【来日ライブにも期待】
2017年6月2日、U2(ユーツー)の代表作であり、ロック史に名を刻む名作
『The Joshua Tree』の30周年記念盤が発売されます。
20周年のリマスター版が発売されて以来10年振りの記念盤。
個人的に「人生の一枚」と言えるほど思い入れが強いアルバムです。
発売を控えた今、せっかくの機会なので全曲感想を書こうと思います。
※30周年版の外観や音質、デラックス版のライブ音源については30周年盤が届き次第追記したいと思います。
【ヨシュアツリー全曲感想】
アメリカでも非常に評価が高い5thアルバム『ヨシュア・ツリー』。
冒頭の三曲の名曲メドレーは、ロック史の中でもトップクラスの勢いと言っても過言ではないでしょう。
1曲目 :Where The Streets Have No Name (約束の地)
これほど神々しいイントロが他にあるでしょうか?
この曲を一発目に持ってくるのがさすがU2といったところ。
全パートともシンプルな演奏なのに、これほどの空間的な広がりを見せられる、そこが世界的ロックバンドU2の一つの魅力だと言えるのではないでしょうか。
ちなみに海外音楽誌の「“壮大なイントロ”を持つヒット曲" 」でも堂々の一位として選ばれたようです。
歌詞も様々な解釈が可能で、聴く度に新たな発見があります。
2曲目 :I Still Haven't Found What I'm Looking For (終りなき旅)
「僕はまだ見つけられていない、自分が探し続けているものを」という歌詞がなんども繰り返されるこの曲。
U2と言えばキリスト教、なのですが、この曲は特にキリスト教的意味合いが濃く歌われています。他のアーティストには
キャリア絶頂を迎えようとする中、こうした曲が書けるU2の幅の広さに改めて驚かされます。
ラスベガスのオールドタウンを背景に曲が流れるPVも独特で良いですね。
コンサートでは観客がライターを掲げながら合唱する定番曲。
CD音源とは違うスタジアム・バンドの魅力が味わえる曲なので、ライブ映像もぜひチェックしてみてください。
ちなみに、Mr.Childrenの代表曲「終わりなき旅」のタイトル元ネタとなります。
3曲目 :With Or Without You
U2を聞いたことがない、という人にこのアルバムからおすすめを選ぶとなると、
この「With Or Without You」か一曲目の「約束の地」を挙げるでしょう。
クセもなく、聞きやすいサウンドといえるでしょう。
一見シンプルなラブソングに思えますが、
2,3重にも解釈できる余地のあるU2らしい歌詞となっております。
海外ドラマの『Friends』や日本のドラマ・映画『ソロモンの偽証』などでも挿入歌・主題歌として使用され、耳にしたことがある人も多いはず。
Superfly& Salyuのカバーもおすすめです。
コンサートでも定番の曲ですね。
4曲目 :Bullet the Blue Sky
重く乾いたドラムで始まる一曲。
日本でありがちな U2=セレブなロックバンド 的イメージを持っている方は、この曲が持つ緊迫した空気感に驚くはず。
3:18~からの戦闘機を思わせるブルージーなギターソロも聞き逃せません。
戦争や賄賂など重く汚い部分が直に表現され、アメリカをストレートに批判した曲。
トランプ大統領が支配する現代、この曲はさらに鋭さを増しているんじゃないでしょうか。
ヨシュアトゥリーの中でも政治色が一番強い曲。
『SONGS OF EXPERIENCE』U2の新作全曲レビュー
5曲目 :Running To Stand Still
ギターをつま弾く音にピアノが加わり、優しく始まる一曲。
アメリカのルーツ音楽の影響を感じさせる穏やかな曲なのですが、
歌詞の内容は重たく、ドラッグ中毒の少女を歌っているとのこと。
ルーリードっぽい退廃的な雰囲気がそこはかとなく漂っているのはそのせいでしょうか。
2:18~のボノのファルセット(裏声)がたまりませんね。
6曲目 :Red Hill Mining Town
30周年を記念して再録されたのが「レッドヒルマイニングタウン」という曲。
今までライブで一度も演奏されたことがなく、"隠れた名曲"的存在だったのですが、
現在遠征中の 『Joshua Tree Tour 2017』で初披露され話題になりました。
曲については過去記事に詳しく書いてますので、ぜひ併せてご覧ください。
「Red Hill Mining Town」U2があの名曲を再録
7曲目 :In God's Country (神の国)
ジ・エッジがのギターが冴えまくる一曲。
ラルク等ビジュアル系バンドののキラキラしたギターが好きな方はきっとハマるはず。
聴くだけで砂漠の広大な景色が目の前に広がります。
この曲が好きな方は初期の名曲「I Will Follow」もぜひ。
8曲目 :Trip Through Your Wires
力強いハーモニカで幕を開ける「Trip Through Your Wires」。
比較的重いテーマの曲が続くアルバムですが、その中で最も機嫌良く明るい曲と言えるでしょう。
Bonoの雄叫びのような声を聴くだけでこっちまで元気になれそうです。
ビリージョエルの「ピアノマン」やニールヤングの「Heart of Gold」のようなハーモニカ曲マニアな方はぜひ。
9曲目 :One Tree Hill
独特なリズムが耳に残る「ワン・ツリー・ヒル」。
当時亡くなったU2のニュージーランド、マオリ族のスタッフに捧げられた曲。
We run like a river to sea
Like a river to sea
というラストのサビの歌詞が本当に心に染みます。
冒頭は地味目ですが、後半はしっかり盛り上げてくれます。
※2019年ツアーのオークランド公演での演出も期待ですね。
余裕のある方はぜひワンツリーヒルに行ってみてください。
10曲目 :Exit
微かなシンセサイザーとボーカルのBonoのつぶやくような声で始まる「Exit」。
徐々に1分40秒あたりから一気にギアがかかります。
”動と静”という言葉を見事に一曲へ凝縮したような曲。
ギター・ドラムだけでなく、低い部分で震えるベースが曲を支配しています。
U2の中でもかなり珍しい展開ではないでしょうか?
ハードロック好きな方にもおすすめの一曲。
11曲目 :Mothers of the Disappeared
ジリジリと地底から響くような残響音が印象的な一曲。
ボノの裏声がただただ美しいです。
U2のアルバムは静かで荘厳な曲で締められる傾向がありますが、その典型といっても良いでしょう。
この後にテクノやダンスミュージックを大胆に取り入れた、
90年代を代表する『アクトン・ベイビー』が続くなんて誰も予想出来ませんよね。。
※追記(2017.8.2)パリで「ジョシュアツリー」ライブを観てきました!!
【80年代を代表するアルバム】
いかがだったでしょうか?
「最近ロックなんて聴いてない」という方や「U2はほとんど知らない」という若い方にもおすすめの1980年代の名作です。
デラックス版にはライブ音源が収められているので気になる方はぜひ!
U2の”ヨシュアツリー全曲演奏”の最新ツアーは現在も遠征中。
U2が来日するのはいつになるんでしょうか?2019年に日本に来てくれないなぁ。
『ジョシュアツリー』のプロデューサーであるのブライアン・イーノの名盤も必聴。
※あ、ポッドキャストはじめました。音楽レビューもやってます!
ユーツーについても熱く語っているのでぜひ。
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