世界のねじを巻くブログ

ゲイが独自の視点で、海外記事/映画/書評/音楽/電子書籍/Lifehack/Podcastなどについてお伝えします。ポッドキャスト「ねじまきラジオ」配信中。

『村上龍と坂本龍一 21世紀のEV.Café』対談集を読んだ感想

教授のインタビュー本

かなり昔に電子書籍で読んだ『村上龍と坂本龍一 21世紀のEV.Café』
Evernoteで「村上龍」を検索してたらキンドルのハイライトが残っていたので、せっかくということでブログに書いてみようかと。

坂本龍一さんが亡くなったとき、追悼の意を込めてブログにまとめようと思っていたけれど、ちょっと心がしんどかったのと忙しかったのもあって、ようやく。

現在はアマゾンのキンドルストアからは削除されてますが、10年前ぐらいは無料で読めたような気がする。

 

80年代にカルト的な熱狂を持って迎えられた対談、鼎談シリーズの「EV.Cafe」。 村上龍と坂本龍一のふたりの「龍」がその知性と感覚を研ぎ澄ましたこの対談シリーズが、 3.11 後の日本で復活しました。日本のいまと将来を憂う21 世紀の新たな対談とともに 1998年から2000年まで展開された対談、鼎談『EVCafe2』を初単行本化! 連載をしていた「エスクァイア日本版」誌が廃刊、その後10年に渡り入手困難となり、 ほとんど目に触れることができなかったため 書籍化の要望が高まっていた幻のシリーズを遂に一挙掲載。

 

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政治からアメリカまで

ということで、印象に残った部分や感想をざっくりと。
(※Locationはキンドルのおおまかなページ数みたいなものです)

 

徹底的になくしたのは9・11の後のアフガン侵攻やイラク戦争の開戦当時のニューヨーク・タイムズに、なんの気骨もなければブレまくってばかりの論説記事が載ったとき。ニューヨーク・タイムズといえど、読者の大多数が読みたがっている論調を載せるだけのエンターテインメントに過ぎないって実感したときだったな。もうそれで幻想も信頼も、完全になくした。ニューヨーク・タイムズに限らず、どの国のどんなメディアも国民がなにを望んでいるかっていう空気を読んで、それに沿ったものを提供しているだけ。そこにはなんの一貫性もない。Read more at location 145

ガザ侵攻のときもNewYork Timesはやらかしてましたが、
911後もそんな感じだったのか・・・。

 

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坂本 ぼくにジャーナリズム幻想はないけども、もしジャーナリズムにまだ可能性があるとすれば、それは権力の暴走を防ぐこと、嘘を暴くことが基本であって、大学でジャーナリズムを専攻すればそう習うはず  location 162

 

村上 歳のことを言ってもしようがないけど、死ぬまでに長編小説はあと何作書けるかっていうのは思っちゃうね。小説って書くのに時間がかかるから。 location 529

宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』と村上龍の『Missing』はかなり似ている、と言われているけれど、晩年になるとそういう方向にテーマは向かっていくんだろうか。

 

坂本 いまのこの気持ちのわるい社会に生きることは、小説家にとってかなり刺激にはなるって言ったけど。

村上 そう、その気持ちわるさを虚構に投影して小説に書いていくわけだから、ある意味のやりがいはあるよ。location 541

 

坂本 あの『コインロッカー・ベイビーズ』だって、当時のアンフェアな世の中をぶっ壊してやるって小説だしね。基本的に龍は変わってないよ。location 550 

『コインロッカーベイビーズ』、来年ウン十年振りに読み返そうと思ってます。
たぶん1月の「BookStack」読書会の本にするつもり。

 

 

坂本 3・11以降で音楽的な刺激を受けたいくつかの中で、とくに印象的だったのは、ぼくの友達のラッパーがエジプトの動乱のときに渦中に赴いて何か月か住んで、そこで録音したラップを聴いたこと。あのときのエジプトの状況とその中での音楽の扱われ方に衝撃を受けたんだ。タハリール広場で抗議活動をやっている若者たちのラップ。あそこでは毎週のように新しいラップが生まれてて、それは単なる音楽表現というだけじゃなく仲間への連絡手段として使われたりもしたのだけど、ある16歳のエジプトの少年のラップがリズム感も抜群でめちゃくちゃカッコよくて。エジプト人の少年にとってラップ・ミュージックは外国からの輸入物なんだけれど、完全に自分のモノにして独自の表現としている。これは刺激になった location 569

 

 

村上 う~ん、よくわかんないなあ。小説には目に見える連帯ってないよ(笑)。

坂本 そうか(笑)。音楽は聴いてもらってなんぼだから、どういう人が聴いてくれるかとか、聴かれるときの状況とかのシチュエーションも大事なの。

村上 小説とくらべると音楽はよりダイレクトだよ location 594

確かに、小説より音楽の方が、聞かれるシチュエーションって大事なのかも。

 

 

村上 そう。だからあえて、坂本作品でいちばん好きな作品は? って聴かれたら『スウィート・リベンジ』と答えるようにしてたんだよね。 坂本 ああ、あれ以前は他人のことを考えることはまったくなかったからね(笑)。聴き手のことは意図的に排除してたから、それはつまりは、音楽を作るということは方眼紙の上にどうきれいに点を置いていくかっていう審美的なことにしか気持ちが向いていなかったということでもある。 location 609

日本の聴衆にも受け入れられやすいポップな作品集を目指して作られたアルバム。

 

 

坂本 しかし、これまでのパターンからすると、次の『EV.Café』は2026年ぐらいの予定だけど(笑)、どういう日本になってるかな? 村上 経済的にはよくないだろうね。ということはお金でいろんなことを支えられなくなるので、難しいなあ。
location 632

2026年の「EV.Cafe」は教授の死により実現しなかったけれど、どんな内容になったんだろうな・・・。というか日本は大丈夫なんだろうか。

 

 

坂本 もっともっと、一般人がウィルスや遺伝子工学とか、環境工学の知識を持たないと生き残れない時代になっていくと思うからさ。僕は最近、生き残り技術として「整体」や「合気道」をやっている。それはインターネットと同じで、やっぱり実践的知識としての興味なんだよね。社会が悪いとかって言ってすむ時代じゃないもん。
location 796

コロナを予見したような教授のことば。
合気道やってたというのはちょっと意外。(でも似合うかも)

 

 

坂本 敏感な人が、こういう鈍感な社会で生き残っていくためには、感覚を鈍感にしておかなくちゃいけないのね。そうしないと自分を守れない。敏感だと今度は社会と「そり」があわなくなっちゃうわけで、生き方変えなくちゃいけなくなる。だから学校とか会社とか行かなくていいんだよね。 location 820

