万博の振り返り
大阪万博が閉幕まであと一ヶ月を切ったので、実際に行った感想や、良かったパビリオンをまとめていきます。(※注:長めの記事になります)
[家族・ソロ・ソロ・友人]と計4回行って、あとは9月末と最終日にも行く予定。
東京都民も、大阪府民も、京都市民も、冷笑系の人も、維新支持者も、万博スタッフの方も、色眼鏡なしに N=1の感想として読んでほしいなと。
感想まとめ
箇条書きでレビュー的なものをざっくりと。
まずはとりあえず思ったことをあれこれ書いていきます。
- 大屋根リングの規模は正直想像以上だった。
- パビリオンの建築のクオリティはかなり高い、予算が限られていてもなんとか工夫してる感じがあって万博だなぁと。(未払い問題さえなければ・・・)
- 予約のログインめんどくさすぎる
 → けれど、おじさん、おばさん世代の良いスマホ教材にはなった気がする。
 あれに慣れた人はややこしいシステムへの耐性が付いたのでは?
- 暑い暑いと夏は外にも出ない母が、一日中朝から歩き回っていて、ミャクミャクグッズを集めているらしい。(まだまだ元気だと思った)
 →そういう意味でミャクミャクのデザインは大成功かと。
- 入場のルールや予約の方式が変わったりするのは愛知万博でも同じだったから、まあ仕方がないと思う。
- パビリオンのコンセプトの重要さ
 →そもそもコンセプトがずれていると、どれだけお金をかけてもパビリオンや展示のクオリティに結びつかない
- お客さんの視点に立てるかは本当に重要。(ベ〇ギー館の担当者見てます?)
- 外国人スタッフもだらだらすることなく、テキパキ働いてたと思う
- ブラジル館がだいぶ早めに切り上げて終わるの好き (早く帰ってみんなでパーティーしてるんだろうか)
- スタッフの方は国内・海外問わずみんな対応が良かった
- 万博と関係ない場所でEXPO関係のスタッフに二度ほど出会った(アメリカ・台湾)のでやっぱり相当な数の人が国外から来ているんだなと実感。
- 万博スタッフ寮(?)の内情とか聞くとオモロだった
- 50年前の大阪万博ではナショナル館が大注目だったらしく、父がまずナショナル館(パナソニック館)を探していて面白かった
- (前回の大阪万博と同じく)吹田のエキスポシティ周辺で開催だとどうなったんだろうね?
- これだけ色んな国が集まってわいわいしてたら、みんな仲良くできそうな気がしてくる。そういう(理想論者)
- 万博では"未知のものに触れた時、素直に楽しめる能力"は大切。
- 事前予約なし、全落選でも全然楽しめる
- どこかしらでイベントをやりまくっているので、ジャズの演奏を楽しんだり、ムエタイショーみたり、合唱団の歌を聴いたり、科学ショーをみたり、楽しみ方は人それぞれ。 (本日13日の柔道イベント見たかった、フランスのリネール選手や野村選手も来たらしい)
- トランプ政権以後にアメリカ館が作られていたら、大きく内容は異なっただろうなぁとみながら思った
- やっぱりちゃんとパビリオンや展示を仕上げてきた国は、きっちり国としての株をあげている気がする。(確かドバイ万博の日本館はかなり評判良かったんだっけ)
- 心に残るのは、やっぱり人と人とのふれあい。コモンズ館はそういう意味で成功していた。
- ユスリカが騒がれた一週間後に訪れたけど、全然羽虫を見なかった。結局どうなったんだっけ?
- ドローンはやっぱりインパクトあり。(西←→東の上空での掲示はなるほどなと)
- パビリオンの建築の場所はどうやって決めたんだろう、オークション方式?おみくじ?
- それぞれの国がインスタグラムなどSNSでPRしてたりするのが興味深かった。アメリカ館はやっぱりSNSに慣れてるな~と。
- 万博に携わった人、建築家やアーティストがTwitterで意図やファクトチェック的なことをしていて、よくも悪くも現代的だなと思った。今までだと裏方に徹する感じだったのが、観客との交流がある感じはなんか新鮮。
- インドネシア館の「進んでクダサイ」コールとかSNSでのバズが現実とリンクしているのも面白かった
- 「ステレオタイプに沿う展示 or 意外性をみせる展示」で分かれているように思えたけど、大きく印象を覆せないなら、無難にお客さんの求めるステレオタイプに合わせた方が良かったのに、と感じる展示が多かった
- パビリオンや展示の評価は人によって全然違うのが興味深い。
 "人には人の大阪万博。"
よかった点
万博関連で良かったなと思ったことをあれこれ。
- 色んな国の料理が食べられるのはやっぱりありがたい
- ミャクミャクのデザインは大成功だと思う。一発でわかる赤青ビジュアルの強さとコンセプト、ネーミングへの一致。
- 電通の影響力少なめでも十分開催できたのはいい経験だったのかなと。
- 東京人が大阪人を下に見てる感じが少しは改善されたような気がする(被害妄想)
- ウクライナとかガザのあの展示が許されるのは良いなと思った。(綺麗に済まさないところ)
- オープン当初から飲食物持ち込みOKだったのは英断。(愛知万博の開始当初は一切NGでかなり叩かれてた印象)
- 比較的お手頃な価格のフードもそれほど並ばず購入出来るのは◎
