世界のねじを巻くブログ

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オラシオキローガによる「完璧な短篇小説を書くための10のルール」和訳の試み

ウルグアイの小説家

 オラシオ・キローガというウルグアイの小説家が書いた、
「完璧な短編小説を書くための10のルール」を翻訳してみたいと思います。

lasesana.net

もちろんスペイン語から英語に翻訳されたものを
日本語に直すわけなので、
原文からはズレてしまうかもしれませんがその辺は甘めに・・。

 

Horacio Quirogaという小説家、
ラテンアメリカ小説好きならご存知の方が多いのかもしれませんが、
僕は最近知りました。

南米小説らしくジャングルや動物などがたくさん出てきて
死がテーマになっている短編小説も少なくなかったり。

この方が完ぺきなストーリーテラーになるためのコツをまとめた文章があるので、
日本語訳してみました。

スペイン語のタイトルは「Manual del perfecto cuentista」
英語では「The Manual for a Perfect Storyteller」です。

 

(English)

  1. Believe in a master- Poe, Maupassant, Kipling, Chekov- as in God himself.

  2. Believe that your art is an unreachable summit.  Don’t dream of dominating it.  Once you can achieve it, you will be able to write the perfect short story it without thinking about it.

  3. Resist imitation if possible; but if the urge is too great, imitate.  More than anything, developing a personal voice takes a lot of time and patience.

  4. Have blind faith in your capacity to succeed, or in your desire to achieve success.  Love your art like your girlfriend, giving it all your heart.

  5. Don’t begin to write without knowing where you are going from the first word.  In a good short story, the first three lines are almost as important as the last three.

  6. If you want to express “a cold wind blew from the river,” write just that.  Once you have mastered the use of words, don’t worry whether they are consonant or assonant.

  7. Don’t add unnecessary adjectives.  Colorful words attached to a weak noun will be useless.  The correct noun will have incomparable color and brightness.  The trick is finding it.

  8. Take your characters by the hand and lead them firmly to the end, ignoring everything but the way you have plotted.  Don’t get distracted by seeing things that they cannot and care not to see.  Don’t abuse your reader.  A short story is not a miniature novel.  Hold this as an absolute truth, even though it isn’t.

  9. Do not write from under the power of your emotions.  Let the feeling die and evoke it later.  If you are able to conjure up the feeling again, you are halfway to mastering your art.

  10. Don’t think about your friends when you write or on the effect that your story may have.  Tell your story as if it only mattered to the confined world of your characters, of which you may be a part.  This is the only way to give your story life.

 

(日本語訳)

  1. 神そのもののように、エドガー・アラン・ポー、モーパッサン、キプリング、チェーホフを信じよ。

  2. 芸術は到達不可能な頂点であると心得よ。
    それを支配することを夢見るな。
    達成できれば、それについて考えることなしに、
    完璧な短編小説を書くことができるだろう。

  3. 可能な限り模倣に抵抗せよ、
    しかし、衝動が強すぎる場合は模倣せよ。
    何よりも、個人的な声を発するには多くの時間と忍耐が必要である。

  4. 成功する能力、または成功を達成したいという願望を盲目的に信じよ。
    恋人のように己の芸術を愛し、それにすべての情熱を捧げよ。

  5. 最初の単語からどこへ向かっているのかを知らずに書き始めなるな。
    良い短編小説では、最初の3行は最後の3行とほぼ同じくらい重要である。

  6. 「川から冷たい風が吹いた」と表現したいなら、ただそれだけを書け。
    単語の使い方をマスターしたら、子音であるか類韻であるかを心配する必要はない。

  7. 不要な形容詞を付け足すな。
    弱い名詞に付けられたカラフルな単語は役立たずである。
    正しい名詞は、比類なき色と明るさを持つ。
    秘訣はその組み合わせを見つけることである。

  8. キャラクターを手に取り、筋書き以外はすべて無視し、最後までしっかりと導け。
    彼らが見ることができないものを見て気を散らすな。
    読者を痛めつけるな。
    短編小説はミニチュア小説ではない。
    たとえそれが正しくなくても、これを絶対的な真実として心に留めよ。


  9. 感情に支配されて書いてはならない。その感情を死なせ、のちに呼び覚まさなければならない。それを最初の状態で呼び起こすことができれば、
    作品の半分を仕上げられているであろう。

  10. 作品を書くとき、もしくははあなたの物語が持つかもしれない効果について考えるとき、友人の反応を考慮にいれるべきではない。
    あなたがその一部であるかもしれないキャラクターの限られた世界にのみ関係があるかのように物語を語れ。
    これがあなたの物語に命を吹き込む唯一の方法である。

 

lasesana.net

文章が誡め的な内容なので、硬めな和訳にしてみました。

 

軽く補足。

・1について
やっぱり短編小説界隈では、
モーパッサン、エドガー・アラン・ポー、チェーホフは神様みたいなもんなんですね。

キプリングは上の三人と比べると日本では影が薄い気がしますが、
『ジャングルブック』や『少年キム』で有名な小説家。

 

・8について

「短編小説はミニチュア小説ではない。」

というのは、
「ただ長い話を短くしたものではない。
短編小説という別の芸術であるということを意識せよ」ということなんだと思います。

 

・9について

conjure up 【句動】
〔霊などを〕呪文で呼び出す 〔魔法のように〕~を素早く出す[作る・用意する]

 ー英辞郎より

という表現は初めて知ったような。

ところどころ直訳だと意味が通りづらいところがあるので、
軽く意訳もしてみました。
力強く言い切ると、なんかそれっぽくなっていいですよね。笑

まあこんな感じで2021年10月の翻訳練習は終わりということで。

(※間違いがあればこっそりとねじまきにDMください)

www.nejimakiblog.com