世界のねじを巻くブログ

ゲイが独自の視点で、海外記事/映画/書評/音楽/電子書籍/Lifehack/Podcastなどについてお伝えします。ポッドキャスト「ねじまきラジオ」配信中。

『ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行』を観た感想

映画館への愛が溢れる作品

スコットランドのドキュメンタリー監督マーク・カズンズが、
過去の映画を紐解く『ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行』

まさに”映画のベスト盤”って感じで、いろんな映画のユニークな部分を、
映像とともに紹介してくれます。

ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行感想

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感想・レビュー

一見、映画マニア向けのかと思いきや、

『ジョーカー』はじめ『ブックスマート』『デッドプール』『マッドマックス怒りのデスロード』『2001年宇宙の旅』『アス』『ブラックパンサー』『パラサイト』『万引き家族』
などなど、
シネフィルじゃない一般人でも知っている有名どころの作品もでてくる安心設計。

どれもインパクトあるユニークな作品ばかりなので、
退屈する暇がなかったな~と。

 

下記、個人的に印象に残った・見たいなと思った映画を10個ほど。

 

・『光の墓』

タイ映画。あの『ブンミおじさんの森』の監督の作品だそう。

 

・『プティ・カンカン』

フランスのコメディ映画。
予告を観た感じ、『ローマの休日』っぽく動作だけでもかなり楽しめそうな映画。

 

 

・『ベイビードライバー』

街のリズムと音楽の融合が絶対好きなやつ。

 

・『銃弾の饗宴』


 

・『アクトオブキリング』

そんな映画アリかよ!?って言いたくなる作品。
これはフルで見てみたいなと。

 

・『I Am Not A Witch』

映像だけでも衝撃。

 

・『イット・フォローズ』

右回転のカメラがえぐい。

 

 

・『貝殻と僧侶』

こういうサイケでシュールレな映像作品、個人的にはけっこう好き。

 

・『幸福なラザロ』

これネットでも話題になってた気がするので、近いうちにみたいなと。

 

  • 『アイリッシュマン』、若返り技術にそんな手間かけてたのに驚き
  • 『白雪姫』があの時代なのにキャプチャーモーションだったのにびっくり
  • 『マッドマックス怒りのデスロード』のモノクロ版も数分流れたけどカラーとはまた違う魅力があって映画館でみとけばよかったなと
  • 不倫を描いた『象は静かに座っている』も数分のクリップだけで衝撃。
  • 『鳥類学者』キリスト教の狂信者な中国人に西洋人が・・・というのが面白そう

 

監督の語り口が淡々としつつも、
映画への愛が隠せない感じのがよかったなと。

 

アップリンク京都で観たんですが、
Webマガジン「オリーブ」のZine(ジン)がこの映画にでてくる料理を特集していて、
無料でもらえたのですがこれもなかなか◎。

映画のなかの、あのごはん ー『ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行』 からみる映画の食卓 | OLIVE

 

こういう映画の映像特集、みたいなのって、
マニアックな古典映画ばかりになったりしがちなんですが、
現代の若者向け映画もしっかり紹介されていてふつーに楽しめるかと。

上映時間は2時間40分という長さでしたが、
日曜の夜ということもあって
ずっと見ていたいような、現実逃避にはぴったりの作品でした。

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『ウェルカムトゥーアース あなたの知らない地球』嗅覚回の感想

においに宿る力

ディズニープラスにて配信中の『ウェルカムトゥーアース あなたの知らない地球』

話題のウィル・スミスがメインをつとめる
ナショナルジオグラフィックのドキュメンタリーをみたのでざっくり感想を。

予告編はこんな感じ。

 

以前も書いたように、
香り・においに個人的なオブセッションがあるので、
もちろん嗅覚に関するエピソードからチェック。

ほんとにざっくりとまとめてみました。

 

オーストラリアのグレートバリアリーフのイタチザメの話からはじまります。

 

"自然界ではにおいが生死をわけることがある"

 

・ウミガメ 鼻を出すのは匂いを嗅ぐため。
水の中でも空気中でもどちらにいても匂いをかげる

 

