【Mr.Children最新作】
ついにでました、ミスター・チルドレンのニューアルバム『重力と呼吸』! フラゲして何周か聞き通せたので、はじめて聞いた印象もふくめ、レビュー/感想を全曲、書いてみたいと思います。
【新譜の感想】
何周か聞いた感想をざっくり書いていきます。
Your Song : (1曲目)
冒頭を飾るのはアルバムの詳細とともに解禁された新曲「Your Song」。 PV(MV)も公開されてます。
VIDEO www.youtube.com
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このミュージックビデオでは、ビルの屋上での撮影で、 ビートルズの屋上セッションやU2の「約束の地」PVを意識してるのでしょうか。
ドラムのカウントと桜井和寿さんの冒頭のシャウトが◎ ベースもシンプルながら、いい仕事してます。歌詞はわりとシンプルめ。
U2の「Walk On」、コールドプレイの「In My Place」的な雰囲気があります。 濁りなくまっすぐ透き通ったようなサウンド。 あともうちょっとサビが強ければな・・。3:15~の田原さんの空間的なギターソロが「All That~」期のU2のそれ ですね。
曲調は違うものの、エルトンジョンの「ユア・ソング」と同名タイトル。
確か『Split The Difference 』でもカバーしてたので、間違いなく意識はしているでしょう。
何よりメンバーが楽しそうに演奏しているのが堪りませんね。 ドラマ向けな一曲かもしれません。
海にて、心は裸になりたがる : (2曲目)
なんだろ、前作『リフレクション』の「FIGHT CLUB」ばりのちょいダサロック。
ロードオブメジャー が演奏してても違和感なさそうな一曲。音が若い! 笑
とにかくライブ向け で、コール&レスポンスをする桜井さんの様子が目に浮かびます。
生臭い海の匂いは ロマンチックとは程遠いけど デスクにいるより居心地が 良くてハイになる
この歌詞が好きですね。
雑な 転調がこれまた若手っぽい味が出てます。
鈴木さんのドラムのパターンが数小節ごとに変化するのが聴いてて面白い。
イントロ・アウトロのピコピコ音が良い意味で古新しくて◎
SINGLES : (3曲目)
「名もなき詩」風のギターやドラムに疾走感が加わった感じ。あと「斜陽」っぽくもあり、完成度はかなり高いですね。
2:56~のギターソロが堪りません!
クイーンやサイケ期のビートルズを想起させます。 ちょこちょこ入るピアノがU2の「New Year's Day」っぽくて好みです。
サビのハモりのコーラスが少しクドいかも?
here comes my love : (4曲目)
優しそうなタイトルとは裏腹に、わりとギターが鳴ってます。
緩急つけた曲の展開 は新鮮。
タイトルを小文字にしたのは何か意味があってのことなんですかね。
3:12~や4:20~あたりのギターがこれまたQueen感MAX。
サビは世間が求めるミスチル像がきちんと出せてると思います。
※クイーンの映画『ボヘミアンラプソディー』を見てきたのでこちらもぜひ。
箱庭: (5曲目)
ブラスが特徴的な曲。ポールマッカートニーの「 Junior's Farm」 がふと思い浮かんだり。
ヒリヒリと流れる 傷口から染み出る 赤い血の色の悲しみが 胸にこぼれる
いきなり重い歌詞ですが、『SENSE』収録曲「I」のような暗い曲調かと思いきやそうでもなく、曲調は極めて明るめ。
明日には明日の風が吹くっていうけど 今日の太陽を浴びたい 月に見惚たい
って部分も好きです。
サビをもう少しまとめた方がよかったかもしれませんね。
曲調は違うものの、部分的に『Atomic Heart』の「Round About ~孤独の肖像~」「ラヴコネクション」と似通う箇所がいくつかあるように思います。
何気に忙しく上下してるベースも聴き所。
addiction : (6曲目)
イントロからグッと引き込まれます。 いかにも洋楽チックな曲名ですが、KEYTALK的なJ-POPの要素強め です。 ホーンセクションが若干ビートルズの「マジカルミステリーツアー」っぽい。
これはファン受けもいいんじゃないでしょうか。歌い方も「フェイク」に近くて◎
ドラムが非常に凝ってます。ベースの絡み具合 もほんとに気持ちよい。
3:08~あたりから急にThe Cureっぽくなります。
歌詞が微妙に惜しいですが、個人的にはこのアルバムでベストな一曲!