こういう言葉があると救われる人はたくさんいそう。
現代では学校ってそんなに無理していかないといけない場所でもないしね。

 

 

村上 だから、「人生ってものは傷つきやすいものなんだ」とか、「君たちは本当に傷ついている、わかった」みたいな小説を書けばもっとうけるんだろうなって考えることがある。みんな弱ってるからね。もうちょっと降りていって、解決策を含めて悩みをきいてあげた方がいいかな、俺ってちょっと不親切かなって思ったり。まあ、俺がそんなことするわけないけどさ(笑)。 location863

いかにも村上龍っぽい。

 

坂本 普通の人は訓練をしてないから、悲しい時でも、どう表現していいかわからないんだよね。でも、悲しいことってまわりにいっぱいある。location 878

 

坂本 好き嫌いは別にして、尾崎豊もそういう役割だったんだろうね。 村上 中島みゆきもちょっとあるけど。そういうのは今はないもんね、必要としてないと思うんだ。 坂本 自分が傷ついていることを気がついていないんじゃないかな。でも傾向は違うけど、近いと思うのはMr.Childrenかな。location 887

今の時代だとAdoがそれにあたるんだろうなと。

 

村上 羽生善治に逢った時も言ってたけど、将棋においてもすごくいい手というのは、将棋のパターンの中にある手じゃなくて、感覚的な領域に入ってる手なんだって。自分で何でそうしたのかわからない手が残っていくらしいよ。location 969

この時から羽生善治さんってすごかったんだろうな。将棋全然詳しくないけれど。

 

 

村上 僕はこの2年間ぐらい、面白い夢を見ると記録してるんです。小説を書くのは、めんどくさいからすごく嫌なんです。だけど夢を書くのはすごく楽しい。なんでだろうと思うんだけど、夢っていうのは物語がないんですよ。偶発的な事件とか、エピソードやフラッシュ・バックの映像みたいなのがあって、それを自分の中で瞬間瞬間物語にしていくのね。それは小説と、作業としては同じなんだけど、夢の場合は書くことがすべてもう決まってるんで、それを記録していけばいいんですよ。 location1199

最終的に『Missing 失われたもの』に繋がったんだろうなと(少ししか読んでないけど)。

 

村上 もう一つは、一つの国家の上位の、「EU」みたいなリージョナル共同体が盛んになってくるよね。「国家を超えたもう一つ上位の枠組み」みたいなね。こういう世界の流れの中で、明らかに自分が所属するものが没落するっていう不安を抱いてる人がいっぱいいて、そんな人たちは明らかにナショナリズムに回帰してくだろうね、きっと。 location 2755

 

村上 今までのエコロジーは環境を守るという、欲望を抑える方向だったんだけど、今は欲望を抑圧するだけではなくもっと積極的に環境を維持していくという方向になってる。

坂本 メリットを感じさせるエコロジーね。結局、人間の経済活動をやめずに、しかも持続的な環境を作っていこうとすれば、そういう方向にならざるをえないんだよね。location 2828

 

ほかにも映画『ソイレント・グリーン』が語られたり、

 

「来世紀は「よく死ぬ」ことが大切になる」という浅田彰との対談、
「幸せなインターネットの時代は 終わってビッグビジネスの時代へ」という伊藤穰一との会話など、どれを読み返しても面白かった。
(あくまでハイライトで残してた部分のみだけど)

 

2016年時点ではキンドル版として公開されていたので、
こういうのこそ誰でも読めるように手に取れる場を広げてほしいなと思ったり。

 

EV.Cafe 超進化論』というのも気になっているけれど、
さすがに文庫本に3000円は出せないので、図書館で探してみたい。

 

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『おしゃれと無縁に生きる』/村上龍の感想(幻冬舎文庫) - 世界のねじを巻くブログ

オンライン読書会をニュースレター「BookStack」ではじめます。

ブックスタック

以前からずっとやってみたかった読書会。
ニュースレターという形式で開催してみることにしました。

その名も「BookStack」。

bookstack1.substack.com

 

Substackにて、
月に一冊ずつ、みんなで進捗をあわせながら読むという試み。
参加はもちろん無料。
ニュースレターなので顔出しなども不要なため、
プライバシーも守られたブッククラブです。

 

bookstackブックスタック読書会

 

配信頻度は月に3~4回ぐらいになるかと。

なので、月頭、10日、20日、月末あたりに
読書の進捗とあわせてメールマガジンを送る予定をしてます。

 

随時、読んだ場所までの

  • 感想
  • 考察
  • 補足資料
  • 気に入った文章の引用
  • 本に合いそうな音楽プレイリスト

などをお届けします。

(文章の引用は「Biblog」を使ってみるのもありかなぁと思っていたり)

 

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Newsletterという独特な空間だけあって、
ユニークなブッククラブにしていきたいなと。

 

しばらくの間は一人つぶやいているだけになるかもしれませんが、
どちらにせよ本は毎日読んでるし、
感想も自分でまとめてるし。
・・・地道に続けていきたいな~と。

 

あと、毎月20日ぐらいに
いくつかの本を挙げてアンケートを取るので、
そこで一番票が集まった本を次の月に読もうかと考えていたり。

 

Substack

ということで冒頭にも書いた通り、
流行りのサブスタックでのメルマガ配信です。

スレッドやチャット機能もあって、交流もしやすいかなという感じで。

 

bookstack1.substack.com

 

 

逃げ道  / ナオミイシグロ

気になるのは、まず何の本を読んでいくかということ。

記念すべき第一冊目はナオミ・イシグロの『逃げ道』にする予定です。

 

 

ノーベル文学賞を獲ったカズオイシグロの娘さんが書く、短編小説集。
同い年ということもあって、まずはこの本から読書会を始めることにしました。

今回は小説(海外文学)ですが、
将来的に日本の小説はもちろん、古典、文芸、ビジネス書、エッセイ、専門書などいろんなジャンルの本を読んでいきたいなと。

 

10月1日からみんなで読み始める予定なので、
読書家の方はお気軽に参加してみてください。

 

・・・また詳細は今月中にブログでお届け予定なのでお楽しみに。

後から読み始めても十分間に合いますので、
都合が着くタイミングでのご参加お待ちしてます。

(※他にも良い読書会のアイデアがあれば、気軽にコメント頂けると幸いです)

bookstack1.substack.com

 

※(詳細はこちら)

ナオミ・イシグロの『逃げ道』読書会をニュースレターで開催します。 - 世界のねじを巻くブログ

 

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2022年のLGBTQ+的な話題を「ドーナツレター」で振り返る - 世界のねじを巻くブログ

