世界のねじを巻くブログ

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2020年に心揺さぶられたKindleの電子書籍10選

キンドルおすすめ本 in令和二年

令和2年に読んだおすすめのKindle本をまとめてみました。
毎年恒例のブログ記事、読書好きの方は読んでみてください。

Kindle本を買い漁る人だけにわかる"電子書籍あるある" - 世界のねじを巻くブログ

まずは旅行に関する本から。

弱いつながり 検索ワードを探す旅 / 東浩紀

弱いつながり 検索ワードを探す旅 (幻冬舎文庫)

弱いつながり 検索ワードを探す旅 (幻冬舎文庫)

  • 作者:東浩紀
  • 発売日: 2016/08/05
  • メディア: Kindle版

コロナ禍で旅行ができない中、
改めて"旅行をする"とはどういうことなのか
僕なりにいろいろ考えた一年でした。

そんな中見つけたのがこの一冊。

とはいえ、ぼくたちはもうネットから離れられない。だとすれば、その統制から逸脱する方法はただひとつ。  
グーグルが予測できない言葉で検索することです。 
位置27 (Kindleでのページ位置)

 観光を「検索ワードを増やす」ためのもの、という考え方は僕にとって斬新でした。

だから勧めたいのは、第三の 観光客タイプ の生き方です。  村人であることを忘れずに、自分の世界を拡げるノイズとして旅を利用すること。旅に過剰な期待をせず( 自分探しはしない!)、自分の検索ワードを拡げる経験として、クールに付き合うこと。 位置360 


偶然性に身を曝し、普段の日常では出会えないものとの
"弱いつながり"をつくっていく。

 それが旅の本質なのかもしれません。

あ、旅関連本でいえば『WIRED(ワイアード)VOL.38』 の特集も良かったです。

 

アフターコロナの旅行業界を予想してみる - 世界のねじを巻くブログ 

 

あの素晴らしき七年 / エドガル・ケレット

 TANさんとポットキャスト収録した際に教えて頂いた、
イスラエルの作家によるエッセイ。

…そんなことしても時間と金の無駄だよ。あと二ヵ月で町全体がすっかり消滅させられてしまうなら、修理したって意味ないだろ?」

位置903 

何気ない会話からも、
市民のみんなが"戦争とのつきあい方"
知っていることが伺いしれます。

ユーモアのすぐ隣には、戦争の影が落ちていて
笑っていいのか迷う場面もあるほど。

シニカルな著者の視点にはたくさん学ぶものがあったかと。

イスラエル文学はあまり読んだことがないので、
他の著作も読んでいきたいと思います。

『シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選』も寝る前に読んでますが、
これまた良い感じなのでまた別の機会に紹介する予定です。

やる気あり美のTANさんと超・雑談回 Part1 | 世界のねじを巻くラジオ

 

生活の発見 / ローマン・クルツナリック

生活の発見

生活の発見

 愛、家族、仕事、時間、お金、感覚、旅、自然、死生観など、
あらゆる視点から人の生活を見つめなおす一冊。

以前ポッドキャストでも少しだけ話したことがありますが、
歴史を振り返りつつ、そこから何を学ぶのか、
そんな示唆に富んだ一冊です、

バラは近代まで見た目ではなく主に香りを楽しむために育てられていたという話や、
中世において、墓場は子供の遊び場だった、とか興味深い事実がたくさんちりばめられてます。
宗教についての一文も印象に残りました。

結局、親が子供に受け継がせるものとしては、
政治的意見やスポーツの興味、食習慣などより、
宗教上の信念のほうがはるかに成功しているのだ。 位置4408 

・・・確かに。 

特に「死」について書かれたパートは、
コロナ禍にこそ読む価値があったかと。

「開けた場で率直に死について語る」ということが、
現代には必要なのではないか、という作者の主張にもただうなずくばかりでした。

死が身近ではない現代人に、
急に降りかかってきたコロナウイルス。

なんとか生き延びて今後の教訓にしたいところですね。

 