- 熱中症対策、できる限りのことはしてたと思う。救護隊も広い会場なのにわりとすぐに来ていたり好印象。
- 大屋根リングもしなかったら休む場所がなく、結構キツかったかもね。
- あまり言いたくはないけれど、大阪万博の情報を得るのに一番役に立ったのはTwitter(X)。やっぱりユーザーの多さは強し。
- 関西圏のお金の巡りがよくなっているのが体感的にわかる(IR前後でどうなるかは知らない)
- 中央にある「静けさの森」もわりと規模が大きくてちゃんと"森"だった
- グラングリーン、TimeOut Marketあたりは大阪万博の勢いがなかったら成し得えなかったかも?(万博と合わせて訪れてほしい)
- トイレの数がわりと多くて、男性ならまず困ることはないかと。
- 無料給水所があったり、自動販売機の飲み物もそこまで高くないのが助かった
- 行列、人混み、待ち時間に耐性がついた (町のラーメン屋に1時間並ぶとかwwと他人を笑えなくなってしまった)
行った人の意見として「思ってたよりは良かった」という人が多いんじゃないかなと。
ネガティブな事前情報ばかりみていたので、"ハードルが下がっていた"のも逆に良かったのかも。
悪かった点
いまいちだったな、とか良くなかった点を忖度なしにあれこれと。
(※あくまで個人の感想です)
- 入場のペットボトル検査、あんまり意味が感じられなかったので省略してよかったと思う。荷物検査自体はスタッフがかなり素早く捌いていた気がする。
- 全体的に待ち時間がわかりにくかった、目安だけでもユニバみたいに看板に書いてほしかった。
- 万博期間のホテル高すぎ。自分はもちろん関西在住なので泊まってないけど、京都のインバウンドも相まってビジネスホテルもすごい金額に。なので滋賀県までその波が波及してたりとかしているらしい。
- 夏の暑さ。今年が特別だったのは仕方がないけれど、2040年とかどうなってるんだろう?とりあえず2030年のサウジアラビア万博のお手並み拝見。
- 反面、信じられないと思うけど、5月の万博は"寒かった"(これマジ)ので、ホットコーヒーを飲める場所がもっとあると良かった。
- 良くも悪くも国際的な大型イベントをするとこういう感じになる、という面を目の当たりにするので、まあ一つの経験としては・・・。
- "利権ゼロ"を唱えるほどピュアじゃないけれど「ケーキにアリが群がる」のを見聞きするのはなんだかな・・・
 → それでも東京五輪よりはまし、、なのかな?
- 予算増額増額、が当たり前になりすぎの構造から見直せないのかな?
- トラブル対応は全体的にわりと早かったように思う
- パビリオン建設費の未払い問題、このまま放置するなのは最悪なのでなにか手をいれてほしい。
- 技術が成熟してしまっているので、パッと見で驚くことができるものが少なくなってきている気がする
- 現代はハード面よりもソフト面の方向に進化のベクトルが向いているので、ビジュアルでの伝わりづらさがあると思う
 →そういう意味では大屋根リングとドローンショー、アオと 夜の虹のパレードは成功してた
- SDGsとかワクチンとか、ある程度ブームが収まってしまった展示を何度もみると "居心地の悪さ"みたいなのを正直感じてしまった (環境保護は大切だと思うし反ワクチンでもないけど)
- 反面、LGBTQやジェンダーに関する展示はかなり少なく感じた。
- 「愛・地球博」みたいなかわいらしい呼び方があってもよかったかも?
- カジノ・IR前提で進める感じ、結局このまま強行突破するんだろうけれど、
 沖縄、横浜、大阪どこかが引き受けないとアメリカから色々言わるんだろうし、まあ大阪が引き受けたと考えると・・・。
 負担を考えると今後が怖いし大阪府民が不憫でならないけど。
- 企業パビリオンに人気が集中するのはわかるけど、"早い者勝ち"な傾向が強すぎるシステムは改善すべきところがあったと思う。
- 終盤はもはや駆け込み客が多すぎて、思い描いているような入り方はまずできないし、簡単ににはおすすめできないな…というのが正直なところ。
- 日本館、最終締め切りが早すぎてもうちょっと頑張ってほしかった
- 関西圏はともかく、それ以外のエリアへのPRがあまりうまくいってるようには思えなかった。
 →…と思ったら「関西と海外」に絞った広告施策をした的な記事を読んだ
- その割には外国人観光客っぽい人は「ぼちぼち」という感じ。
- メキシコの友人とメキシコ館に行こうとしたら、そもそも万博から撤退していてがっかり
- 実際に僕の海外の知り合いも迷ったあげく、万博ではなくUSJに行っていた。
- 愛知万博の「日立グループ館」を越える感動はなかったかなぁ(思い出補正込み
 →シグニチャーパビリオンにもっと行けてれば意見は変わってたかも。でもどのパビリオンも質が高かった
(※なんか思いついたら、行列並んでいる時などにどんどん追記していきます)
間違いや指摘があれば遠慮なくコメントいただければと。
・・・ということで、お待ちかねの「行って良かったパビリオン」ランキング。
よかったパビリオンランキング
ネタバレをするとあれなので、軽い一言感想ぐらいにとどめておきます。
1位:クウェート館