高騰していて買えないプレミア本や気になる高価格帯の本を紹介してみる

高額な書籍たち

アマゾンで欲しいものリストに入れているけれど、
中古本でもプレミアがついているものや、元々のお値段が高くて手が届かないものが貯まってきたので、整理する意味も込めてブログにまとめてみました。

(※だいたいが3000円以上する"御本"ばかりです)

 

メキシコ文化に関する本、以前から気になっている。

 

 

チリの作家、ロベルト・ボラーニョの有名なあれ。
定価7700円(税込み)。面白いと噂は聞いているけれどお高い・・・。

 

 

 

Twitterで見かけたやつ。紙の本の装丁もいいかんじらしい。

 

 

ブラジル文学の翻訳は手に入らないものが多く、
以前からこれ以外にも読みたいものがたくさんある。

 

 

辞典も高額なのでなかなか変えないけれど、ブックオフでたまーに驚くような値段で買えることがあるのでずっと狙っている。

 

 

美学辞典

美学辞典

Amazon

こんなの辞典も面白そう。

 

 

海外文学はやっぱりお高い。(翻訳が大変なので仕方がないけれど)

 

 

600ページ以上もあるのでこのお値段。

"上質なユーモアとペーソスに満ちた"、とか書かれると読みたくなる。

 

 

亡霊の地

亡霊の地

Amazon

台湾の同性愛もの(?)
あらすじ読むだけでめっちゃ面白そうなやつ。

 

 

Twitterでみかけたやつ。

 

 

これとかめっちゃ面白そう。ギリ3000円以下。

 

 

ポール・オースターの対談本。(最近出たばかり)
Kindle本の方が高いってどういうあれなんだろう。

翻訳してほしい洋書を色々おすすめしてみる - 世界のねじを巻くブログ

 

 

オノ・ヨーコの『グレープフルーツ・ジュース』の英語原作。
日本語訳されている文庫版ははけっこう省略されているとのことなので
イラストなども描かれている完全版を読んでみたい。

 

 

クィア文学。ブックカバーもかっこよい。

 

 

学術本に近いものや専門書は、
やっぱりこの価格帯が当たり前なんだろうけれど、
気になるものをいくつか。

絶対面白いやつ。

 

 

古いけどけっこう有名なエイズをめぐる本。しかしお高い。

 

 

こういうのは老後にゆっくり読むのがいいのかも。

 

 

 

チャールズブコウスキーのWriting論。

 

 

五感から感じる、というニッチな建築本。

 

 

サンプリング的な文学、けっこう好みなのでこの村上春樹評論も気に

 

 

すごいニッチな視点からの本だけど、本ってこれぐらいじゃないとね。

 

 

 

植物本は高いものが多い。

 

 

 

最近発売された本。

 

もうコメントが追い付かないので気になるのをぺたぺた貼っていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここに挙げただけでも、
全て購入すると相当な金額になりそうで、やっぱり図書館や古本屋で地道に探すしかないのかな~。(まあ読む時間もないけれど)

 

紙の書籍が高いのはまあわかるけど、
Kindle版でも割引なく3500円以上すると
「ええお値段しはりますな」と言いたくはなるしやっぱり個人では買えなくなってしまうレベル。

 

でもこういうのが、
ブックオフ店舗で数百円で手に入れられたりすることがあるので、
ブコフめぐりはやめられないなと。笑

 

他にも「こんなお高い良さげな本ありまっせ」というのがあれば気軽にコメント頂けるとよろこびます。

今日はそんな感じで。

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翻訳してほしい洋書を色々おすすめしてみる

日本語訳で読みたい書籍

はてなブログのお題が「読みたい本」とのことなので、
yomoyomoさんのリストに触発され、以前から書き溜めていた
邦訳の刊行が期待される洋書を紹介しまくってみようかと。

yamdas.hatenablog.com

ということで、
おすすめの洋書や海外文学を紹介していこうかと思います。(読んでる途中・未読含む)

Consider This / Chuck Palahniuk

映画『ファイトクラブ』の原作者として有名な
アメリカの作家・チャックパラニュークの創作論。

自身の体験も交え、映画の効果的な場面やら古典文学の引用をしたりで、
かなり具体的なアドバイスばかり。
本を書きたい人にはほんとおすすめで、
チャックパラニュークを知らない人でも読み物として十分楽しめるはず。

 

The Collected Stories of Amy Hempel / Amy Hempel

アメリカではカルト的な人気を誇るAmy Hempel。
和訳された文章があまりないのが不思議なぐらいだったり。

エイミーヘンペルが書くのはほとんど短編小説でいわる「クイックフィクション」というものにあたるかなと。そのベスト盤とも言える短篇集。

 

上にあげたチャックパラニュークもべた褒めの女流作家で、
「どうやってエイミーヘンペルのように書けるんですか?」と聞かれ
「誰にもできやしない。(No one does.)」と答えているのが非常に印象的。

 

日本人の琴線にも触れそうな話も多いので
英語で読める方はいますぐチェックしてみてください。

"In the Cemetery Where Al Jolson Is Buried" は本当に読んで損なし。

(※またブログで紹介したいなと思ってたり)

 

 

Surrender / U2(Bono)

アイルランドの世界的ロックバンド、U2のボーカリスト・ボノが書いた自伝

つまみ食いでそこそこ読んだ感想として、
曲の背景から当時のアイルランドの様子までかなり濃ゆい感じで書かれていて、
ファン的にはありがたい一冊になってるな、と。

よく子供時代の記憶がここまで書けるな、と感心を通り越して驚いてしまうけれど、
自分の記憶を糧に曲をつくるアーティストとはそういうもんだろうな、と納得。

 

マイクロソフトのビルゲイツが京都の図書館に寄付した一冊に含まれていたのも
印象的で、邦訳される可能性がグッとあがったんじゃないか、と勝手に思ってたり。

(U2ファンは今、声を上げるべきかも)

 

This Is Your Mind on Plants / Michael Pollan

ジャーナリストのマイケル・ポーランが植物について書いた一冊。

WIRED JAPANで名著『幻覚剤は役に立つのか』が取り上げられたこともあり、
「ドラッグの人」という印象が強いけれど、
ポーラン氏自身、ガーデニング好きで、植物に関する本も何冊か書いていたり。

ドラッグやら植物などの本はけっこう専門的な単語が出てくるので、
日本語訳で気軽に読みたいなと。


幻覚剤は役に立つのか』は日本でもそこそこヒットしたような印象があるし、
最近邦訳が出た『意識をゆさぶる植物──アヘン・カフェイン・メスカリンの可能性』も読みたい。

※追記:上記の『意識をゆさぶる植物──アヘン・カフェイン・メスカリンの可能性』がすばり、『This is Your Mind on Plants』だったみたいです、訂正させていただきます。

ドラッグカルチャーはこれから日本でもさらに盛り上がりを見せるはずだし、
Netflixでドキュメンタリー化もされ話題になったので、
この植物本も、じきに日本語訳されると信じてます。

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David Bowie Made Me Gay / Bullock, Darryl W.