目の不自由な探求家 エリックさんの話

”太陽に焼かれた雪の匂い”という表現が面白い

 

キノコは森をつなぐ糸
メッセージを交換している

→森がひとつのシステム
(ウッドワイドウェブ WWW) 面白い発想。

 

・サケがもとの川に戻れる理由として、
川の匂いというよりは、故郷の川岸の匂いを嗅いで戻っている

 

・刈られた草のにおいが前頭葉を直撃するという表現も◎
イモムシが食べた葉のにおいで、鳥が気づいて食べにくるらしい


・嗅覚だけはフィルターを通さず脳に情報を伝える

 

・インドネシア ロンボク島
パロロというへびのような生き物の、青とオレンジのダンスがきれいだった 

全体的に映像が美しく、さすがナショジオ、というのを見せてくれる番組。
コンパクトな時間ににまとまっているので、助かりますね。

アカデミー賞の平手打ち事件以来、
渦中のウィルスミスですが、
この番組をみる限りはいい人そうだな、という印象。

ウィル・スミスが父にまつわる幼少のにおいの記憶を
語るシーンもよかったし。

(どうせなら、オスカーでもユーモアで返してほしかったところ。)

ザ・シンプソンズのシーズン32が配信されたとのことで、
ディズニー+を復活しましたが、
Disney+のドキュメンタリーも充実してきましたね~

見逃したアガサクリスティー原作の『ナイル川殺人事件』も見ようかと思います。

 

なんともテキトーなブログ記事になりましたが、そろそろこの辺で。
嗅覚関係のは、雑にいっぱいまとめていこうと思います。

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映画『SING2』の感想とU2的な小ネタ集

シング:ネクストステージ

『シング2』観てきました。
U2は昔からお世話になってたバンドのひとつなので、
これは見に行かねばな、と友人とレイトショーで観てきました。

sing2のU2ネタと感想

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OPからプリンスの代表曲「Let's Go Crazy」が!

子供向けの映画ですが、
おっさんホイホイな映画でもあるのが一発で伝わってきました。

タロンエガートンの『キングスマン2』繫がりでそのままでしたね~

1980年代の歌詞なのに"スマホ"というワードがあったり、
大胆に現代風の和訳がされていて、翻訳家さんの苦労が見え隠れ。。

前作もそうでしたが全体的にテンポが速く、
こんなのに着いていけるいまの子供って
昔と比べて知能が進化してる気がする・・・。
(自分が子供の頃なんてポケモンとか見るので精一杯なのに)

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もう一度字幕や吹き替えで見直す方に、小ネタ的なのを軽くまとめておきます。
(僕が勝手に思ったものなので思い込みがあるかもですが。)

  • 『ロケットマン』のエルトンジョン風の芋虫
  • レッドショア → 初期のライブを収めた"レッドロックス"のもじり?
  • レッドショアシティーに行くときにヨシュアツリーが砂漠に植わっている
  • "Musical Of Space Oddity" → デビッドボウイのあの曲
  • Out Of This World → 初期の曲「Out Of Control」
  • ラスベガス、ヨセミテ、ロサンゼルス、ニューヨーク風な景色がたくさん
  • 妻の名前ルビー → U2がよくカバーしていたローリングストーンズのRuby Tuesday
  • 電気鉄線(Electric Fence) → U2のシングル「Electric Co.」
  • リック・クラブ → ローリングストーンズの舌「リック」にかけている
  • マジェスティックパレスシアター → ストーンズのアルバム『サタニックマジェスティーズ』

一度観ただけでこれだけあったので、
決してこじつけではないはず・・・。

電気鉄線もわざわざ文字で書かなくてもいいはずだし、確信犯かと。
(シンプソンズ的でけっこう好きでした笑)

 

ネタバレありの感想として、

 

(いちおう行間を空けて)

 

