世界のねじを巻くブログ

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KFC:映画『グリーン・ブック』を観た感想【ネタバレなし】

【Green Book】

現在、世界一周旅行中のねじまき(@nejimakiblog)です。
アカデミー賞にノミネートされた『Green Book』をモロッコの映画館で鑑賞。

ゲイ映画『ムーンライト(Moonlight)』の俳優マハーシャラ・アリが出演している、
かつ実在のジャズピアニストの話だという話を聞いて、「これは見ないわけにはいかない」と楽しみにしてました。
モロッコでは、50MAD = 580円ほどで見られるので、単純計算で日本の3分の1の値段で映画を観られるのでびっくり。

【レビュー・感想】

あらすじとしてはざっくりこんな感じ。

黒人ジャズピアニストであるドクター・シャーリーに
無教養なイタリア系の白人男性トニーが運転手として雇われ、
アメリカ南部をめぐるジャズのツアーを共に過ごす、という話。

 
人種差別が当然のようにはびこる時代の設定だということで、
シリアスなものかと予想していましたが、わりかしユーモアたっぷりの作品。
良い意味での二人のぶつかり合いが見どころです。


ユーモア溢れる、といえども、
似た設定としてパッと思い浮かぶ最強のふたりとはまた違ったテイストの映画で、
もちろんシリアスな場面もいくつか含まれてます。

『ムーンライト』 でアカデミー助演男優賞を受賞した、
マハーシャラ・アリの演技が今回もすごい。
怒りを抑え込んだ、あの達観したような表情はなかなか出せないでしょう。

ちょっと調べてましたが、
マハーシャラアリは、『ムーンライト』で史上初のムスリムとしての受賞だったんですね。
黒人仲間内でのLGBT差別を描いたという点も含め『ムーンライト』ってとんでもない映画だったんだな、改めてと思います。

 

また、ピアニストのストーリーということで、
音楽の選曲が見事。

Green Book Soundtrack - "I Feel Fine" - Kris Bowers - YouTube


古き良きロックンロールから、ジャズ ブルース クラシックまで、
『君の名前で僕を呼んで』と並ぶぐらいのハマり具合でした。

「60年代なのに、リトル・リチャードもアレサ・フランクリンも知らないって
どんな育ち方してきたの!」
っと突っ込みたくなりましたが、それほどお育ちがよいということなんでしょうね。

 

ひとつ残念だったのは(自分が悪いのですが)、

運転手の役目を引き受けるトニーが、イタリア系の設定なため、
イタリア語での会話の場面が何度かあったこと。

かつ、モロッコでは字幕はフランス語なので、
いくつかの場面は全く理解できず。

アフリカ大陸に来ると、どうしてもフランス語ができない壁の厚さを感じますね。。

ネタバレなしなので、具体的には書きませんが、
同じマイノリティとして(黒人じゃなくてゲイ/同性愛に関するものですが)、
心の琴線にグッと触れる場面がいくつかありました。
事実に基づいた話らしいですが、あんな露骨な差別はうんざりですね。
 

色々書きたいことはありますが、
「ケンタッキー・フライド・チキンが食べたくなる映画だ」
ということだけは書いておきます。
ケンタッキー州のKFCって、今も現存してるんでしょうか。

※追記(2019.2.28):アカデミー作品賞を受賞する快挙。批判もあるようですが、個人的には十分にオスカー受賞する価値のある作品だと思います。

【日本でも公開予定】

いかがだったでしょうか?
人種差別という重いテーマの映画ですがあえて小難しくせず、
真剣なところはシリアスに、他の場面では笑いを誘い、と
バランス感覚が絶妙な一作だと感じました。

『グリーンブック』は日本でも3月に公開予定とのことなので、
ピアニストや音楽好き、旅行好きの方は必見です。

ポッドキャストやってます。映画についても熱く語ってます。

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