とあるきっかけで見かけたゲイカルチャーな本。
ここ100年のポピュラー音楽を振り返り、LGBTQ+な曲と歴史背景を解説した一冊

まだあまり読めてないですが、プライド月間ということで
少しずつ読んでいきたいなと。

 

LESS IS LOST / Andrew Sean Greer

クィア小説の『LESS』の続編。
前作は歳を取ったゲイが世界を旅する話だったけれど
今回はアメリカ横断をする話なんだとか。
ドラッグ的な話も出てくるそうなのでこれも多分面白いはず。

英語版を読もうか、翻訳を待つかちょっと迷っている一冊。

 

Tomorrow, and Tomorrow, and Tomorrow / Gabrielle Zevin

海外の雑誌やメディアなどで軒並み高評価な作品。

ゲームがテーマの話だということで『レディ・プレイヤー・ワン』みたいなのかと思っているけれどどんな感じなんだろう?

→ 日本語訳されるそうです!ありがたい限り=

 

 

A Little Life / Hanya Yanagihara

日系人のハニャ・ヤナギハラの著作は、
恥ずかしながら一冊も読んだことがないんだけれど、
「そろそろ読まねば」と思って数年経ってたり。

(どの作品もまあまあのボリュームなので、
日本語で読めると楽なんだけどな、と思いながら)

 

デビュー作の『森の人々』は和訳されてるっぽくてびっくり。

日本人の感想があまりなく、実際読んだ人の声を聞いてみたいなと思ったり。

 

 

その他の おすすめ/読みたい作品

時間がないので思いついたのをザっと書いていこうかなと。

 

HOW I BUILT THIS / Guy Raz
有名ポッドキャストの書籍版。
成功した起業家の話をいっぱい読めます。

Beyound Beatmatching
いわゆる初心者向けDJ論を書いた一冊。

 

THE MOTH
有名ラジオ番組の、印象的な実話を集めた一冊。

 

A Wrinkle in Time / Madeleine L'Engle
シリコンバレー界隈でも有名な児童書の定番。

映画化されてからの日本語訳に期待していたけど、
ディズニーが盛り上げる気が全くなかったためヒットせず

三部作ということもあって、英語で読むにはちょっと長いので読めてない。
英語多読教材としても割と有名かと。

 

The Music / Matthew Herbert

音楽論な一冊。こういうの英語だとたくさんあるんだろうなと。

 

音楽やスポーツなどニッチな本に関しては、
「それは売れないだろうなぁ」ってやつも翻訳されてたりするので、
けっこうファンの声がデカければ強ければ、熱意のある翻訳家さんが
もしかすると訳してくれるかも。

ボビー・ギレスピー自伝』『ヒクソン・グレイシー自伝』『音楽のはたらき』とかも出るぐらいだし。

 

そろそろこんな感じで。(※随時更新していこうかなと)

 

追記:

ポール・オースターの対談本。(最近出たばかり)
Kindle本の方が高いってどういうあれなんだろう。

 

 

#翻訳してほしい本のリスト でTwitter上でつぶやくと
翻訳者の方が見てくれるかも、という話なので、海外文学好きの方はぜひとも。

 

他にもおすすめの洋書があればコメント頂ければ、
この記事に追加していくかもです!

 

今週のお題「読みたい本」

 

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短編小説を毎日一編ずつ読んでいくという試み (※随時更新)

一カ月間の短篇読書チャレンジ

どうも、ねじまき(@nejimakiradio1)です。

新しい月始まりということで、
また懲りずにあらたな挑戦をしてみようかと。

今回のテーマは「毎日1篇ずつ短編小説を読む」ということ。

今年は小説を書きたいなということもあって、
たくさん短篇小説を読むことにした。

 

・・・昔からベッドの上に本を何冊か置いて、
寝る前に読んで眠くなったらやめる、という習慣はあるんだけれど、

短編小説を1編必ず読む、という縛りはしたことないので、
ちょっと気合を入れて読んでいこうかなと。

 

フォークナー短編集 毎日短篇小説を読む試み

 

Kindle Unlimitedや古本、図書館で借りた本など、
読むには困らないほど短編小説集は積読しているので、
・・・あとは読む時間を確保するだけ。

いくら長い短編小説でも15~30分あれば読めるはずなので、
今読んでいる長編本などの進捗を多少犠牲にすれば、
1日1編ならそれほど苦労することなくできるはず。


毎日忘れないように、
短編を読む用の時間を確保できるかが勝負な気がしている。

 

・・・ということで、
個人的に勝手に決めた5つのルールはこんな感じ。

  1. ジャンルは問わず、短い小説ならなんでもよし
  2. 読む順番は気にしない。直感でその時に読みたくなった作品を読む
  3. 昔に一度読んだ作品(再読)も可  (時間ない時はこれでいこうかなとw)
  4. 10点満点で評価+一言感想を書く  (どういう点が優れているかなど)
  5. 楽しんで読む

 

短編と短篇ってなにが違うのか。
前から気になっていたので調べてみると、

昔は「短篇」と書くのが普通だったけれど
「篇」は当用漢字にならなかったので
代わりに「編」を使うことになった、という解説を読んでなるほどなと。

 

読書メモ (随時更新)

ということでここから短篇小説の読書記録。

2023年5月

  1. 『フォークナー短編集 / ウィリアム・フォークナー』より「エミリーにバラを」

    フォークナーは学生の頃 長編に挫折して苦手意識があったので、 ようやく短編でリベンジ。かなり有名な作品だそう。
    エミリーの不可解な行動と町の住民の反応が面白い。
    ホーマー・バロンがゲイなのではないか?という解釈、なんだか映画の『スリー・ビルボード』を思い出した。 8点

  2. 『なんでもない一日 / シャーリイ・ジャクスンの』より「悪の可能性」

    適当にかいつまんだのがまさかの”バラ”つながり。この短編小説も、親切なように見えて実は…というちょっと変わった女性主人公と街の住民とのやりとりを見守るような作品。オチがこれまた可哀想な・・・。 6.5点

     

  3. 『二十一の短篇 新訳版 / グレアム・グリーン』より「田舎へドライブ」
    第二次世界大戦前の不穏な状況の仲、女性が意を決して彼とドライブにいくも・・・。海外文学の中で「心中」という言葉が出てきたりするのはなんとも不思議な感じ。八方ふさがりな彼女はどうすればよかったんだろう。軽くネタバレすると父親が正解だったというオチもなんともいえない後味。 6点