冒頭から五感を通じての楽しさあり、
展示もうまいし国の特色もすぐ理解できるのがよかった。
普段、地理的にも文化的にも距離のあるはずの国なのに、
なんのハードルも無く楽しめたのはすごいことだなと。
パビリオンの外観も未来館あって◎
中東の国のパビリオンは、お金がかかっているおかげか、どれも印象的だった。
2位:中国館
個人的には一番「お手本万博パビリオン」感あったと思う。

歴史、文化、自然、宇宙、色んなジャンルから、
最新テクノロジーを用いてわかりやすく展示していてとても好感が持てた。
どれも完成度高く、減点するところがあまりないという感じ。
もう少しだけ、遊び心あればよかったかも?
「月面土壌サンプル」や国宝級の展示があったりも。
海外パビリオンでは面積的に最大級なんだとか。
ちなみに大人気SFの『三体』グッズも売ってたらしく、普通に見逃したのが悔しい。
3位:ドイツ館
「優等生が親しみやすい展示を作ろうと工夫してできました!」という感じのそれ。
入口でもらえるカービィみたいなキャラクターを、
みんなが耳に押し当ててオーディオの説明を聞いてたのがかわい面白かった。

名前が"「サーキュラー」ちゃん"ということで、
どストレートすぎるのもドイツっぽくて好き笑 
どれも「真面目か!」とツッコミを入れたくなるぐらいの情報の密度だけど、
そこは真摯な姿勢が伝わってきて好感。
レストランは行ってないけどかなり良さげだった。
ビールをステージ横ですぐ購入出来たのも◎
ショーみたいなのも多めにやってて好印象。
最後、ごろごろとサーキュラーくんを転がして返却するのも体験として上手いなぁと思った。
(愛知万博のときのドイツ館(水滴型ライド)も人気パビリオンだったよねそういえば)
4位:ハンガリー館
美しいガラス細工の展示を過ぎると、暗い部屋の中へ。
中央に女性がいて、ハンガリー民謡?を生の歌声を目の前で聞く迫力。
やっぱり生歌はいいね!短い間だったけど感動した。
出口にある映像もかなり力入っていて綺麗だったので、足を止めて見てほしいなと。
友人は「ただ歌ったはるだけ、もう終わりなの?」という評価。
5位:ブラジル館
手前の現代アート的なものは評価が分かれるだろうけれど、
奥の映像コーナーは日本政府の協力も入っていて、なかなかクオリティー高かったと思う。
顔のペイントもわいわい楽しんでる子供が多かった。
ディスプレイのポスター?みたいなデザインもどれも目を引いて、おしゃれだった。
いまいちだったパビリオン
※あくまで個人の感想です。
ベルギー館
ボタニカルな入口はすごくよかったのに、そこからワクチンについてのあれこれがちょっとしつこく感じてしまった。
反ワクチンではないけれど、今の万博で見たい内容ではなかったかなぁ。
屋上の景気と、ビールとテイクアウトフードはかなりおすすめ。
レストランは行ってないけど、かなり評判良いらしい。
北欧館
ノルディックサークルということで、3国での展示なこともあり
コンセプトが広すぎて定まってない気がする。
なんというか「環境文化祭」って感じ。
バルト三国館の方がはるかに楽しめたかなぁと。(後述)
チリ館
個人的に期待していただけに、単純に見どころが少ないなと思った。
中央部のワインの試飲もかなり人数絞られているし。
実際に行って「もっと面白い国だ」というのを知っているので、もうちょっとカルチャーや現代の様子に寄せた内容にしてほしかった。
