ったとのことで、羨ましいかぎり。
内部観覧も予約でいっぱいのようですが、関西人として一度は見てみたいもんですね。

【Kindleの新装版も】

なんと僕がキンドルで当時読んだときにはなかった、『自分の中に毒を持て<新装版>』なるものが出ているようです。
新装版はカラー口絵つきでパワーアップしているとのこと。今から読む方はこちらもおすすめです。

自分の中に毒を持て<新装版>

自分の中に毒を持て<新装版>