  4. 『結晶するプリズム』より「鰐の王子さま / イン・イーシェン」
    短編なのに土着的なディテールや森の幻想的なシーンなど世界観がバッと広がるのが良い。展開も早いのに無理なく入ってくるのもすごいし、ラストがなんとも沁みる。シンガポールのル=グウィン的な印象を受けた。7点

  5. 『文鳥 / 夏目漱石』
    文鳥の様子をここまで綿密に描けるのはさすが夏目漱石。全編にユーモアをふりかけたような文章はやっっぱりすごい。時代を感じさせる描写もなんだか乙。 8点

  6. 『人みな眠りて / カート・ヴォネガットJr.』より「スロットル全開」 趣味にハマる夫、口を挟めない妻、そして息子の自分勝手な行動に呆れる母… そしてついに堪忍袋の緒が… 途中まではどこの家庭でもありそうな話で結構好みな話。オチも悪くない(笑  7.5点

  7. 『The Collected Stories of Amy Hempel / Amy Hempel』より「In the Cemetery Where Al Jolson Is Buried」
    アメリカの女流作家、エイミー・ヘンペルの短編小説。友人の死を見届けられなかった話。短い話だけどほんとグッとくる。一文一文がほんとに鋭い。9点

  8. 『傍迷惑な人々 / ジェイムズ・サーバー』より「ダム決壊の日」
    作り話っぽい話が多いけど単純に心を空っぽにして楽しめる。文体や雰囲気は少しエトガル・ケレットに似てる気もする。7点

  9. 『ここから世界が始まる / トルーマン・カポーティ』より「水車場の店」
    カポーティの初期短編集。昔の男を思い出させるような少女に出会い・・・。
    シンプルだけど余韻の残る一篇。 6.5点

  10. 『人みな眠りて / カート・ヴォネガットJr.』より「ボマー」
    男の同僚二人で超お金持ちの知り合いがいるとでっちあげ女の仕事仲間をハメようとするが・・・。 オチがこうでよかった(のか?)笑 6.5点

  11. 『なんでもない一日 / シャーリイ・ジャクスンの』より「なんでもない日にピーナッツを持って」 主人公のジョンスン氏の野暮な親切心が周りの人に影響を及ぼし…。 世間は狭いという話。 7点

  12. 『バゴンボの嗅ぎタバコ入れ / カート・ヴォネガットJr.』より「バゴンボの嗅ぎタバコ入れ」 最後のオチが切ない・・・。
    読んでる側としてもなんか気まずさ感じてしまう文章力と展開がさすが。7.5点

  13. 『バゴンボの嗅ぎタバコ入れ / カート・ヴォネガットJr.』より「パウダーブルーのドラゴン」
    これも切ないラスト。あんだけ頑張ったのにこのオチかよ・・・。 8点

  14. 『フォークナー短編集 / ウィリアム・フォークナー』より「嫉妬」
    嫉妬心は女性を中心に描かれることが多い気がするけど、これは男性中年の話。
    あまり主人公に同情できないし、衝撃さは多少あるものの、わりと話もシンプルでうーんという感じ。6点

  15. 『傍迷惑な人々 / ジェイムズ・サーバー,』より「虹をつかむ男」
    妻の尻に引かれた男が現実世界で妄想を膨らましていく話。(一回目はよく把握できなかったけどそういうことか・・・。)
    映画『LIFE!』の元ネタっていうのを知ってちょとびっくり。7.5点

  16. 『レイモンド・カーヴァー傑作選』より「あなたお医者さま?」
    久々に再読。電話からはじまるいかにも春樹っぽい話。
    読みようによっては軽くホラー。短くて電話での会話からにここまで一気に読ませるのは流石。昔読んだときよりはるかに良く感じた。 9点

  17. 『ベスト・ストーリーズⅠ』より「深夜考 / ドロシー・パーカー」
    「NewYorker」に掲載された短編のみを集めたアンソロジー。
    不眠症の主人公が、脳内のラ・ロシュフコーを撃退しようとするが・・・。
    たぶん言葉のリズムとか韻が大切な感じな文章で、日本語で読んでもあまり面白くはなかった。ただ自分もなかなか寝付けないタイプなのでこの妄想はわかるな・・・。「人間って、どうやって眠るんだっけ。」 6.5点 

  18. 『カート・ヴォネガット全短篇』より「バターより銃」
    戦争中の現地で兵士たちが「故郷に帰ったら、いちばん最初に食べたいもの」を妄想して・・・という話。
    オチがちと弱い気がするけど、そのリアルな会話や出てくる食べ物が美味しそうなこと・・・。 6点

  19. 『なんでもない一日 / シャーリイ・ジャクスン』より「メルヴィル夫人の買い物」 クレーマーと洋服屋さんのバトル。 苦情受付係に行く途中でレストランに寄ってしまうところとか、店員の冷たい対応の描写も好き。オチも良い。 7点。

  20. 『なんでもない一日 / シャーリイ・ジャクスンの』より「喫煙室」 悪魔と契約を結ぶ話。こんな弱そうで小物な悪魔初めてみたかも笑  契約は大事。 7点

  21. 『アメリカの鱒釣り / リチャード・ブローティガン』より「クールエイド中毒者」
    人口粉末果汁をドラッグのように丁重に扱う子供たちの話。
    5ページほどの掌編、文章のリズムが最高で何度読んでも良い。 8.5点

  22. 『アレフ / J.L.ボルヘス』より「死人」
    フォークナーよりフォークナーらしい、展開の
    マテ茶や馬乗りなどいかにも南米なイメージが出てきて〇
    どの描写も映像が浮かぶような文章で、ラストもなんとも映画的。7点

  23. 『二十一の短篇 新訳版 / グレアム・グリーン』より「一日の得」 殺し屋が男を追って仲良くなるが、充実した友人関係を見せられなんとも言えない哀愁を感じる一編。全体的にヒリヒリした空気感を書くのがうまい。冒頭から「一日得した」のテーマを忍ばせるのが良い。7点 

  24. 『二十一の短篇 新訳版 / グレアム・グリーン』より「アイ・スパイ」
    グレアム・グリーンって実際に諜報員だったこともあるのか!サマセット・モームもスパイだったし、人間観察ってやはり小説を書く上では大切だったのかも。 6

  25. 『レイモンド・カーヴァー傑作選』より「でぶ」
    レストランの情景が思い浮かぶし、会話のやりとりが巧い。レイモンド・カーバーが誰か知らなかった学生時代に読んだ時よりも断然楽しめた。 7.5点

  26. 『アメリカの鱒釣り / リチャード・ブローティガン』より「<アメリカの鱒釣りホテル>二〇八号室」
    超短編って意外と 読んだ記憶がない。
    短くてシンプルな文章なのに、情報量の多さと、そのスッと入ってくる世界観。
    なぜ208号室なのかもちゃんと謎が解けるのも良い。9点

