世界のねじを巻くブログ

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2ちゃんねるをやってよかった思い出と今のインターネットについて。

2chを振り返る

このブログ記事は
インターネット老人会 アドベントカレンダー2023年」8日目の投稿です。

adventar.org

 
インターネットといえば、
ヤフーかぱんぞう屋か面白フラッシュ倉庫か
みたいな感じだった小学生時代の話。

 

夜ご飯を食べた後、
家のデスクトップPCの「Internet Explore」が開いたままだったので覗いてみると、
緑の背景色にきつい青色のリンク集が。

「サブカル」「アフリカ情勢」「河川・ダム等」「考古学」「裏社会」など
いろんなカテゴリーが並んでいて、
なにやら”アブナい水着”なウェブ広告もベタベタと貼られている。
「お父さんこんなの好きなんだ…」とクラクラしつつ、
その日以降、毎日ちょこちょこ履歴を眺めていたりした。


色々追っていると、これは2ちゃんねるという巨大掲示板で、
どうやら父はもっぱら「ニュース速報」「携帯PHS板」「自動車板」というところに常駐しているらしい。
僕もガジェットが好きだったので、
当時最新技術が機種を追うごとに追加されていく携帯板はよく見ていた。

その影響もあってか、
新しい機種が出る度にドコモショップに行ってパンフレットを眺め、モックを触り、
ということをしていたり。(自分でもちょっと変わった子だったんだろうなと)

小学生ながらQVGAがどういうディスプレイのサイズなのか、
携帯機種のNとかPとかD各社の特色みたいのを掴めたりもしたし、
(実際のところ、将来の仕事に繋がったりも.)

そんなこんなで時間が経つにつれ、
父の2ちゃんねる閲覧環境は
「IE」→「ギコナビ」→「Jane Style」と進化していった。
それに比例して好奇心旺盛だった僕も、
ニュースや携帯板を眺めるだけでは飽き足らず、
左のカテゴリツリーから自分の好きな板を探すように。

 

・・・ということで、
僕が見ていた中で印象的だった板をいくつか振り返ろうかなと。

 

洋楽板

ビートルズとアブリル・ラヴィーンとグリーンデイと、
ぐらいしか知らなかった僕だったけれど、音楽にはなぜかすごく興味があった。

なので知らないバンド名ばかり並んでいるスレッドを参考に
いろんな曲を聞いていったり。

特に「冬に聴きたい洋楽」みたいなスレッドで、
U2の「New Year’s Day」を聞いた衝撃は忘れられず、

(みんな新年にはこれ聞くんだよ!)


僕自身 ほぼ「カキコ」はしないROM専だったけど、
洋楽板で何度かおすすめの曲を聞いてみたりもしたのは良い思い出だったりする。

ぶっきらぼうながら、
Depeche Modeの「Enjoy The Silence」を聴くべし、的なレスをもらい、
初めて聞いたときの新しい世界を知った感ったら・・・!

そこからR.E.M.、レディオヘッドとあれよあれよと洋楽沼にハマっていたり。
(※2023年になってもU2・Depeche Mode両者とも最前線で活躍しているのは本当にすごいことだよ)

僕がブログを続けているルーツも、
「良いものをお勧めしてもらったことへの恩返し」的な感じで、
実はこの辺にあったりもするけれど、
長くなるのでそれはまた今度書こうかなと。

 

邦楽板

「邦楽板」ではミスチルファンとラルクファンの仲がものすごく悪いことを知ったり、
有名人の不倫どうたら、みたいな話を聞いたり。
みんな自分の敵対視するバンドにとても詳しいんだな、
という屈折した感情を読み取ったりもした。

 

 

ハード・業界板


新型ゲーム機が発表される時は、
悪名高き「ハード・業界板」なんかも見ていたり。
タッチパネルのDS=おもちゃ
PSP=大人のゲーム
みたいな構図でやいのやいの言ってる人たちを眺めたり。

PS3が6万円と発表されたときや、
モンスターハンターがPS陣営からWiiに移ったときの荒れ具合などは
今も忘れられなかったり。

任天堂 VS SONYの構図、
いわゆるゲーム会社の”ビジネスウォーズ”を遠巻きながら見守っていたのは
なんだかんだ面白かったし、
みんな口が悪い(特にゲハ)ので、
インターネットってこういうところなんだ、というのを
若いながらもナチュラルに知れたのはよかったのかも(?)