アメリカ館
パビリオン自体は決して悪くはなかったけど期待しすぎた感。
冒頭で「アメリカで留学/就労して夢つかんでます!」的なエピソードを見られるけれど、トランプ政権のあれこれをニュースで見聞きしながら行くと、色々思うところがあった。
宇宙関係の展示はもう少し派手にしてもよかったかも?
(青で埋もれてもったいなかった気がする)
ロケット発射の演出は素直にかっこよかった!
月の石は、向き合う時間が短すぎて感動する暇もなかった。
(50年前行った人は感動もひとしおだったかも)
パビリオンを出た後の学生たち?のソウルフルな合唱団はかなり良かった

オータニさん。
隠れ優良パビリオン
あまり話題にならないけど個人的によかった国。
コロンビア館
ガルシア=マルケスが『百年の孤独』を打ち込んだタイプライター(実物)を見て感動。(けれど、ほとんどの人はスルーしてたし、スタッフもハイハイ次つぎ、という感じ)

映像のクオリティも結構高めだったと思うし、コロンビアのことが色んな側面から理解できる展示だったと思う。
フードも珍しいコロンビア料理「レチョナ」が食べられてよかった!
なかなかいけない国の魅力を知れるのは万博の醍醐味。
スペイン館
合格点の(そんなものはないけれど)70点をしっかり取りに行った、みたいなパビリオン。
海洋国としての展示や、江戸時代からの日本との強い結びつきを強調した内容。
位置的にも、西ゲートからの一発目パビリオンとしておすすめ。

ビジュアル的にも飽きさせない工夫が。
あまり混んでないのも好印象。スタッフも明るい感じで良かった。
そういえば、ポルトガルとかスペインとかバーレーンとか、水環境をコンセプトにしたパビリオンが多く、
そういえば大阪は世界有数の「水の都」だったよなぁと改めて思う。
お土産やフードコーナーも良さげだった。(最後ワイン飲みに行きたい)
チュニジア
北アフリカの国、ジャズの「チュニジアの夜」ぐらいの印象しかないけれど、
展示が見所多くて楽しめた。
お土産コーナーのお皿も素敵で思わず買いそうになった。
「チキンタコス」(?)的なフードもお値段お手頃で美味しかった。
アフリカ圏の国では一番よかったかな。(そういえばモロッコ館ってなかったような)
バルト三国
薬草の展示、自然を楽しむ生活感、キノコ狩りをしたりピクニックをしたりするライフスタイルを伝える映像が素直によかった。(単純に自分が憧れているのもあると思う笑)

そこまで混んでないので、夕方ごろ癒やされに行くのがおすすめ。
ゆっくり見れなかった映像もあるので、終幕までにもう一度みたい隠れパビリオン。
コモンズ館
色んな国が集まって展示をしている「コモンズ館」。
どのパビリオンも入れなかった、という人はここに入ればそれだけでも楽しめるはず。
キルギスの絨毯をみたり、

コソボの兵士と柔道家が訓練している映像をみたり。

ウクライナ、イスラエル、パレスチナもあるのも色々考えさせられた。

アオと 夜の虹のパレード
水にプロジェクションマッピングで映像を映すタイプのショー。

さすがに規模がでかいので、一度見ておくといいかも。離れててもわりと見えます。
・・・長くなってきたので、そろそろこの辺で。
色々問題があったり叩かれながらも、あと1カ月で閉幕。
みなさんの大阪万博に対する率直な感想を聞いてみたいなと!
まだの方は、雰囲気だけでも味わいに行ってみてください。