  27. 『死者の奢り・飼育 / 大江健三郎』より「不意の唖」
     米兵数人と日本人通訳一人が集落にやってくる。やがて通訳者の靴がなくなって・・・。 米兵とムラ社会の村人の態度の書き分けがなんとも巧いし、展開もほんと無駄がない。 8点

  28. 『死者の奢り・飼育 / 大江健三郎』より「人間の羊」
    これぞ初期大江健三郎、って感じのお手本な短編。ウン年振りに読んだけどこれはハッキリと覚えていた。 8.5点

  29. 『掌の小説 / 川端康成』より「人の幸福」
    この短編は短い&数が多いので、既読だったけど一つひとつの印象が薄くてこれも記憶になかった。ただ短いのにめちゃインパクトある短編。
    継母奪われて満州に売られそうになる弟・・・。 7.2点

  30. 『AI 2041 人工知能が帰る20年後の未来』より「ストーリー仮面の神」
    ナイジェリアのクィア、という設定も、土着感と未来が組み合わさる感じも、
    実在人物の絡め方もどれもよかった。これが好きなら「結晶するプリズム」もよんで欲しい。 7.5点

  31. 『味覚の冒険』より「GOD OF THE DOG / 中島らも」
    「犬を食う?」という惹き強めな書き出しから、最後までスッと読ませる紀行文のようなもの。
    最後のオチも犬好きなら情景が想像できてしまう。 7点 

 

…ということで短編小説を読む経過や感想・レビューについては
このブログ記事やマストドンで随時更新していくつもりなので
よければフォローしてみてください。

ねじまき🏳️‍🌈 (@nejimaki@mstdn.jp) - mstdn.jp

 

今週のお題「何して遊ぶ?」

nejimakinikki.hatenablog.com

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ブルータスのドーナツ特集があなどれない話

本当においしいドーナツ@BRUTUS

雑誌ブルータスでなんと『本当においしいドーナツ』特集が。
表紙の ”ドーナツは、ブームじゃなくて文化です。”という文字が頼もしく、
甘いものには目がないので、さっそく読んでみました。

冒頭からいきなり京都のドーナツ屋さん 「Kew」が載っててびっくりしたけれど、
実は、世界クラスのルーツを持つ屈指の名店だからそうで。

「味の副音声」というポッドキャストで噂を聞いて以来、
ずっと行きたかったドーナツ屋さんだったりもします。
(実は来週、龍安寺付近に用事があるので寄っていこうかなと)

 

※追記(2022.9.7):

コメント頂いたところ、Kewのドーナツはもちろん、チーズケーキが絶品だそうです。
雑誌にも書いてあったとおり、現在人気のため予約制なので行かれる方はご注意を!

 

読みどころは、やっぱり速水健朗さんの「ドーナツ・カルチャー考。」

ツインピークスやBTS、山下達郎や村上春樹まで
ドーナツとカルチャーの関わりを描いたコラム。

 

ツインピークスといえば、コーヒーとチェリーパイとドーナツ。
こんな動画もあるなんて。

ひさびさに見たけどクーパー捜査官がほんとに美形でびびる。

 

ザ・シンプソンズに言及がないのは個人的に残念ですが、
短いながらも読み応えある文章でした。

このように、ドーナツをめぐるカルチャーは、その形の通りに無限ループするように思えます。

 

ちなみに時代的な話でいくと、
1970年にダンキンドーナツが日本上陸、
1971年にミスタードーナツも上陸。

ミスドの方が後だったのはちょっと意外かも。
24時間営業していた時期もあると聞いてさらにびっくり。

 

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なにげにDJ松永さんのエピソードもやばくて笑える。

10個ほど買って一気に食べてしまうので、胃薬を飲む羽目になるんですが(苦笑)

 

ほかにも、
言語学・哲学・建築・宇宙(!)などあらゆる視点からDonutsを語ってたり
ニッチながらも手抜きがない一冊。

 

「聖域としてのミスタードーナツ」という穂村弘さんの俳句エッセイもおもしろく、
ドーナツの歴史やミスドグッズ特集、世界のドーナツ屋特集など
あらゆる方向からドーナツを楽しめるかと。

 

ドーナツショップ 全国マップも無料で公開しているという太っ腹ぶり。

沖縄は米軍基地があるからか、ドーナツ屋のレベル高そうでかなり気になるな。。

 

・・・まあそんな感じで甘いもの好きなら読んで損はないかと。

 

さいごに最近食べたのドーナツの話をすると
ミスタードーナツの「いもド」シリーズがうまし、だったのでおすすめです。

ああ、またドーナツが食べたくなってきたな。

 

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力の指輪をみた感想 「過去の影」 (1-1) - 空飛ぶ海外コメディブログ

『ホビットの冒険』(岩波版)を読んだ感想

指輪物語の前日譚

ホビットの冒険(新版:瀬田貞二訳) がキンドルの電子書籍で発売されたので、
ドラマ版『力の指輪』予習のために読んでみました。

子供の頃にリアルタイムで映画版『ロードオブザリング』をみて
原作の『指輪物語』に挑むも挫折。

今回ドラマ版にあわせて『ホビットの冒険』から読み直してみよう
とあわててトールキン原作の世界に飛び込んでみたという流れ。

レビュー・印象に残った部分

ざっくりと感想を書いてみようかと。

 

「一まことに残念ですが──」とビルボがいいました。「 帽子 をかぶってきませんし、ハンケチも 忘れました。お金も持ってこないのです。

 冒険に誘われ、最後まで家に帰ろうとするビルボの有名なハンケチの台詞

 

 

それは、月の光が 裏 から照りつける時にだけ、読めるのです。そればかりではない、まことに手のこんだくふうがしてあって、その文字を書いた時と同じ形の月、同じ季節の月がささなければ、だめなのだね。

いかにもドラクエ風というか、RPG的な設定。いいよねこういうの。

 

エルフたちは、剣をオルクリスト、つまりゴブリン 退治 とよんでいましたが、ゴブリンたちはこれをただ、「かみつき丸」とよびました。そしてこの剣をにくみ、この剣を持った者をにくみました。

もちろんファンタジーということで、伝説の剣もでてきます。

 

ガンダルフがこの時代も大活躍。
魔法というよりかは、打撃でガンガンいこうぜ、なところも意外でした。

 

コロコロ、コロコロ、ころげたる。 ころげてコロンと 穴 の中。

ところどころ挿入される歌や詩も、
ユーモアまじりだったり、神話的だったり。

樽にのって飛び降りるところなど、シンプソンズかよ!と思うぐらい
コミカルだったり。

この辺、ちょっとエルフ族が嫌いになります。笑

 

