【万葉集ブーム】
現在、世界一周旅行中のねじまき(@nejimakiblog)です。
今回紹介するのは、奈良大学文学部教授の上野誠さんの『美しい日本語が話せる 書ける 万葉ことば (幻冬舎単行本)』という本です。
どうやら日本では令和の影響で、万葉集がブームとのこと。
せっかくなので、以前セールで購入して積読していたこの本を読んでみました。
【旅行に関しても】
万葉集に使われている「万葉ことば」からあらゆるワードが選ばれていますが、
現在、世界一周旅行中ということで、旅行に関する箇所を少し紹介してみます。
例えば 「草枕」ということばに対して、当時の「旅」の背景がかかれていました。
古代において旅は楽しいものではなくて、苦しいものでした。
うっかりすると野宿をしなくてはなりません。
草を枕にして寝るとは、苦しい野宿からイメージされた言葉なのです。位置:589
旅の歌の主たるテーマは、ずばり別れです。
古典の旅は苦しい旅ばかりですが、そのなかでも一番苦しいのが妻との別れです。
ですから、草枕という枕詞が使われると妻との別れが一番はじめに想起されました。 位置:593
日本国内の旅であっても、当時は死を覚悟してする行為だったようです。
寝てれば到着する現代とは大違いですね。
また、 「石枕」とは、旅先での死を暗示する、つまり、
石を枕にするということは、山野や路上で死んでしまう ということらしいです。
古代では旅も命がけだったことがはっきりとわかる言葉です。
僕も先日、ブラジルで強盗に襲われたばかりなので、ちょっと気を付けようと思いました。
基本的に、古代における旅というものは、男性がするものでした。
位置:961
考えてもみませんでしたが、当時、女性は旅行することはなかったんですね。
確かに当時の女性の紀行文ってあまり聞かないような。
古代の旅というものは、その土地土地を通過してゆくごとに、その土地土地の神に許しを乞うことを繰り返すものでした。
だから、たくさん「くま」があっても一つも落とさずに振り返ったとか、捧げものをして祈ったとか歌うのです。位置:1550
なるほど、お地蔵さんが山のなかにたくさんあるのもそういうことなのか。
また、「くまなく探した」の「くま」はこの万葉言葉が語源だそうです。
昔から なぜ「熊なく」なのかとずっと思ってましたが、
どうやらベアーのくまではないようです。
今回紹介したのはたった一例にすぎませんが、
千年以上前の万葉言葉が、今の時代にもしっかり根付いていると思うと感慨深く、日本語の歴史の深さを改めて思い知らされます。
「アハ体験」が味わえる一冊でした。
気に入った万葉ことばとしては「世のことわり」「さわけし」「をとめ」 あたり。
日常生活でもジョークみたいに普通に使えそうですね。
このブログでもさりげなく万葉ことばを使えれば、と思います。
【古典が好きな方におすすめ】
万葉集に関する本といえども、学術的な本ではないので初めての方にもおすすめです。セールで200円ほどで購入できたので(今は950円になってますが・・)機会があればぜひ読んでみてください。
- 作者: 上野誠
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2017/11/08
- メディア: Kindle版
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