 

遊園地板

そういう意味で行くと「遊園地」板も同じような構図で、
“ディズニー VS USJ”で激しい争いが繰り広げられていたのも当時印象的だった。
確かユニバに行った後にスレッドを覗きにいったんだけれど、
「どっちも楽しいんだからなんで争うの・・・?」と見たくはなかったものを覗いてしまった気がした。
世の中には色んな争いがあるんだなと学んだり。
しかも、どうやら女性ユーザーが多そうなのもショックだったのを覚えている。
 

同性愛板

確か平井堅きっかけで覗いた同性愛板なんかは、
みんなオカマ口調で喋ってるし
「え、こんな世界があるのね」と驚かされたり。
(まさか自分がゲイだと気づくのは10年ほど後のこと。)

 

電子書籍板

当時英語に憧れていたので、洋書を語るスレッドやKindleスレはよく見ていた。

一つ、印象的な出来事をあげるとしたら、
「 Kindle洋書無料祭り」だろうか。

アマゾンの洋書が、
まさに0円で販売されていた。

有名どころの作品も普通に配布されていて、
2chの有能なひとたちがたくさんリストアップしていたのを
一気に100冊ぐらいはDLした記憶が。

  • 村上春樹の『Elephant Vanishes(象の消滅)』
  • スティーブン・キングの『Night Shift』
  • カズオイシグロの『Never Let Me Go』
  • 『ゲームオブスローンズ』原作、
  • 『ドラッカー名言エッセンシャル』

のような小説からデザイン本、自己啓発系まで 色々揃っていた。

ストアのバグかと思いきや、
一週間ぐらいは”無料祭り”が続いていたので、
 今思うと、あれはAmazonなりのコア勢を取り込む仕掛けだったのかなと。

(まあ僕はそれに見事に絡めとられたわけで、今でもKindleのヘビーユーザーである) 

 

そうした”インターネットお得情報”
ごろごろと転がっているのが2ちゃんねるの魅力だったかと。

 

・・・あまり書きすぎるとあれなので、話を切り上げる方向に向かうことにする。

 

2ちゃんねるの出来事で今ぱっと思い浮かぶものをあげていくと、

  • 電車男や飲まネコ問題、
  • レアコイルが一位になったり、
  • sengoku38騒動だったり、
  • 3.11の福島メルトダウン時の終末感
    (地震なんて一切気にしない父が水を大量に買ってきた)

などなど色々あったなと。

特に「〇流出事件」は衝撃的で、
完全に匿名などありえない、というインターネット上の大切な教訓を受けたりも。

 

(話の筋が読めなくなってきたので、そろそろ強引に締めにかかる)

 

インターネットについて

『ファクトフルネス』ではないけれど、
インターネットは昔より確実に良くなっていると思う。


Twitterはあれこれ言われているけれど、
何でもない普通の人の投稿を一気に検索できるのは画期的だったと思うし、
荒れ具合も当時の2chに比べればまだマシ、といいえる気がする。

(さすがにトランプ大統領~コロナ禍あたりのTwitterキツかったけれど・・・)

 

ただ2chとツイッターで大きく違うのは、
有名人が実名でつぶやいているというところ。(一部例外はあるものの)  

2chは「便所の落書き」というエクスキューズが前提となっていたので、
そういう意味では、どんな投稿がされていても
「ヤバい奴がいるな」、ぐらいの反応で済んだけれど、
Twitterではそうではないのが個人的には嫌なところ。

好きだった映画評論家の方とか、
好きな有名人が偏った思想を持っていたりとか、
そういうところがちょっとしんどいなと。

 

 

"パソコン好きの人でなくても毒のある情報に触れてしまう"
という側面で見ると、インターネットは悪化したとも言える。


その辺にいる中学生でさえも、
「月ウン百万稼いでます」みたいなYouTuberを日常的に目にしてしまうのは
なんだかなぁ、と思わなくもない。

 

最近はいわゆる"有名税"みたいなものの重みが周知されるようになってきたので、
やっぱりバズ頼りではなく実直に過ごそうね、
という風潮が出てきたのは良い流れだとは思うけれど。


逆に今の小学生の方が、
そういうインターネットの"毒"をきちんと理解していそうな気もするし、
大人がそんなに心配する必要はないのかもと思ったり?

 

2chの流れを引き継いだTwitter(X)がこれからどうなるかわからないけれど、
日本においては”2ちゃんねる化”していき、
他人にいえないような、でもチラチラ覗いてしまう、
みたいなところに落ち着くような気がしている。
(そこまでXが存在しているかは怪しいけれど・・・)


いろいろあった2ch、
「便所の落書き」されど「便所の落書き」。
なんだかんだ色々学べるものもあったように思う。

ホリエモンも言ってたように、
誹謗中傷やフェイクニュースなんて今のTwitter以上の日常茶飯事だったので、
決して美化してはいけない文化だったのは言うまでもないけれど、
20年以上前、インターネットはそんな感じだったんだよ、
って記録になればなと。

自分の年齢的には"インターネット老人会"というよりも、
さしずめ"インターネット中年部"という感じなので、
みんなが期待するような老人話はできなかったかもしれないけれど、
ちょっとズレた答えが返ってくるのもインターネット良いところ
だったはずなので、"はずれ値"的なブログ記事を書いてみました。


このアドベントカレンダー、
なかなか人気がありそうだったので来年は

・インターネット青年部
・インターネット中年部
・インターネット老人会
の3つに分けてみるのも面白いかも。

普段そこはアルゴリズムの影響でお互い混ざり合わずに流れていくので、
Z世代のインターネッツも見てみたかったり。


右往左往しながら当時の記憶と共にブログを長々と書いてみたけれど、
そろそろアドベントカレンダーの記事を締めたいと思います。


www.nejimakiblog.com