それで、スマウグのいかりは、たとえようもありませんでした。使いきれないほどお金を持っている人たちが、ろくに使いもせず、ほしくもないくせに、長いこと持っていた品物を、ある時ふいになくしてしまった時にむちゃくちゃにおこりますね。あんなおこり方でした。

シリアスな場面もユーモアを忘れないトールキン。

 

すべての者に、おそろしいことがおこったぞ! やんぬるかな! わしの思っておった時より早く来たわい。

ガンダルフの古めかしい話し方ひとつとっても良い。

 

ビルボにしてみれば、あれほど待ちのぞんだ 家路 につくわけですが、今はビヨルンの庭の花々が、夏のさかりにおとらないすばらしさで 咲きほこっていて、ビルボは旅立つのに心残りなほどでした。

ジブリと同じく、自然の描写や食事シーンは抜群によい。

 

最後の闘いもアツいのなんの。
頭の中でロードオブザリングさながらあの戦いの様子が流れます。

 

全体的に和訳の言い回しがケストナーの児童文学に似ている気がするんですが、
英語を児童書風に訳するときはこういう訳し方になるんでしょうか?

英語の原文はどうなっているかわからないですが、
独特のユーモアとおとぎ話的な文体がファンタジーの世界にぴったりで。

児童書だからか、新訳なおかげか、
指輪物語のような読みにくさはなかったかな。

 

 

訳者・瀬田貞二さんのあとがきも興味深い。

もっともおもしろいのは、この世を第一の世界、ファンタジーの 舞台 を第二の世界として、その深いつながりを説いたところで、第二世界というのは、 宮沢賢治 のいわゆる 心象 世界 にあたるといえましょう。

そして画家の 寺島竜一さんの挿絵も。

 

ビルボとゴラムのなぞなぞの場面や指輪を"拾って"しまうシーンはやっぱり興奮。

エルフとドワーフの仲が悪い理由や、昔の英雄の話、
ドワーフのあの広間など、指輪物語にもばっちり話が繋がります。

 

また、ドラゴンはほんとに強欲で悪いやつ な感じなのが
意外というか。

日本だと"宝を守るかっこよくて強いヤツ的"なイメージが強いですが、

もともと北欧神話・ジークフリート伝説などから来たモンスターなので、
当然といえばそうなんですけども。

 

また森=危険という設定はいかにもヨーロッパらしいというか。

日本だと森や自然は「神のいるところ・畏敬」というイメージがあるので、
恐れる対象物としても、日本とは描かれ方はちょっと違うように感じました。

 

ドラゴンあり、エルフあり、お城や森、魔法や剣ありーのな、
王道ファンタジー。

 

子供向けの児童文学といえども、
濃密なファンタジー設定や、ユーモアあふれる言い回し、
ピンチが何度も来る感じ、
人情の温かさなど、
大人でも十二分に楽しめる一冊。

 

"指輪をはめると誘惑にかられる、または サウロンにみつかる"

・・・などの指輪をはめるデメリット的な設定
指輪物語からの後付け設定なのかな?と疑問に思ったり。

(詳しい方にまた聞いてみようかなと)

 

Kindle版は上下一冊にまとめられてます。
現在なら半額分ポイントが付与されるのでお得に読めます。

 

映画版『ホビット』シリーズ、中途半端にしかみてないのでもう一度見返そうかと。

 

昔、図書館で『ホビットの冒険』の絵物語(コミック版)を読んだ記憶があるのですが、
あれもかなり忠実に再現してたんだな・・・といまさらながらふと思い出したり。
(蜘蛛に木からぶらさげられるシーンで読んだのをはっきりと思い出しました)

 

読み終わったあと図書館で借りた

The Atlas of Middle-Earth 「中つ国」歴史地図 ― トールキン世界のすべて』の地図をみながら、想像をふくらませて読んでました。

子供の頃にかえったようなワクワク感を思い出したり。

ファンタジーっていいよね、とひさびさに思う一冊でした。

 

力の指輪 の予習にも

アマゾンプライムのドラマ『力の指輪』に
おそらく登場するであろう、

エルロンド、ゴンドリン、上のエルフ、オーク、
ドゥリン、モリア、ガンダルフ、死人占い師、指輪 
・・・などなど、
指輪物語やホビットの冒険より古い時代に言及した部分もあり、
なんだかんだ重要な位置を占めるホビットの冒険。

 

トールキンいわく、
はじめはホビットの冒険だけ書くつもりが、
言語学的な関心、つまり エルフの言語に「歴史」的背景を与えるために
『指輪物語』を描きはじめた
と書いていて (王の帰還 著者ことわりがき を参照)

それもまたとんでもない話だな、と思いながら指輪物語の世界の広さに震えてます。

 

ドラマ版『力の指輪』をより楽しむためにホビットの冒険も読んで損はないかと。

 

「空飛ぶ海外コメディ」のブログで、
力の指輪について色々まとめていこうと思うので、
ロードオブザリング好きなかたはぜひ。

www.flyingcomedy.com

 

※追記(2022.9.3)ついに公開。さっそく観た感想をざっくり書いてみました。

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京都破壊SFアンソロジー「京新星爆発」が気になる

京都が舞台のSF短編小説集

はてなブログのお題が「SF」ということで、
最近気になっている本について少し紹介。

インターネットで有志が書いた京都破壊SFアンソロジー「京新星爆発」

ブログのお題は"古今東西のSF"と書かれてましたが、
まさか京都が舞台のSF短編小説集がでるとは。

応援の意味も込めてざっくりと。

 

本の内容としてはこんな感じで、
東京破壊モノのオマージュだそうです。

古今東西、人々の想像力はありとあらゆる手段で街を破壊してきた。街を破壊する――それは人々を魅了し続ける究極のカタルシス。戦乱、崇神、怪獣、隕石、立看板…まじめな破壊からすこしふしぎな破壊まで、この世の全ての破壊がここにある。解き放たれた破壊者たちによる究極の京都破壊絵巻!