キス・キス / ロアルド・ダール

キス・キス

キス・キス

以前から短編小説を書きたいと思っているので、
古典的な短篇の名手、ロアルド・ダールの短編を読んでみました。

『チャーリーのチョコレート工場』でおなじみの著者です。

ブラックユーモアが好きな方にはおすすめ、
話のオチがだいたい黒いという・・。笑

 おすすめは「天国への登り道」「牧師のたのしみ」あたりかなぁ・・。 

「これからどうなるの?」という読者の
意識を操るテクニックを学べた気がします。

短編小説を書くうんぬんを抜きにしてコロナ禍は重くて長い話を読むのよりも、
短編を読むことがすごく増えた気がしますね。

紙の動物園 / ケン・リュウ

紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

もう一つおすすめの短編集を紹介。

日本でも数年前話題になった中国SFの短編集『紙の動物園』です。

2018年にほとんど読んでいたのですが、
最後の1編を読む前になぜかキンドル端末から消してしまったので、
最近読み終えてないことに気づきようやく読了。

ときどき、紙の動物たちは、困った事態に陥った。
一度、水牛が夕食時にテーブルの上の醤油皿に飛びこんだことがあった(本物の水牛のように、ぬた場で転げまわるのが好きなのだ) 
位置62  

やっぱり表題作の「紙の動物園」、他には「結縄」「良い狩りを」
辺りは、中国の深い歴史の蓄積があるからこそ書けたもので

古の技術と未来の技術と結びつき、
独特な味わいを出すのが個人的にはグッと惹かれました。

未来になっても、
ピラミッドの下層部はいい扱いを受けてないのがなんだかな・・と思ったり。
 

中国SFめちゃめちゃ熱いです。
テッドチャンの『息吹』もよかったですが、
ギミックが濃くおすすめしづらいので『紙の動物園』の方が
入りやすいかと。

いまさらですが、
最近ようやく話題の『三体』に取り掛かりました。

来年春には第三巻も発売されるとのことなので、
流行りに乗り遅れず読み通したいと思います。 

 

クックズ・ツアー / アンソニー・ボーデイン

クックズ・ツアー

クックズ・ツアー

料理系の本、なんだかんだで毎年リストに入れてる気がします。

この本は有名シェフが世界中の料理を食べまわる様子を記録した本

料理や味の描写はもちろん、
シェフの悪態、レストラン業界の裏側なども知れたりするのが興味深いです。
 

個人的にはエディンバラで
スコットランド料理である「ハギス」を食べるシーンやビールを飲むシーン
印象に残りました。

この世でビールを飲むのに完璧な場所があるとしたらここがそれだ。
通りの角に建つ目立たないパブで、小さな看板にスモークガラスの窓。
通りから中は見えない。ドアを開けるとそこは時代物の小さなバーで、
すりきれた木の床、ビールとエールの手動式のサーバーがあり、数人の中年男がパイント・グラスを手にバーテンダーとおしゃべりしている。 
位置5391 

 この本に刺激されて、
普段は作らないボツワナ料理やレンズマメのスープを作ったりも。

 旅行ができないなか、こうしたグルメ系の紀行文を読むと、
どこかに現実逃避できるのでおすすめです。


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ラジオのこちら側で / ピーター・バラカン

ラジオのこちら側で (岩波新書)

ラジオのこちら側で (岩波新書)

 

ピーターバラカンさんの自伝。

 イギリスからやってきた若いバラカンさんが、
日本のレコード会社やラジオ局で奮闘する様子が書かれています。

 毎章の終わりにプレイリストが組まれていて、
どの曲も非常に良かったです。 

アメリカやイギリスのラジオ業界・歴史についても知ることができ、
Podcastの今後を考える上でも非常に参考になった一冊でした。
YMOとの絡みを知れるのも良かった。

 日本のラジオDJにはあまり見られない、
「選曲のポリシーはあいかわらず"自分がいいと思う音楽"ということだけ」
というしっかりした姿勢を持ったバラカンさん。

文章が知識だとすると、ラジオは情熱ですよね、たぶん。

ゲストと二人で交互に曲をかけあう、
”レディオ・ピンポン”、やってみたいですね。

2021年には、ちょっと新しい企画を考えてたりします。(お楽しみに) 

 

もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて: 続・情報共有の未来 / yomoyomo

Tech系の話題が好きな方は必読の一冊。

ブログやSF、ポッドキャストやVR、プライバシー、仮想通貨、IoTなど、
ありとあらゆるテクノロジー関連の未来について深く考察されています。

はてなブログも更新されているyomoyomoさんが執筆されている著作が
Kindleでも配信されると聞いてさっそく読んでみました。

古い記事をまとめたものなのですが

オキュラスクエストにおける性差別問題や、
プライバシー関連の話、ブログに込める思いなど、
どのトピックも読ませる内容になってます。

ねじまきブログは、
テック系の話が好きな読者の方、リスナーの方が多い気がするので、
またブログかポッドキャストで振り返ってみたいと思います。

ちょくちょくデビッド・ボウイやジョニ・ミッチェルなどロックネタを絡めておられるのも個人的にツボだったり。

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』最新版公開&Kindle版公開!- YAMDAS現更新履歴

