文法ミスから文化理解まで
最近みつけた、英語学習についてのページが良かったので紹介。
ワシントン州立大学のウェブサイトに掲載されている「英語のありがちな間違い」をまとめたリスト。
・Common Errors in English Usage
例えば「ethnic」(エスニック)という語句について。
ethnic | Common Errors in English Usage and More | Washington State University
It’s misleading to refer to minority groups as “ethnics” since everyone has ethnicity, even a dominant majority.
(拙訳): マイノリティーの集団を"エスニック"とするのは間違いである、
なぜなら大多数のマジョリティーでさえ、エスニック性を持っているからだ。
・・・と、読者の倫理観をたしなめるような文章もあり、
文化理解みたいなのをきちんと織り込んでいるのが良い。
次に「antihero」(アンチヒーロー)というワードについて。
In literature, theater, and film, an antihero is a central character who is not very admirable: weak, lazy, incompetent, or mean-spirited. However, antiheroes are rarely actually evil, and you should not use this word as a synonym for “villain” if you want to get a good grade on your English lit paper.
(拙訳): 文学、演劇、映画において、アンチヒーローとは、弱い、怠惰な、無能な、意地悪など、あまり称賛に値しない主人公のことを指す。
ただし、アンチヒーローが実際に悪であることはほとんどない。英語の論文で良い点を取りたい場合は、この単語を「悪役」の同義語として使うべきではない。
なるほど、簡潔でわかりやすいなと。
一回読んだら用法を覚えられる気がします。
最後にひとつ、「fluke」(まぐれ)という言葉の解説。
A fluke was originally a lucky stroke in billiards, and it still means a fortunate chance event. It is nonstandard to use the word to label an unfortunate chance event. There are lucky flukes, but no unlucky ones.
(拙訳): 「まぐれ」は元々、ビリヤードにおけるラッキーな打球であり、今でも幸運な偶然の出来事を意味する。不幸な偶然の出来事にこの言葉を使うのは標準的ではない。幸運なまぐれはあるけれど、不運なまぐれはないのだ。
語源にも触れていたりして興味深い。
どちらかというと、英語を第二言語として学習する人向けというよりも、
アメリカのネイティブスピーカーに向けてのガイド。
ユーモアまじりに短くまとめられているので、読み物としても面白い。
日本人が"よくまちがえる"方向とは多少のずれはあるかもしれないけれど、
ざっと見てみた感じ、日本人の英語話者にも十分役に立つ内容かなと。
・・・英語に堪能な方や翻訳家の方でも、きっと読んで損はないはず。
あっちの人たちでもこれら言葉の使い方を間違えるなら、
日本人としてはとても勇気づけられるような(?) まとめだなと笑
非ネイティブに最も必要とされているのは「気にせず話す勇気」なのでこんな細かいことは気にしなくてもいい気がするけれど、
読んでおくとネイティブが「あれ?」と思うような細かい間違いは減っていくかもなのでおすすめです。
筆者は Paul Briansという方で、
ちゃんと書籍で発売もされているので、興味のある方はKindle版もよければと。