  • 前作のシング1は借金を返す話で、
    犯罪を堂々と行ったりなんだんだ重たい展開でしたが、
    今回はストーリー的に安心して観られるサクセスストーリーだった
  • CGが1よりも進化している 濡れコアラはかなりリアル。
  • 音楽が基本1コーラスぐらいでブツギられるので、
    もうちょっとフルで聴きたい曲もたくさんあったなぁと。
  • ハリネズミが
    「Stcuk In A Moment You Can't Get Out Of」を歌うだけで
    というのが隠遁生活から復帰した理由としてはちょっと説得力がなかったような。
  • 前作の準メインキャラが一切出てこなかったのは権利の関係なのか・・・。
  • 「終わりなき旅(I Still~)」の曲は思った以上にU2のライブ感そのまんまで◎
  • U2のBonoのキャロウェイ役声優が意外とうまくて、
    友人が「同じ声の人が歌っていると思わなかった」と言ってました。

U2をヨイショしてる映画なのですが、
一般人の反応としてはどうなんだろう?と思ったりも笑

 

それでもアーティストとアニメを
いい感じにひとつの映画に落とし込んでたので、
その辺りはスタッフの力量すごかったんだろうなと。

 

吹き替え版の感想をツイッターで見てると、
B'zの稲葉さんの声もなかなかいい感じらしくて。

 

サントラ盤を聴き直しているんですが、
映画ではあまり目立たなかった「Tippy Toes」がかなりいい感じ。

 

 

Twitterをみていると、
あ、なるほどな~と思ったのが

 

 

芸が細かい・・・!

 

U2の曲もかなり短めにしか流れなかったので、
ぜひフル音源で、
願わくば原曲もあわせて聞いてほしいなと。

 

後半ドタバタでしたが、
おおむね楽しめました!!

お子さんを連れて、もしくはデートでも見てほしい映画でした。

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コロナ禍に観る映画『インフェルノ』とダンテの「神曲」

没後700年とパンデミック

ダンテが亡くなってから700年が経つのだそう。
ダンテといえば、やっぱり『神曲』。

ということで、いきなり原作を読むのはちょっと辛いので、
ちょっとずるをして阿刀田 高の『やさしいダンテ<神曲>』 (角川文庫)と、
コロナ繫がりで映画『インフェルノ』を観ました。

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インフェルノ(2016年)

ダン・ブラウンの本『インフェルノ』が原作の映画。
もちろんトムハンクスが主演です。

個人的な話をすると、
ラングドン教授シリーズの『ダヴィンチコード』や『天使と悪魔』『ロストシンボル』は学生時代に、原作・映画とも見るほど好きだったんですが、
シリーズを経るごとにワンパターン化してきて、
読むのも観るのも止めちゃった、
という感じが今。

せっかくの(?)コロナ禍なので、
ダンテ死後700周年である2021年に
「今見るしか」と思って映画を見てみました。

原作は2013年に発売した作品ですが(映画は2016年)、
世界中を襲うパンデミックがテーマで、
思った以上に現在のコロナ禍の状況と重っていてびっくり。

 

ちなみに「インフェルノ」というタイトルは、
「神曲」の第一部である「地獄篇 (Inferno)」から来ています。

 

感想としては、「映画自体はまぁこんなもんか・・。」
と思いつつも、なんだかんだイタリア旅行映画としても楽んじゃいました。

 

もちろんダンテ新曲のモチーフが何度も登場し、
それが物語を動かすキーになっています。
まあいつも通りのダンブラウン作品でしたね。

 

ラストシーンの東ローマ帝国の大貯水槽、
イスタンブールにあるバシリカ・シスタン (Basilica Cistern) 
一度は訪れてみたい。。

 

『やさしいダンテ<神曲>』/ 阿刀田 高

短篇小説の名手としても有名な阿刀田 高さん。

ギリシャ神話やキリスト教、中世ヨーロッパの知識がなくても楽しめるように、
いちから神曲の背景を説明してくれています。

間違える人が多いのですが、読み方は "かみきょく"、ではなくて"しんきょく"。

 

神曲、現代の芸術やポップカルチャーにも散々引用されている名作。

 

ちなみに、
この「神曲」の第一部である「地獄篇 (Inferno)」を一言で無理やり要約すると、

”イタリア人の地獄めぐり”というお話。

なので話の筋のみでいうと、
それほどややこしいというわけではなかったり。

 

