【戦慄の貴公子が死去】
3か月前にDavid Bowieが死んだ、というニュースを見たとき、
てっきり新アルバムの宣伝か何かかと思ってしまいました。
今回Princeの場合もそうでした。全く信じられない。
80年代からのロックを切り開いてきた伝説が、
知らない間にこの世からいなくなってしまったのです。
【プリンスって誰?】
アメリカではよくあのマイケル・ジャクソンと比較されるほど有名なロックミュージシャンです。音楽性はファンクの帝王、ジェームスブラウンから受け継いだファンクを中心に、ロック、ジャズ、サイケ、ヒップホップ等様々な音楽を取り入れ、80年代の音楽シーンの先頭を突っ切ってきたアーティストです。
代表作である『Purple Rain』は全世界でなんと1500万枚以上売上を記録しています。
彼の独特の容姿やパフォーマンスから、眉をひそめられることも多いですが、
才能はすごいんです、この人。
日本では特に岡村靖幸やスガシカオが色濃く影響を受けています。
また、あの村上春樹もプリンスのファンであり、
彼の小説やエッセイにも何度もプリンスの名前が出てきたりも。
【絶対に聞くべき7曲】
今回、Princeを全く知らないという方にもプリンスの魅力を十分に感じていただける、
絶対に聞くべき7曲を紹介します。
『1999』
1999年に人類が滅亡する、というノストラダムスの予言があった中、
「2000年にはパーティができないから、今踊り狂って楽しもうぜ!」というのがこの曲の趣旨です。
アルバムバージョンでは曲のラストで
「Mommy, why does everybody have a bomb?(ママ、どうしてみんな爆弾を持ってるの?)」という女の子の声で終わり、
当時の冷戦の状況を表しているとかなんとか。
ファンクなギターが最高にかっこいいです。初期の代表曲。
『Controversy』
個人的にプリンスの中で一番好きな曲。展開がとにかく斬新です。
歌詞の内容も「黒人か白人か」「ストレートかゲイか」「神を信じるか自分を信じるか」等ひたすら問うていき、僕の解釈ではレッテル貼ろうとする人を批判した歌のように思えます。初期の名作です。
『When Doves Cry』
ベース一切なしでこの世界観。うん、濃ゆいです。笑
初めてプリンスを聞く方には辛いものがあるかもしれませんが、
プリンスの音楽を語るには避けて通れない一曲。
『Sign Of Times』
プリンスのリズム感の天才ぶりが発揮されたこの曲。
MUSEのカバーバージョンになりますが、個人的には結構好きです。
気に入った方はプリンスのオリジナルもぜひどうぞ。
『KISS』
プリンスの独特のセクシーさを前面に押したこの曲。
ファルセットでひたすら攻める感じと、
スカスカな音作りを埋めていくファンクギターの魅力を体で感じてください。
『Purple Rain』
プリンスのバラードと言えばこの曲。代表曲です。
スーパーボウルハーフタイムショーで奇跡の雨の中のパフォーマンス。
雨さえも味方に付ける殿下です。後半のギターはやはり染みます。
『While My Guitar Gently Weeps 』
番外編として、ビートルズホワイトアルバムに収録曲のカバーを紹介します。
ロックの殿堂でのパフォーマンス。
終盤のギターソロは圧巻の一言です。本当にギターが泣いています。
とにかくこの人のパフォーマンスには華がありますね。
本当は『Let's go crazy』とかも紹介したかったんですけれども、
この人はとにかく著作権に厳しく、すぐに動画が消されます。
Daily Motionばかりになったのもそのせいです。
全盛期のものばかりになりましたが、
2000年代では『Get on the boat』『The Work Pt.1』『Musicology』『An Artificial Age』辺りもぜひ。
上で挙げた曲の中で一曲でもピンと来た方は、その曲が入っているアルバムもしくは、
ベスト盤あるいは悲しきかなラストアルバムとなってしまった最新作を
購入してみてはいかがでしょうか?
※2016/10/21追記:11月にリマスターされた死後初のベストアルバム『4EVER フォーエバー』が出るようなので気になる方はぜひ。ここで紹介したほとんどの曲が収録されています。
Amazon.co.jp: Prince : Hitnrun Phase Two - ミュージック
【ベストアルバムも発売】
上の紹介でも触れたように、
プリンスは サウンド・歌詞・パフォーマンス・外見 全て癖が強く、
アルバムの世界も独特なため、日本では特に敬遠されがちなアーティストです。
しかし、一度その世界に入り込めばしめたもの。
殿下(プリンス)の音楽でしか味わえない感覚を得られることでしょう。
プリンスが亡くなってしまったのは本当に残念ですが、
この機会をもって、多くの人にプリンスの音楽が届くことを願っています。
R.I.P