世界を変えたさまざまな社会運動
とあるきっかけで読ませてもらった抵抗運動に関する一冊。
『プロテストってなに?/ アリス&エミリー・ハワース=ブース (著』。
世界中の社会運動やその歴史をまとめた本です。
自由とは「ほかでもない自分自身こそが自らを導いてくれる存在である」
と気づくことー ダイアン・ナッシュ 公民権運動家
という引用からはじまります。
感想・レビュー
世界中のありとあらゆる抵抗運動が紹介されているので
個人的に印象に残ったものやクィアなもの中心に紹介したいと思います。
はじめの章の"歌う革命"としてあげられていたのが、
・「ごみ箱の音楽」 シリアのダマスカスの町中に知さなスピーカーを仕込んだ話
警察をは音楽を止めるために走り回るハメになったそう。
・「プッシーライオット」ロシア・モスクワのフェミニストたちのパンクバンド
ロシア正教会に踏み込み演奏して話題に。
LGBGTQ+のプロテストとしてこれほどパンクなのは他にはないかと。
最近NHKのドキュメンタリーでも紹介されててびっくりしました。
"植物を育てる"、という抵抗運動もあるらしく
・「グリーンゲリラ」
→使われていないNYの街の片隅をコミュニティーガーデンにする活動。
"読書による抵抗"
・「黙って読書することでの抵抗活動」@タイ
・「レズビアン・アベンジャーズのガイドブック」
1992年 ニューヨーク 「自分の手で革命を起こすための手引書」
・「沈黙の春」ももちろん紹介されてました
”「なにもしない」”という抵抗
・「仮病」 ナチスドイツの仮病を使って原爆の完成を遅らせたという話
"交通手段"
・「ご自由にお通りください」
→地下鉄の改札口を開け放して鎖で固定した話@NY
・日本の岡山県のバス会社の事例
運賃無料ストライキ。
これも興味深かったですね。(知らなかった)
・チリの「のろのろ運転」
これは地味に効果的なやつ。
スポーツ関連ももちろん。
・「表彰台での抗議」 メキシコ五輪 1968年
そういう方法もあるのか!
というような事例がたくさんあるので、
なにか不満や怒り、訴えがあるかたはにはぜひ読んで欲しい一冊。
LGBTQなアクティビズムが最後のほうにもたくさん紹介されてて◎
・「 シップ・イン(Sip In)」
1966年、ニューヨークで当時はゲイにアルコールを提供するのが禁止されていたというのを逆手にとり・・・。
・「ストーンウォールの反乱」はもちろん紹介されてました。
(実際には「ドーナツライオット」が初の抗議運動とは言われてますが)
・「草間彌生のゲイウェディング」@ニューヨーク
・エイズ アクトアップ
ACT UP運動
・「メールでのスパムによるデモ」
インターネットの古典的な手法も大人数でやれば効果的。
・サラ・マクブライド
トランスジェンダー セルフィーで話題を呼んだ話
映画「パレードへようこそ」の元ネタにもなった
・「同性愛者たちが炭鉱夫を支援」@ロンドン 1980年
・「虹色に見えるように整列」したというのも有名@ポーランド 2020年
・「トイレでの座り込み」@ノースカロライナ 2016年
などなど興味深い事例ばかり。
海外の活動家が行ってきたクリエイティブな抗議をこれでもか、と見せてくれるので、
「なにかしなきゃ!」と思わせてくれる一冊でした。
多種多様なプロテストをまとめた本って、今まであるようでなかったので、
マイノリティーの同志にはぜひ読んでいただきたいな~と思って紹介してみました。
168ページとコンパクトにまとまっているところもよかったです。