この本は神曲のあらすじのみならず、

ダンテの生い立ち、歴史的背景、宗教的な意味、
登場する怪物の設定、筆者の解釈
など初心者にもしっかいrわかりやすく書いてあったので、
とても楽しめました。


神曲はそもそもイタリアの詩の形式書かれた作品であり、
至る所に細かな工夫が凝らしてあるのでそれもすごいのなんの。

 

パブリックドメインな、2011年の映画もあるので雰囲気を味わいたい方は
こちらもぜひ。

 

余裕があれば、
来年日本語訳でも原作を読んでみたいなぁ、と。

イタリア語の詩なので、
リズムとかは完全に失われてはしまうんでしょうけども。

 

映画やゲームの元ネタ

なぜ僕が読もうかと思ったきっかけとして、
大江健三郎がよくダンテの話をするので、
「これは読まなきゃ」と思った次第で。

ほかにも僕がおおっと思ったのは、
ゲーム『バイオハザードリベレーションズ』で、
章ごとにダンテの「神曲」からの詩句が引用される演出がかっこよくて。

 

なんだかんだ日本のポップカルチャーや文学界隈に与えた影響も大きいんだなぁと
改めて思いました。

 

ほかにも、ゲイ映画の『君の名前で僕を呼んででも神曲の一節が引用されていたり。

 

古典文学を引用しまくる映画といえば、ブラッド・ピット主演の映画『セブン』。
セブンででも神曲は引用されてます。

 

SF小説としても読めるし、哲学書としても、ミステリーとしても読める神曲。

 

ネットカルチャーで”かみきょく”、という言葉が当たり前のようになりましたが、
たぶんダンテがいなかったらこの言葉は生まれなかったはず・・・。

(ちなみに英語では「Divine Comedy」とされてます)

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コロナ禍・ダンテ700周年がいいきっかけになったので、

2022年はドストエフスキー生誕200周年ということで、
『カラマーゾフの兄弟』に挑戦しようかと思ってます。

 

神曲、今回はダイジェスト版で知ったつもりになっただけですが、
こうやってなんとか背景をを知れただけでも、
ちょっと世界が広がった気がします。

 

話は飛びますが、Netflixの検索で引っかかった
『グリーン・インフェルノ』見てるけど強烈すぎてww
正月はこの映画見ようかなと笑

 

ダンテの神曲をざっくり知りたいか方はぜひ。

 

 

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SAMANSA:短編映画専門のストリーミング配信サービスがいい感じ

サマンサというショートムービーサブスク

Facebook広告でみつけた「サマンサ」というサービス。

ざっくりいうと、
ショートムービ版のネットフリックス、といったところで。

SAMANSA

このSAMANSAでは、世界各国の良作短編映画を集めており、
カンヌ映画祭やサンダンス映画祭を受賞した作品もみれるそう。

現時点では無料なので、映画好きにはおすすめのサービスです。
※追記(2023.4.23): 価格は現在、月額250円になりました。
それでも十分に入る価値はあるかと。

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使ってみた感想

サマンサを軽く使ってみた感想をざっくりと。

ほんとに短編映画専門のネットフリックスっていう感じ。
UIも似ているのですぐに慣れると思います。

でもおすすめの作品などには

 

コメディー・お笑い系がわりかし多めにそろっていたので、
うれしい誤算。


軽くザッピングして気に入ったおすすめの作品を軽く挙げると、

 

1分以下の超短編映画『ベッドの下』。
ホラー好きなら気に入るはず。
これぞ超短編映画、って感じの作品です。

 

アニメ映画の『気まずいあるある』など普段目にしないような
スタイルの作品。

 

ジェンダーに触れたドキュメンタリー『ダンスにジェンダーは関係ない』

 

フィルムカメラに焦点を当てた『ダーク・ルーム』
ハードボイルドなしぶい短編映画も。

 

サイケデリックな雰囲気の 

『コスミックドープ 〜知覚の向こう側〜 (R指定)』

 

などなど。

 

samansa短編映画のストリーミング配信

ざっと30分ほど見ただけでもいくつか心に触れる作品があるかと。

まだ10分越えの作品を見てないので、
まだまだ気になる作品がたくさんあります。

 

