世界のねじを巻くブログ

ゲイが独自の視点で、海外記事/映画/書評/音楽/電子書籍/Lifehack/Podcastなどについてお伝えします。ポッドキャスト「ねじまきラジオ」配信中。

「もの書きのてびき」stoneによる書くことについてのインタビュー集が興味深い。

文章についての対談

最近みつけた「ストーン」という書く気分を高めるアプリの公式HPに掲載されている
"物書きの手引き"というコーナー。

文章や書くことについてのインタビューのウェブ連載がどれも良いので軽く紹介。

編集者やライターはもちろん、哲学者から書体設計士、翻訳家、校正者、ミュージシャン、写真家、歌人などいろんなジャンルの職業の話が読めるのでなかなか面白い。

 

印象に残ったものをいくつか。

stone-type.jp

永井 哲学対話の始め方は人によってさまざまなのですが、私はまずこの場が非日常な空間であるということをはっきり言葉にします。なぜかというと、枠組みを意識的につくらないと対話は現れてこないと考えているからです。そして次に「よく聞く」「えらい人の言葉を使わない」「人それぞれで終わらせない」という3つの約束をします。3つ目の「人それぞれで終わらせない」というのは、あくまでスタート地点。

 

みんな本当にびっくりしますよ。「これで終わりですか?」ってよく言われます。こちらから「今日はこんな学びがありましたね」とか「哲学対話にはこういう意義があるんですよ」とまとめることもありません。そもそも、終わるわけがないんです。私が「終わります」と言うだけで、みんなの中の哲学が終わるわけがないって、信頼しているから。

 

 

stone-type.jp

翻訳は、自分とは別の書き手の言葉をさまよう行為であるはずなのに、自分の言葉に出会うことがあるんです。他者の言葉と自分の言葉、二つの言語間を移動していると、思ってもみなかったものが見えてきます。とても不思議な体験です。

 

 

stone-type.jp

紙で買うのは、家の本棚に“背表紙として必要な本”。僕はけっこう視覚でとらえるタイプの脳みそで、企画やアイデアを考えるときに、背表紙の配列や組み合わせからヒントを得ることが多いんです。

 

今ではSNSにあまり個人的な感情を書かなくなりましたが、その分、外に向けた日記やコラムは続けていきたいなって思っています。とくにコラムは書いていると調子がいいんです。自分の感情の揺れ方や、それに対する他人の反応を確認できて。文章を記述して他者に見せることの原始的な機能ですが、すごく重要なことだとあらためて感じています。

 

日記をつけはじめて気づいたのは、一週間前の出来事でも感情までは意外と覚えていないということ。例えば、あるパーティに行ったことを、後日「たくさんの人に会えてすごく楽しかった」と話してたようなんですが、家に帰ってその日の記述を見ると「名刺交換ばっかりで、パーティはもうイヤ!」とあって愕然としたり(笑)。人にはポジティブな情報を伝えたいから「楽しかった」話に自然となるけど、日記には自分の本音が書いてある。そういうのが面白いですね。

 

文末にそれぞれインタビューされた人の「影響を受けた5冊」や「書く気分を高めるモノ・コト」がまとめてあるのもすごく参考になる。

 

書く気分を高めるテキストエディタ「stone」によるウェブメディアだそうで、
しずかなインターネット」的な日本語のエディターもあるんだなぁと思いつつも、
MacOSとiPadOSなどApple製品にしか対応していなくて残念。
(iOS版もないのがちょっと意外)

Windows版も需要があるはずなので、開発には期待したいなと。

 

こういうニッチでいい感じのウェブメディアとか、
ブログで紹介していきたいなと思う2024年です。

 

www.nejimakiblog.com

nejimakinikki.hatenablog.com