day by day(愛犬クルの物語): (7曲目)
「デイ・バイ・デイ」というタイトルよりも副題の「愛犬クル 」が気になってしょうがない曲。
開始で一瞬、The Prodigyの「Breath」 かと思う音でヒヤッとしますが、数秒過ぎるとミスチルサウンドに。
「思春期の夏~君との恋が今も牧場に ...」的なほのぼの系かと思いきや、歌詞も死のニュアンスを含んでおり、意外と重ため。
デモデープ感がある曲で、あえてゴチャゴチャさせてる気がします。 これもQueen感が強め。
「End of the day」の雰囲気を激しめにした感じ。
秋がくれた切符 : (8曲目)
聞く前は、『シフクノオト』に収録されている「花言葉」的な曲なのかな、と思ってたら方向性はだいたいそんな感じ。
良くも悪くも安定のバラード。アルバム内での影は薄いですね。
「水上バス」「空風の帰り道」 が好きな方は気に入るんじゃないでしょうか。
歌詞も今の時期にぴったりです。
himawari (アルバムVer.) : (9曲目)
特に記載はなかったですが、シングルのバージョンとは異なるアルバムバージョンでの収録。ボーカルのニュアンスが大きく変化してます。
ヒマワリというタイトルからは読めない意外とバンドサウンドな一曲。
映画『君の肝臓をたべたい』の主題歌ということもあり、今作では一番知名度のある曲ではないでしょうか。Bメロからサビの盛り上げがいつものミスチルで安心します。
皮膚呼吸 : (10曲目)
ロッキンオンの雑誌を読むと、どうやら007の『ゴールドフィンガー 』から発想した曲とのこと。
"こめかみ"ってこんな漢字なんですね。
0:34~から入るドラムとかあくどすぎます。
「ああ、もう終わってしまうな。」と寂しくなります。
2:35~の歌うベースが今までのミスチルにはなかった感じ。
ラストを締めくくるにはベストな一曲。
「Prelude」の解放感 が好きな方はハマるんじゃないでしょうか。
ダサい 奇抜なタイトルとは裏腹に、ミスチルの作品のなかでもロック要素が強めになってます。
歪んだギターがあちこちに入っており、おっさん層には受けるんじゃないでしょうか。
初めてみたときは「正直微妙・・」と思った炎のようなアルバムジャケットも、見慣れるとこれはこれでありかな。
マスタリングはデビッド・ボウイのアルバムを手掛けたエンジニア によるもので、音質も良いです。 そのライブラリのなかにミスターチルドレンの音が入るなんて感慨深いものがありますね。 メンバーの楽器それぞれがきっちり聞こえるし、とくにベースへのチューニング が個人的にはすごく好みです。ドラムもピチピチ。
せっかく音にこだわっているので、前作『Reflection』と同じくダウンロード版のハイレゾ音源 も販売してほしかったですね。
曲数が10曲と少なめであり、「お伽話」や「忙しい僕ら」「こころ」が収録されておらず 、近いうちに二枚目もリリースされるのでは?という噂もありましたが、さすがにないかな。
今作は「プレイパス」でCDなしでも音楽がスマホで聴けるので、CDプレイヤーを持ってない方はそちらでも聴いてみてください。 アメトークで「Mr.Children芸人」 も放送されるようなので、そっちも楽しみですね。
【評価はいかに?】
いかがだったでしょうか? TwitterなどのSNSの評判も賛否両論 、といったところ。
ミスチルの最新作ということで、ハードル上がってはしまうのですが、 しっかり時代に沿った音を鳴らしているかと思います。
個人的には前作「リフレクション」の出来が良すぎたのでそのハードルは越えられなかったのかな、と。 メロディアスさは若干薄いので、バンドサウンドで押し切りすぎな感じもしますが、前のめりなメンバーの演奏を聞くにはこのアルバムは外せないでしょう。
個人的に次回作では、小林武史プロデューサーも含めたアルバムが聴きたいですね。 ライブはチケットが取れず参加できませんが、当選した方はぜひ楽しんで来て下さい。
台湾(Taiwan)公演も無事成功、とのことでなによりでした。
『SOUNDTRACKS』のレビューも書きました。
www.nejimakiblog.com
ポッドキャストやってます。 ミスターチルドレンについても熱く語っていますので、ファンの方はぜひ。 iPhone/iTunesで聴く →
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※追記(2019.3.5): ドームツアー『Mr.Children Dome Tour 2019 “Against All GRAVITY”』が 開催決定したようです。「重力に逆らえ」という言葉がなんとも期待を高めてくれます。セトリが気になるとともに、次のアルバムも楽しみですね!