話題性ではなく、作品の良しあしでチョイスされているのが好感触でした。

 

僕が短編映画に期待するものとして、
・意表をつくもの
・普段みない世界を見せてくれるもの
・欧米圏以外の作品

ぐらいかなぁと思うのですが、

ところどころツボを突く作品があってよかったです。

 

まだ検索機能が完ぺきではないので
「ドキュメンタリー」と検索欄に入力しても
作品が出てこなかったりするのは改善の余地があるかも。

カテゴリーがもっと探しやすいといいかもですね。

 

本家ネトフリに比べると、
選択画面がまだ未完成という感じなのですが、
動作はサクサクしているので
これからに期待、という感じ。

スポーツものやドキュメンタリー系が
今後もっと増えてくれるといいですね。

 

個人的なおすすめは『嘘発見器におまかせを!』という作品。

3分12秒という短さながら、犯罪ネタ・ゲイネタを盛り込んでいくスタイル。

採用面接を受けにきたハンソンだったが、この会社ではなんと嘘発見器が使われるらしい... 色々な嘘が飛び交い収拾がつかなくなるコント作品!

 

ネットフリックスよりも映画がすぐ(スムースに)始まるのは◎

なぜ"サマンサ"というサービス名なのかがちょっと気になります笑

 

とりあえず、10月20日までは無料でみられるようなので、
短い尺の映画やインディーズ映画が好きな方は気軽にどうぞ。

www.aboutsamansa.com

 

最近、YoutubeショートやTiktokでもPRをしてて、
ネタバレなしでストーリーのあらすじをみられるので、
そちらもおすすめです。

 

※追記(2024.1.21):

2024年1月の段階では、価格・値段はこんな感じ。

→ 1週間トライアル付き(以降月額¥370)。

ネトフリと比較するとかなりお得なので、時間がない人もぜひ。

https://www.samansa.com/

 

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マスキュリニティで読む21世紀アメリカ映画 / 國友万裕 を読んだ感想

男らしさとポップカルチャー

ハリウッド映画でみるジェンダー論を書いた本、
マスキュリニティで読む21世紀アメリカ映画(英宝社)』が発売されたので、
さっそく読んでみた感想を書いてみたいと思います。

 この書籍の内容としては、マスキュリニティー(男性性・男らしさ)の問題を中心に、
アメリカ映画と文化を辿っていくという本。

 

感想・レビュー

個人的な感想をざっくり簡単に書いてみたいと思います。

タイトルから想像すると、ちょっと男臭い本なのかと思いきや、
エマワトソンの国連スピーチを軸に、
女性への配慮もある導入文ではじまる点が好感触でした。

基本的な流れとしてはいくつかのトピックのもと、

『ファイトクラブ』など有名タイトルから
はじめて聞くような映画までジャンルや年代問わず紹介され、
その作品の背景やジャンダー論的な分析が分かりやすく書かれています。


オタク文化、#MeToo、メトロセクシュアルとブロマンス、イクメン、LGBTQ
などなど、

あらゆる視点で"アメリカの男らしさ"というものを揺さぶる一冊。

 

 自身と強さを見せつける男性の時代は去り、
これからは迷い、傷つきながらも、民主的で誠実であろうとすることが、
これからの男らしさなのです。 P156

 

ホモソーシャルやゲイカルチャーなど男性的な部分だけでなく、
フェミニズムへのバックラッシュやスポーツ、政治など
あらゆる分野に話が広がっていくのも◎

 

後半の "クィア・リーディングで読む『フォースの覚醒』"というパートは、
そんな視点があるのか、と正直驚かされました。

 

タイトルの通り、
アメリカの映画がメインの内容なので、
海外ドラマや本、音楽などの分析ついても読んでみたいなぁと思ったり。

・・・あとちょっと気になったのが、
まだ見てない映画のネタバレが多数含まれるので、
もうちょっと抑えめにしてあるとよかったかな、と思わなくもなかったです笑

 

また、僕個人としては学術的なジェンダー論の用語をあまり知らなかったので、
そういう意味でも楽しめました。

コンシャスレイジング
トロプス
レイシャルプロフェイリング
スラッシュフィクション

など知らなかったワードがたくさん。

 