 

具体的なストーリーとしても、

"微小な変化が京都全体を定義上の鴨川デルタに作り替えるお話"

"京都市がカレーに沈没する話"

"『洋服』と『キモノ』の攻防戦"

"友人からの京都の実在性を問う依頼を発端とするロボットSF"

・・・など15作品以上が収められているとのこと。

 

以前からフォローしていた書き手の方が作品を書かれているみたいなので、
これは読むしかない!と思って楽しみにしてます。

紙の本ではなく、キンドルの電子書籍として発売されるそうなので、
・・・いまや同人誌も電子出版が当たり前な時代なんですかね~

 

2022年8月16日公開予定とのこと。詳細発表されたらまた追記しておきます。

 

今週のお題「SFといえば」

 

公式HP: 京都破壊 | 京都破壊SFアンソロジー

 

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京都府立図書館の電子書籍貸し出しサービスを試してみた感想

図書室で電子書籍貸出

岡崎にある京都府立図書館ではじまった、
「電子書籍貸出サービス」をさっそく利用してみました。

一度現地で会員登録さえすれば、
京都府民なら誰でも電子書籍をレンタル利用できるようになります。

・・・実際やってみたところ、登録手続き自体はわずか10~20分ほどで完了。

その後は本会員登録登録をオンラインですると、
電子本をレンタルできるようになります。

京都府立図書館の電子書籍貸出サービス

あくまで参考に、
ラインナップをざっと眺めて個人的な趣向で読みたいなと思ったのを
ざっとあげてみます。

文章表現のための辞典活用法

水族館の文化史

同性愛文学の系譜

多様性との対話

クィア短編小説集

日本人のためのリズム感

音楽の哲学入門

(リンク張るのめんどくさくなったので、下記からタイトルのみです・・)

・ネット炎上の研究

・俗語百科事典

・100人の作家で知る ラテンアメリカ文学ガイドブック

・私小説の技法 増補改訂

・ダンス・クラシックス・ディスク・ガイド

・コミュニティの幸福論

・基礎から学ぶスポーツの心理学

・ロゴのつくりかたアイデア帖

・西洋の自死

・食と文化の世界地図

・日本SF誕生

・チリを知るための60章

・ラジオのお仕事

・国語辞典を食べ歩く

などなど、以前から気になっていた本もあったり。

 

「3000冊は少ないかな…」と思ってましたが、
なんだかんだよさげな本がたくさんあるのでしばらくは楽しめそう。

ジャンルも幅広く、
硬い本から小説、評論、ビジネス本、図鑑まで揃ってます。

Kindle Unlimitedにない本、購入すると高額な書籍もたくさんあるので、
これは助かるなと。

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※ちなみに注意点として、
一度に読めるのは一冊まで
なのでマルチタスクで何冊も同時に、という使い方は不可。

 

システムとしては、紀伊國屋書店のサービス 
電子図書館「KinoDen」を利用しているのだそう。

使い方としては、
京都府立図書館にログインして、
ブラウザーで閲覧するという感じ。

さくさく読めて動作も軽快。
全画面表示・音声読み上げなども可能です。

 

難点として、
読んだページは同期されず、
閲覧開始すると、以前読んだ本も表紙から表示されるので、
ページ数を覚えておかないとまともに継続して読めません。

あと、端末にダウンロードは基本できないと考えた方がいいかも。
(間違ってたらすみません)

追記: 一部書籍で印刷やPDFのダウンロードが可能なようです。

 

オーディオブックも聴ける

新サービスとして、一応オーディオブックも聴けるようになったのですが、
個人的には少しがっかりな仕様。
検索性がいまいちで、
倍速再生はできるけど、
再生した場所が記憶されないので、
再度聞き返しにくいという。

正直なところ、
これならポッドキャストかAudibleか聴くかなぁとなってしまう感じ。

でも無料で聴けるなら文句はいえないですよね~
これから徐々に改善されるのを期待してます。

 

ざっくり感想としてはだいたいこんな感じで。
京都は意外と前衛的な仕組みを導入していたりするので、
ええどすよね。
他の都道府県でいうと、
北海道では、特に小学生に活用されているというニュースをみてなるほどなと。

 

京都市立図書館は子供の頃から毎週のようにあちこち利用させてもらってますが、
恥ずかしながら岡崎の京都府立図書館は初めて訪れました。

スペースや机も広く、
お客さんもそれほど多くなく、
新旧あらゆる本が揃う天国のような場所なので、
休日に丸一日籠ってみようかと思います。

実は日本最古の公立図書館だったりもするそうで建築をみるとなるほどなと。

こうなると京都府相楽郡精華町にある国立国会図書館も気になるけど遠いんだよなぁ。

 

電子書籍レンタルの詳細はこちらからご覧ください。

令和4(2022)年4月30日から、電子書籍・オーディオブックサービスを開始します。 | 京都府立図書館

利用できる方・京都府内に在住又は府内に通学・通勤されている方のうち、当館の図書館カードをお持ちでマイページに登録をされている方。

KindleやAudibleに負けずに頑張ってほしいところ。
ラインナップが増えれば、ほんとに良いサービスになりそう。

「好評につきサービス終了」なんてことになったら困るので、京都の読書家はぜひ。

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※京都市立図書館もリニューアル後に電子書籍サービスをするという噂も。
これは期待してます。

本を解説文から先に読むという背徳感

小説のあとがきはいつ読むか問題

 読書好きな人なら誰もが経験したことのある
「あとがき」を先に読んでしまうという背徳的な行為。

僕はわりかし頻繁にやってしまうのですが、
ネタバレで後悔することもある一方、
より物語の世界に入り込めることもあり、
「みんなどうしてるんだろう?」と思ってこのブログ記事を書くことにしました。

 

例えば、
長編小説の導入部分の1,2章が冗長なときに、
「この小説の魅力はどこにあるんだろうか?」と救いをもとめるように
末尾の解説文にあたってしまう、とかそんな感じ。

 

まだ読み切ってないのに、
解説を読んでしまうという独特な背徳感がたまらないの、
わかります??

作品の解説だけじゃなく、
その作者の生涯や生きざまが書かれていたりして、
誕生から死後まできっちり描いてくれる解説も好きです。

 

「ここから読む読者もいるだろうが・・・」みたいな書き方をしている
解説者もいたりして、 ニヤッとしたり。

作品に一切触れず、自分語りをする解説者だったり。
翻訳本だと、翻訳するにあたっての苦労話が読めたり。

 

映画との比較、日本文化との違いなど、
なんだかんだ、それだけでも読む価値あるといえるあとがきも
あってなんか得した気分になります。。

難しい作品こそ読み応えあるというか、
理解が深まることもあるので、あなどれません。

 

コンラッドの『闇の奥』とか、
中国SF短編の『折りたたみ北京』
ブローティガン『芝生の復讐』
村上春樹の『ペット・サウンズ』翻訳本とか、
”これはあとがきではない”と言い切ってしまう『実験小説 ぬ』やら。

古典というかいわゆる"名作"の後書きはハズレが少ないイメージ。

 

締め方がよくわからなくなってきましたが、

後書きは 先に読む派  or 本編を読み終わってから読む派。

意外と50/50ぐらいに分かれるかとおもっているのですが、
みなさんどうでしょうか?

軽くググってみると、"そもそも解説を読まない"という層もいてびっくりしたり。

「この解説文がおすすめだぜ」
っていう本があれば教えて頂ければ幸いです。

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