ランニング本
今回紹介するのは、アル中であり、かつドラッグ中毒だった作者が、
ランニングに新たな道を見出した様子を赤裸々に語った本。
どうやらアメリカでベストセラー入りした小説で、
キンドルアンリミテッドで読めます。
ボリュームも少なくサクッと読めるので、
中毒になるというのがどういうことか知りたい方におすすめの一冊。
アル中の心理を知れる
日本でドラッグ中毒に陥った人の本はあまり多くないので、そういう意味では非常に意義のある作品だと思います。
僕自身としては、ワインは好物ですが、あまり量は飲めないので、結局溺れるところまではいかない、という感じなのですが、
この本を通して、お酒に溺れる人の心境を知ることができた気がします笑
例えばこんな一節。
禁酒は過酷だ。瞼なしで生きているのと変わらない。位置:420
寝ようとしても全く入眠できず、なおかつ眠りを求める、という感じでしょうか。
辛そうですね。
飲酒の最良にして最悪な点は、ほかの悪習ときわめて相性が良いことだ。 位置:499
ということで、お酒だけでなくドラッグにも手を出す著者。
やっぱりドラッグがすぐ手に入る環境というのはないほうがいいのかもしれませんね。
アルコールは、巨大な情報集約サイトみたいなものだ。身体に酒を過度に入れていると、あらゆる問題が一緒くたに取り込まれてしまったかのように、見えづらくなる。位置:683
お酒に溺れるたことがないので、あまり理解できませんでしたが、
情報には溺れているタイプなので、
作者は『ダークナイト』のジョーカー役であるヒース・レジャーが薬物の過剰摂取で死んだニュースが流れ、著者が飲んだ量よりも少なかったとわかって愕然としたそう。
それがきっかけで、ランニングに目覚めます。ここの切り替えはすごいですね。
ランニングを始めて、生活からアルコールを締めだしたことで、なぜ自分がアルコールを心の拠り所としてしまったのかをじっくりと省みる時間を持てた。位置:737
ちょっと宗教チックですが、ランナーとしてすごく共感できます。
ランニングをしていると、自分の心境の変化を客観的に見ることができます。
また僕の経験からいうと、ランニングを習慣づけるとその数時間前はアルコールを摂取できないので、それがよりアルコールから離れることになる、といえるかと思います。
ただし反論の根拠をどれほど挙げられようとも、おれにとって酒を飲みつづけるのは計り知れないほどの精神の強靭さと信念が必要なことなのだから、アルコール依存症となる人間は弱いといった考えにはとうてい賛同できない。位置:874
アル中になるのも、それはそれでキツいものなんでしょうね。
アルコールに溺れるのもそれなりの身体の消耗と精神の強靭さが必要。
ちょっとしたアル中の美学さえ感じる一節です。
酒を断って、前より幸せになれたのだろうか? そうは思わない。おれは飲酒の達人で、それ欲しさで身ぶるいして目覚めるほど好きな酒を飲み、なかでも最上のものを手にバーのスツールに腰をおろしていた。 位置:884
作者自身が過去を振り返って、あまり中毒者であった時代は後悔していないもよう。
これはこれでよかったんでしょうね。
前半はひたすらアル中患者の独白が続くので、
正直めちゃ面白いかといわれると、そうでもなかったりもします。
どちらかというと興味深い、という感じですね。
「アメリカでベストセラーとなった」という事実は確かなものであり、
おそらくはこの独白に共感できる人が多かったんだと思います。
アメリカもいろいろ問題を抱えてますね。。
アル中と聞いて心当たりのある人は、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
ザ・ロングラン 人生を走り出す日まで (Kindle Single)
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ランニング中毒の道へ
後半は著者がランニングにハマっていろんなレースに出場するなんだかんだランニング中毒、ってのも脳内麻薬的な意味ではドラッグ並みににやばいものかもしれません。
みなさんもせっかくのランニングシーズンなので、ランニング中毒になってみてはいかがでしょうか。
ポッドキャストやってます! ランニングについても熱く語ってます。
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