この本を通して、
個人的に気になった映画を10本選ぶと、

  • 透明人間
  • レッドピル
  • ROOM
  • スーパーバッド
  • ジ・アート・オブ・セルフディフェンス
  • 本当の僕を教えて
  • 40歳の童貞男
  • ファミリーツリー
  • 私の中のあなた
  • ザ・イースト

あたりは今すぐにでも見てみたいなぁ、と思いました。

なにより見たい映画がたくさん増えたのが、一番よかったことかもしれません。

 

ほんの少しジャンダー論の知識があるだけで
映画の見方って大きく変わったりしますし、

特に男性/女性という性別の壁に挟まれやすい
ゲイの方には読んで欲しい一冊です。
 

以上『マスキュリニティで読む21世紀アメリカ映画』のざっくりレビューでした。 

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マスキュリニティで読む21世紀アメリカ映画

マスキュリニティで読む21世紀アメリカ映画

  • 作者:國友 万裕
  • 発売日: 2021/03/25
  • メディア: 単行本

一分間タイムマシン:5分で見られるアマゾンプライムの映画が良かった話

超短編映画

Amazon Prime Videoでみつけた
超短編映画が面白かったので、5分ほどでざっくり紹介してみます。

その名も『一分間タイムマシン』というショートムービー。

(原題もズバリ「One-Minute Time Machine」)


ちなみに2014年の作品だそうです。


ジャンルとしてはSF・ラブコメディー
という感じなのですが、
ジャンル分けなんてどうでもよくなるぐらい短い映画です。

 

 

超短編映画ということで、
はじめから終わりまで、
5分50秒という作品。

 

いわゆるタイムリープものなんですが、
Back To The~とかとはまた違う面白さがあります。

 

ま、とりあえず5分ぐらいでみてみてください。 

感想として、
映画というよりは、
どちらかというと『世にも奇妙な物語』に近い感覚。

 

途中での展開がうまいなぁとニヤッとさせられます。

テンポがいいのは正義。
・・・ということで非常に雑なブログ記事になりましたが、
隠れた名作の紹介でした。

 

忙しくても見られる映画、っていいですよね~

ネトフリの短編映画やドキュメンタリーはちょこちょこ見てたのですが、

アマゾンプライムの短編は意外とノーマークだったので、
なんか嬉しい発見でした。

一日の終わりに少しずつほかの作品も漁っていきたいと思います。
なにかおすすめの超短編映画があれば、教えて頂ければ幸いです!

『ザイオン(ZION)』下半身がないレスリング選手の話 - 世界のねじを巻くブログ

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LIFE IN A DAY: YouTubeのドキュメンタリーをみた感想

ライフ・イン・ア・デイ

2020年の7月25日、世界中から普段の生活の様子を撮った動画を集めたドキュメンタリー映画「Life In A Day」。

ようやく正式に公開されたのですが、これがすごくいい感じ。

監督はアカデミー賞受賞監督 ケビン・マクドナルド
なんと製作は伝説的映画監督リドリー・スコット

まずはトレイラーからご覧ください。

www.youtube.com

 

"撮影はあなたです。"というコンセプトも素敵で、
一般市民から集めた動画をひとつのドキュメンタリー作品としてまとめたものです。

 なんと192ヶ国から、30万件、65カ国以上の動画を集めたのだそう。

ここまで大規模なプロジェクトはYoutube(というかGoogle)でなければできなかったはず。

 

ライフインアデイ- youtube

 

このコロナ禍に、海外の日常風景を眺められるのは
ほんと貴重な体験。

 

ディレクターズカットの本編(1時間25分)もこちらより無料で見られます。

 

www.youtube.com

 

世界中のありとあらゆるロケーションから、
普通に暮らしている人たちの」日常生活を垣間見ることができます。

 

ざっと気になったのをあげるだけでも、

ダイビングする様子や、墓に花を供える様子、
飼っている魚が死んでしまった子供の様子、川で魚を獲る漁師、
大規模なデモの様子、深夜に赤ん坊ををあやす父、夕焼けの中をバイクで爆走する様子、山を移動する兵士、祈りをささげる女性、養蜂家の様子、コンサートでの自撮り動画、空っぽのオペラハウス、コロナ最前線で闘う医療者、マスクなしでランニングする愛国者、深夜のキャンプ etc....

