【ミスチル本】
ミスチルの音楽論を語る一冊『Mr.Children 道標の歌/小貫信昭』。
なんだかんだミスチルのみを語る音楽本はあまりないので、
貴重な一冊。
さっそく読んでみたので、書評的なものを書いてみたいと思います。
感想・レビュー
ざっくりと印象に残った部分をまとめてみました。
・初期の名曲「Replay」について
いきなり聴こえるサビの歌詞には現在の二人の気持ちが描かれていて、
そこからAメロ・Bメロで時間を遡って〝リプレイ〟していくという仕組みがある曲とのこと。
言われてみれば確かにそうで、初期からこんなひねった曲作るのはすごいな、
と素直に驚きました。
・初期からCROSS ROADでヒットするまで
デビューからミリオンまでの苦労を書く前半部分だけでも十分に元が取れるぐらい
素敵です。
そこから「Inoccent World」までの流れも最高。
・インスパイアされた洋楽が紹介されている
有名なシンディローパーからの刺激や、
その他桜井和寿さんが影響された洋楽がエピソードとともに紹介されてます。
個人的に嬉しかったのが、
U2に関する言及が多かったこと。
洋楽アーティストの中でも一番多かったのではないでしょうか?
桜井和寿さん自身、U2の「Like A Song」を聞いて衝撃を受けた、
的なことを言ってた気がしますし。
U2初心者におすすめのアルバム5選 - 世界のねじを巻くブログ@世界一周
ほかにもブルース・スプリングスティーンも何度も登場してましたね。
・小林武史のプロデュース
あとなによりプロデューサーの小林武史さんについてもバッチリかかれていること。
初期のあたりの面倒見の良さはさすがに
U2もブライアンイーノやダニエルラノワとタッグを組んできたのと同じく、
ミスチルもコバタケさんがいなかったなら存在しなかったバンド。
そこ関連のエピソードもめちゃ楽しめます。
・曲作りの過程
メロディーから歌詞まで、
「どうやってこの曲が出来上がったか」という部分についても
けっこうな文章を割いて書かれているので、
作曲家やDTMerの方はすごく刺激をもらえるのではないでしょうか?
日本を代表する桜井さんといえども、
あらゆることをメモしてストックしているのは意外でした。
DAWはPro Toolsを使っているらしいです。
・制作スタジオについて
収録したスタジオの様子・背景なども書かれていて、
「へぇ~」と感心しながら読んでました。
特に烏龍舎設立の
海外スタジオから貴重なアナログ機材を受け継いだというエピソードは
初めて知りました。
新作『SOUNDTRACKS』の制作の様子もちょっと書かれているので、
ニューアルバム発売前に読みたいですね。
「みちしるべ」というタイトル通り、
ミスチル初心者にも歴史がわかりやすく書かれていて、
不満点としては、
DISCOVERYのアルバム関連の話が飛ばされてる感じがした点。
「終わりなき旅」の誕生日秘話に話を割かれすぎてる印象を受けました。
個人的に一番好きなアルバムなので、 サッと通り過ぎたのはちょっと寂しかったかな。
(もちろんそれも良かったのですが!)
公式が認めるミスチル本って、
『es』『優しい詩』ぐらい?なので、
けっこう本作は貴重な存在かと。
ミスチル本の『道標の歌』なう。
— ねじまきラジオ🌎世界一周 (@nejimakiradio1) November 18, 2020
冒頭は学生の頃の結成ストーリーから最後はコロナや最新作のSOUNDTRACKSにも触れてて、なかな
か濃い内容。
田原さんが桜井さんにU2のレコードを渡すエピソードなど細かい部分も入ってるのでファンの方はぜひ。#SOUNDTRACKS pic.twitter.com/JvrGu0nHyM
Kindle版もおすすめ
最新アルバム『SOUNDTRACKS』の発売も控えている
ミスターチルドレン。
昔からの往年のファンなら読んで損しない内容になってます。
電子書籍のキンドル版でも読めるので、
ミスチルファンの方はぜひチェックしてみてください。

- 作者:小貫 信昭
- 発売日: 2020/11/19
- メディア: 単行本