2000年以降の小説ランキング
NewYork Timesが、数百人の小説家、学者、編集者、ジャーナリスト、評論家、出版社、詩人、翻訳家、書店員、図書館員、などあらゆるジャンルの著名人にアンケートを募り、21世紀のベスト小説100を作成。
ランキングの集計の仕方も面白く、
それぞれに「何がベストなのか?」の定義を聞いたり、
ランダムに2冊選び、各々にコメントを求めたりしたとのこと。
あのスティーブン・キングも選定者として参加。
・The 100 Best Books of the 21st Century (※下記リンクより全文読めます)
読んだことある・読んでいる途中の作品
掃除婦のための手引書 / ルシア・ベルリン(79位)
アルコール依存症のシングルマザーが主人公の短編小説集。
どの短編もじんわり残るし、難しい内容ではないので、
寝る前に一編ずつ読むにもおすすめ!
文庫化されてキンドル版も安くなっているのでぜひとも。
『トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー』/ ガブリエル ゼヴィン(76位)
WIREDとかでも話題になっていた、ゲームにまつわる恋愛モノ。
小島監督が推していたこともあって、僕も買ったけど積読中。
現在セール中なのでよければぜひ。
『十二月の十日』/ ジョージ・ソーンダース(54位)
設定がぶっ飛んでいるディストピアものが多い短編集。
ジョージ・ソーンダースは政治的な話題やアメリカの文化に詳しくないと消化不良を起こしがちなので、日本ではあまり人気出ない気がするよな・・・。
個人的にもアメリカの高評価についていけないのが正直なところ。
『クラウド・アトラス』 / デイヴィッド・ミッチェル (28位)
映画にもなった名作と噂のこれ。
ゲイも登場するということで僕も気になっているけれど、
上下巻あるので積読中。
『わたしを離さないで』 / カズオイシグロ (9位)
カズオイシグロが9位にランクイン!
小説としては『日の名残り』の方が評価されていると思っていたのでちょっと意外だけど、文句なしの順位。さすがだ・・・・。
なんともいえない癖がある物語だけど、
ディストピアものとして読んで損はないので、今からでもぜひ。
あらすじを読んで「面白そう!」と思った作品
軽くあらすじを読んで個人的に「良さげだな」と思った作品をザっと。
・88位『The Collected Stories of Lydia Davis』日本だと数冊ににわかれて出版されているリディア・デイビスの短編集まとめ。
・87位『Detransition, Baby』ニューヨークのトランス女性の生活に関する物語。意外と暗くないらしい。
・85位『パストラリア』ジョージサウンダースの短編集。設定がぶっ飛んだものが多い印象。
・81位『Pulphead』アメリカの文化を静かに描いたエッセイ。
・66位『We The Animals』ニューヨークの3人の兄弟の物語。中篇。
.・64位『The Great Believers』エイズもの、現代のパリと当時のシカゴを行き来する物語?らしい。
・57位『Nickel and Dimed』低所得の職業潜入ルポのようなものらしい。
・53位『ジュリエット』アリス・マンローの短編小説集。亡くなったこともあってか、日本でも知名度が高まっている。
・50位『Trust』ピュリッツァー賞受賞。同じ物語が4回語られるらしい。面白そう。
・49位『菜食主義者』韓国の女性作家の短編小説集。
・45位『The Argonauts』クィア・ジェンダーに関する話らしい。
・44位『The Fifth Season』ハイファンタジーだけど重苦しくない物語だそう。
・39位『A Visit From the Goon Squad』 年老いた元パンクロッカーでレコード会社重役と若い女性のNYの話。音楽好きは楽しめそう。
・37位『シンプルな情熱』ノーベル文学賞のアニー・エルノーの代表作。
・35位『ファンホーム ある家族の悲喜劇』ゲイであることをカミングアウトしていない父親が亡くなった、という話。気になる。
・30位『Sing, Unburied, Sing』アメリカのロードトリップもの。
・29位『Last Samurai』あの映画の原作・・・ではないらしい。父親が探す旅の話。
・26 『償い』イアン・マキューアンの代表作。気にはなっているけどあらすじに惹かれないのよね・・・。『恋するアダム』は面白かった。
・24位『オーバーストーリー』リチャード・パワーズの代表作。自然好きな人は読んで損はないはず?これは今年読みたい。
・23位『イラクサ』 アリス・マンロー再び。
・13位『ザ・ロード』コーマック・マッカーシーの代表作。
・7位『地下鉄道』映像化もされた、奴隷制度に関する物語。
・6位『2666』ボラーニョの代表作、かつ鈍器本。気になってはいるけれどいつ読めるだろうか・・・。
5位~1位は難解そうな物語が多かった。
ネタバレするのもあれなので、気になる方はリンクよりチェックしてみてください。
あと、ランキングの中で他に邦訳されているものがあるなら教えていただければ・・・。
LGBTQ+をテーマにしたクィア小説がいくつもランクインしているのが嬉しいし、
やっぱり政治や社会問題を背景にしたものが多い印象。
あと実際に映像化されたものも多いですね。
ひとつ気になったのは、
日本の小説家は1作もランクインしていないこと。
アジアでいうと、韓国文学は『菜食主義者』『パチンコ』の2作が登場。
どちらもわりと日本で話題になった作品ですね。
(※『パチンコ』は韓国系アメリカ人の作者だったみたいです。)
あと中国小説はなかったような?『三体』入ると思ってたな。
選者別の10冊選んだリストを見てもなかなか面白く、
Amy Hempelの短編集やハニヤ・ヤナギハラの『A LITTLE LIFE』が人気なんだなぁと。
スティーブンキング自身が『アンダーザドーム』を挙げているのも面白い。
全体的にみて"名作"と呼ばれるものは
やっぱり本の表紙カバーデザインもすぐれたものが多く
"読みたい欲"をかきたてるものが多い印象。
(音楽のアルバムジャケットと同じ)
あらすじを読んでみると、
未読の本も素直にストーリーが面白そうなものばかり。
ぜひ日本語訳を出してほしいな、という本ばかり。
いわゆる古典が含まれたオールタイムベストなランキングとは違って、
作品のもつ面白さがちゃんと活かされているランキングな気がして好印象。
とりあえず、邦訳も出ているLGBTQ+ものの『ファンホーム ある家族の悲喜劇』や、
コーマックマッカーシーの『ザ・ロード』。
アリス・マンローの『イラクサ』あたりから読んでみたい。
自然に関する『オーバーストーリー』は今年読むつもりだけどお高い・・・。
『We The Animals』は短めでかつAudibleにあったので聞いてみようかなと。
そろそろ収拾がつかなくなってきたのでそろそろこの辺で。
(※追記:補足記事や「読者が選ぶ100選」についても書きました)