こんな感じの動画が延々と流されていきます。
もちろん日本人も参加されてます。

リドリー・スコットの編集のおかげか、
どれも不思議なインパクトを持っていて目が離せません。

 

"日常生活覗き見系" のYouTube動画が好きな方にはぜひ見ていただきたいなと。

 

Youtubeプレミアムの方は限定の未公開動画も見られます。 

www.youtube.com

 

世界のVlog

 いわゆる海外のvlogをたくさんあつめてみた、という内容にはなりますが、
人々が生きている姿をみると「自分もなんとか生きなきゃ」と思わずにはいられませんでした。

 

ひとことであらわすと「世界は広いよなぁ」という
小学生みたいな感想しか出てきませんが、まあそういうことですよね。


飛ばし飛ばしでもいいので、一度は見てみてはいかがでしょうか?

公式サイトはこちらより。

Life in a Day | YouTube

 

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サイケな世界 ~スターが語る幻覚体験~を観た感想 - 世界のねじを巻くブログ

映画のフレームレートは高い方がいいのか問題(ポッドキャスト補足記事)

【fpsと映像の関係】

ポッドキャストの補足記事です。
最新回の後半で話した、
「映画のフレームレート(fps)」についての話。


映画館の良さやフレームレートを語るTech回 Part3 | 世界のねじを巻くラジオ

 

fpsとは Frame Per Second の略で、
一秒間に何フレーム表示されるか、のこと。

つまり、24fpsなら、
1秒間に24枚の静止画が使われる、ということを表します。

 

・『キングスマン:ファーストエージェント』予告 おそらく24fps or 30fps

www.youtube.com

よくあるフレームレートはこんな感じの映像です。
テレビで流れるのもこの感じ。

 

・『ホビット 思いがけない冒険』48fpsの予告編

www.youtube.com

映画は通常24fpsとわざとコマを少なくした上映をされることがほとんどの中、
48fpsで上映が行われ話題になった『ホビット』。

キングスマンと比べると、ヌメヌメ動くのがわかるでしょうか?

なめらかさは確かにあるのですが、
ファンタジーの世界が無駄にリアルに動くので、
違和感は否めません。 

 

・スーパーマリオ64を60fps補正したもの

www.youtube.com

60fpsのマリオ。ぬるぬるしてますね。

本来は30fpsで表示されるゲームで、
上の動画の半分のコマ数で動いていたゲームでした。

(Wiiのマリオギャラクシーも確かfpsは高めだったかな)

 
マリオぐらいのゲームだったら30fpsでも問題ないのですが、
1フレームの差が勝負を分ける『ストリートファイター4』とかだと
最低でも60fpsないとダメだといわれてます、。

 

・『ジェミニマン』4K 60fps

www.youtube.com

本来は120fpsで作られた『ジェミニマン』。
(このYoutube動画は4K 60fpsだそうです)

・・・けっこう不自然な感じはしますね。

 

フレームレートが現実により近いせいか、
皮肉なことに緊迫感がすっかり抜け落ちてしまってます。
(※個人的な感想です)

高校生の文化祭ムービーみたいになっちゃってるのが
どうも気になります。

映画の世界はあくまで虚構なので、
わざとフレームレートを下げた方が楽しめるのかも?