 

ネットビジネス進化論 / 尾原和啓

ネットビジネス進化論 何が「成功」をもたらすのか

ネットビジネス進化論 何が「成功」をもたらすのか

  • 作者:尾原和啓
  • 発売日: 2020/06/27
  • メディア: Kindle版

なんだか自己啓発本っぽい感じのタイトルですが、
書かれているのはすごくまっとうな内容です。

ヤフオクやメルカリがトップを取った経緯や、
アマゾンが「本」からスタートした理由
あまり知らなかった中国テック業界の動向についても知れることができたのも◎。 

日本で中国や東南アジアのようなすべてを統括するスーパーアプリができなかった理由として、

ざっくりいえば、日本はいまとなっては中途半端に「便利」な社会になっていた、というのが大きいと思います。
位置786

という考察にはなるほど、と驚かされました。

 

PaypayやLine Payなどの ”なんたらPay”は
手数料を取ることがメインの目的ではなく、

支払いの苦悩から解放し、
従来なら「こんなのは商売にならない」とあきらめていたような小さなことでも、
ビジネスとして成り立つようになること、

というのは目から鱗でした。

ITビジネスに関わる方、ぜひ読んでみてください。 
 

ゲーム音楽史 スーパーマリオとドラクエを始点とするゲーム・ミュージックの歴史 / 岩崎祐之助

「制限の中、いかにより良い音楽を生み出すか」

ゲーム音楽一曲一曲が、
プロジェクトX並みのドラマが作れそうな苦労をしてるのを知れる一冊。

マリオ・ドラクエから始まり、
スーファミやメガドライブ、PS2まで、
ゲーム音楽とハードの進化の歴史を学ぶことができます。

個人的には結構いい本だったな、と思ったのですが、
Amazonではあまり評価がよろしくないようです。。

けっこうマニアックで専門的・コアな話題が続くので、
昔からのゲーマーや、作曲に興味のある方に読んでほしい一冊。  

『ゲーム音楽ディスクガイド1・2』もあわせて読む/聴く、と
ゲームミュージックの世界の深さに驚かされることでしょう。

幻覚剤は役に立つのか / マイケル・ポーラン

ドラッグは人にいかなる影響を与えるのか。
雑誌WIREDの"トリップ特集"でも大きく特集されてました。

僕は昔からドラッグカルチャーに興味があるので、 
この一冊にはまさにブッとばされました。

LSDからマジックマッシュルームまで、
実際の被験者のことばをたくさん聞けるのも非常に興味深かったです。

幻覚剤がもたらす意識変化を学術界主流派がなぜここまで恐れるのか、という重要な問いの答えがここにはある」グリフィスと初めて会ったとき、彼は言った。「これまでだって、重大な神秘体験から生まれた数多くの権威が、既存のヒエラルキー構造を揺さぶる脅威となってきたからね」

位置1050 

 

 ...でもこの経験のおかげで、植物とつながり、それを使う人々ともつながっていると思えるようになりました。儀式で使うのであれ、幻覚剤として使うのであれ、サラダとして食べるのであれ」
位置1193 

物質主義の限界を超えるには、
なにかしらこういった想像力を爆発させる刺激が必要なのかもしれません。

ちょっとお高い一冊ですが、
まさに「意識が変わる」一冊であることを保証します。

サイケな世界 ~スターが語る幻覚体験~を観た感想【Netflix】- 世界のねじを巻くブログ

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電子書籍で読めます

長くなりましたが、Kindle端末で読めるオススメ本10冊を振り返ってみました。

こうして電子書籍10冊を振り返ってみると、
なんだかんだ新型コロナウイルスに影響を受けているようないないような。

現実から離れることを目的とした内容の本ばかりをチョイスしたのは
おそらくそういうことなのかと笑。

お堅い/重ための本はやっぱり紙の本として買うことが多いので、
こういうラインナップになったのかもしれません。

紹介した本にはKindle Unlimited読み放題対象の本もいくつかあるので、
ぜひチェックしてみてください。
(楽天Koboでも買えるものもあります)

ほかにも「この本良かったよ!」というおすすめのキンドル本がある方は、
気軽にコメント頂ければ幸いです。

お題「#買って良かった2020

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