アニメは可変FPS
シーンごとにfpsが変わることも珍しくないそうです。


もちろん個人の趣向によるので
これをより良く感じる方がおられても、
それはそれで正しい受け取り方だとは思います。

 

ですが現実問題、
あまり映画の評判はよろしくなかったようです。

 

映画やアニメ、テレビ、ゲームを見るとき、プレイするときは
ぜひフレームレートの概念を頭にいれておくとより楽しめるかもしれません。

 

とりとめのない内容になりましたが、
以上ポッドキャストの補足でした。


映画館の良さやフレームレートを語るTech回 Part3 | 世界のねじを巻くラジオ

Spotifyで聴く: 

世界のねじを巻くラジオ | Podcast on Spotify

宗右衛門地獄突きカーニバル2020@大阪 配信を観た感想

【POP LIFE THE PODCASTイベント】

タナソーこと田中宗一郎さん×宇野惟正さんのイベント配信を
見終わったので感想を軽く書きたいと思います。

2020年11月3日に「宗右衛門地獄突きカーニバル2020」の一枠として行われた
オンライン&大阪Loft PlusOne Westで開催中のイベント。


テーマは
『2010s』から波乱の2020sへ2020年、何を聴き何を観て何を考えたか?
(そして来年何をするか?)

というものでした。

 

COVID-19の影響を考慮して、
ばっちりオンライン配信で公開中。

f:id:popmusik3141:20201105203548j:plain

宗右衛門地獄突きカーニバル2020@大阪

現地で観覧はできなかったので、
ツイキャスの有料配信で閲覧。

ー出演ー
田中宗一郎(編集者、DJ)@soichiro_tanaka
宇野維正(映画・音楽ジャーナリスト)

 

田中宗一郎×宇野維正 2020年、何を聴き何を観て何を考えたか?(そして来年何をするか?) – LOFT PROJECT SCHEDULE

 

 「ポップ・ライフ・ザ・ポッドキャスト」の
延長線、という感じで今回もめちゃ楽しめました。

【感想・振り返り】

 印象に残った部分を軽くまとめてみました。

 

・瑛人の新曲がク〇な話

忖度なしにエイトの新曲について語られてます。

 

・『TENET』が相変わらず叩かれてた

散々いわれててノーラン監督がかわいそう。。

 

・『Savage Mode 2』がめちゃいいらしい

まだ聞いてないのでSpotifyに追加しておきました。

 

・ナイジェリアの音楽が熱いらしい

リズムがやっぱ違うそうです。

 

・ディスクロージャーの崖ライブが最高

これですね。流しながらこの記事書いてますが
ロケーション含め四つ打ちハウスがたまりません。

www.youtube.com

 

・オウテカの新作『SIGN』について

Autechre、僕はそれほど好きなアーティストというわけでもないのですが、
今回のアルバムはけっこう楽しめました。

・宇野惟正さんの映画評・星取りについて
宇野さんの点数・評価制について、けっこうファンから突っ込まれてて笑いましたw

 

・2月末の契約更新の結果で、
もしかすると『POP LIFE THE PODCAST』が終わってしまうかも

予定していたゲーム回もお蔵入りの可能性大だそうです。

Spotify Japanの中の人は協力的だそうですが、
外資の首切りにあわず、なんとか持ちこたえてほしいですね・・・。

ほかにもロッキンオン裏話や政治トークなど、
たっぷり三時間のイベントでした。

 

大阪都構想の住民投票後、
かつ
アメリカ大統領選の一日前
という歴史がめまぐるしく動くど真ん中に開催されたイベント。


オーディエンスの笑い声もしっかり入っていて、
現地組がうらやましかったですね。

 

政治トークでは
二人がヒートアップする場面も。


『フォードVSフェラーリ』の映画が2020年の映画
というのには僕も驚きました。

ここ半年でほんとに大きく変わってしまった2020年・・・。

 

 こちらは前回訪れたロフトワンプラスさんでの『2010s』イベントの様子。
もう9ヶ月前なんですね。。
あれ、これ思ってたLoftじゃない」と思って入ったのも随分前のこと。

 
・・・という感じで、

 ロフトプラスワンウエスト主催イベントの感想をざっくり書いてみました。

 まだTwicastのアーカイブ配信には間に合うので
「2010s」読者もしくは「POP LIFE THE PODCAST」リスナーの方はぜひ。 


サイケな世界 ~スターが語る幻覚体験~を観た感想【Netflix】- 世界のねじを巻くブログ

 

こちらより有料で配信を観ることができます。

田中宗一郎×宇野維正 2020年、何を聴き何を観て何を考えたか?(そして来年何をするか?) – LOFT PROJECT SCHEDULE

 

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